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シンエヴァンゲリオン考察:父性と母性はいかに碇親子を救うか①〈関連作品解説〉


 ※本記事はシンエヴァンゲリオンのネタバレを含みます。


 現在、シンエヴァンゲリオンの考察記事を執筆中です。多くの方が、本作の考察を物語の読解に重きをおいていますが、私は本質的に何を描いた作品であるか記したいと思います。そんな私が、エヴァンゲリオンをより理解するのに必要な補助作品を紹介します。現在執筆中の考察記事において重要な二本柱、”父性と母性:そこからの自立”、”量子学:時空の概念”に沿う選出です。劇場で既にご覧になった方を対象にしております。


【父性と母性:そこからの自立】

〈劇場版「鬼滅の刃」無限列車編〉

 煉獄さんがなぜ強く生き、最後まで鬼とならずに戦えたのでしょうか。それは母から「弱き者を助ける為にあなたは強く生まれた」と教えられた為です。この作品から、子供が生きる為に必要な母性の神々しさや強さが見えます。そして、碇シンジと碇ゲンドウはこの母性を知らずに育っております。この事が歪みを生み、それぞれの孤独、それを克服する為の物語が展開されていくのです。

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〈オイディプスコンプレックス〉

 本作の綾波レイの存在を誤解しない為には、”オイディプスコンプレックス”を知る必要があると思います。

オイディプスコンプレックスとは、母親を手に入れようと思い、また父親に対して強い対抗心を抱くという、幼児期においておこる現実の状況に対するアンビバレントな心理の抑圧のことをいう。引用:wikipedia

 作中でヒロインかのように扱われるレイですが、実は母の代わり、母性の象徴として描かれております。シンジがレイに惹かれる理由は、オイディプスコンプレックスが解決してくれるのではないでしょうか。


〈スターウォーズシリーズ〉

 悪の化身ダースベイダーをルークが倒す話(エピソード4〜6)。ダースベイダーはルークの実の父である。父を超え、かつ父を悪の道から救おうと願うルークの奮闘記。最愛の母と妻を失った事がきっかけで悪へと堕ちたダースベイダーはゲンドウと似ており、義父母に育てられ、真の母性を知らないルークはシンジに似ている。最後に父を善良な者へ導く様は、シンジのそれと同様である。

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【量子学:時空の概念】

〈シュタインズゲート〉

 シンエヴァンゲリオンの副題「Thrice Upon A Time」はSF小説の名称です。この作品を元ネタにしたアニメが、シュタインズゲートで世界線の再構築を繰り返しながらヒロインを救おうとする主人公の話です。アニメ版や旧劇場版から世界線の遷移を考える上でこの作品を理解すると、よりエヴァが楽しめます。

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〈インターステラー〉
 地球を守る為、宇宙を旅する主人公は、さまざまな惑星へ降り立ちます。それらの惑星は地球とは異なる重力を持っている為、時間の進み方が地球とは異なるのです。作中には四次元世界が登場し、時間と場所を行き来する描写があります。これはシンエヴァンゲリオンのマイナス宇宙を理解するのに役立つと思います。シンジとゲンドウが初号機と十三号機に乗り、戦うシーンは空想世界というよりは、時間と場所を行き来する四次元世界なのではないでしょうか。

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 以上、シンエヴァンゲリオンを楽しむ為に抑えておきたい作品と概念を紹介しました。この他にも本作を構成する要素はさまざまあり、それに関連する作品は多々あるかとは思います。ひとまず、私が他の方とは違う切り口で行う考察、”父性と母性”にとって重要なものをあげました。

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