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この世は舞台。劇団 少年社中 「テンペスト」観た。

なんかもう観劇中にウワーーーー!!!!って叫びながら立ち上がってその辺をグルングルン駆け回ったのち外に出てショーシャンクのポーズキメたい衝動に駆られました。
すいません、本当に体がウズウズしてしまいましてね。
カラダが動き出したくなるほどに心が動いたんでしょうなあ。

…いきなり所感から入りました。


まだまだ観劇ペーペー新参者。
毛利亘宏さんのことは「仁義なき幕末」で知ったのですが、劇団 少年社中さんのことは恥ずかしながら存じあげず…。
…だったのですが、昨年、過去の勝吾さん(鈴木さん2名いるのでお名前で失礼)作品履修のため、有識者の方から募ったオススメに沢山社中さん作品があったので、事前に「パラノイア・サーカス」「ピカレスク・セブン」の鑑賞に成功しました。

両作品とも世界観・物語・キャラクターが本当に好きで、刺さりまくっていて。
私、多分社中さんの作る作品が好きなんだろうな…と思うので、誰が出ようと今後の作品も本当に追いかけていきたいと思っております。



◉サンシャインとグッズ〜今年の抱負は貯金〜


そんなこんなで年明け、初めて生で社中作品の観劇が叶いましたよ!!

↑STORY&ビジュアル良良良なキャスト紹介ページ等は上記公式HPから


※以下、舞台の感想と合わせて、グッズに関するネタバレも含みます。※



サンシャインシティ入口にもデカデカ

サンシャイン、また会ったな。
(きみんとこ、いつ行ってもコスプレイヤーさんだらけだな)


さて、現場に出向くと財布の紐がガバガバになることで有名な私ですが、今回はもう「パンフと台本。計2点。購入物は以上です。」と決めて現地入り。なんて言ったって私の今年の抱負は"貯金"。

決めたんです。グッズにお金は使わないってね。















計7点

ダメした。
観劇前はちゃんとパンフと台本のみ購入。有言実行。
…だったのですが、なんかわかんないんですけど、観劇後、気付いたらカードセット×2とデカいブロマイドセット(キャスト全員分入ってる!お得!)とキーホルダーと付箋買ってましたね。
「つける機会ないのでは?」となんなら一番買う気のなかったキーホルダーを気付いたら買っていましたからね。怖いや。
付箋は会社で使います。(1/24これを書いている現在、使ってます)
写真類も全員漏れなくビジュがいいので観ていて飽きませんし、なんなら全員分額装したい。
いい買い物したぞ~~~ッッッ(☝ ՞՞)☝ウィー


以下より感想です。
毎度のことながらオタクの主観感想、ハチャメチャ文章なので、「お前はそんなふうに観て、感じたんだね( ´_ゝ`)ヘー」くらいの感じでお読みいただければ幸いです。

今回チケットが取れたのは1/14(唐橋さんゲスト)&20(小野さんゲスト)のソワレ。なので、14日と20日に観たものが全てとなります。
ちなみに20日のお座席が初・最前だったんですが、圧巻でしたね…。ビギナーズラックってやつだこれは。
舞台上をくまなく見るために激しく首を振っていたので、この日私の首も恐らく鍛えられました。



◉物語の感想

シェイクスピアの戯曲「テンペスト」と、その演目を25周年記念で演じる劇団「虎煌遊戯」の物語がリンクして進んでいく。

個人的にはとても肌にあいまして。好きなんですよこういうお話。
架空の劇団「虎煌遊戯」の公演、を、観に来ている私たち。
25周年、というところで「虎煌遊戯」と「少年社中」はリンクしている。
あれ?私たちの目の前に今いるのはどちら様?
「私は社中さんのファン?虎煌遊戯のファン?」「ここはどこ私は誰?」的な不思議な感覚で観ておりました。どちらが"夢か現か"分からない。

ランが冒頭で、私たち観客に向かって言う。
「僕は、みんなの見ている夢なんじゃないかって。
僕なんて人間はどこにもいないんじゃないかって。ちょっと怖い。」

ああ、この物語は、客席の我々が皆で一緒に見ている、"演劇を観に来た夢の中"なのかもしれないと思った。
ランはランという役を鈴木拡樹さんが演じているのであって、現実にはいない。本当だ。本当にランなんて人間はどこにもいない。少し切ない。
夢の話だ。夢の、演劇の、戯曲の"中"の話だ。

美しく光るランを見ながら早くも「この夢、終わらないで欲しいな~」なんてぼんやり思った。

でもそんな、夢の中の話なんだ、なんてこと考える暇もないくらい、
我々を巻き込んで登場人物は演劇を繰り広げる。
簡単な言葉で表してしまうと、舞台上も舞台裏も「とても分かりやすく」物語は進んでいきます。

♦︎
横暴で暴力的すぎるが故に劇団を負われた演出家のギンが、虎煌遊戯の演劇を壊すために連れてきた謎の天才役者・ランと、天真爛漫系少女ヒメ。
オーディションを経て虎煌遊戯に潜入した二人は虎煌遊戯の25周年記念公演「テンペスト」の初日にギンと共に外から内から物語を破壊していく。
そんな彼らの目論見をなんとかして奮闘する虎煌遊戯のメンバー。
一人で「なんとかしなきゃ」と雁字搦めになる看板役者のカグラ。
一緒に「なんとかしよう」としたい"良き友で同期"で"ライバル"のシュン。
元・虎煌遊戯の看板役者で、劇場の幽霊として現れ、ギンやメンバーに想いを伝えたいゲキ。
主に彼らを取り囲んで、彼らの姿にそれぞれ共鳴するかのように、他のメンバーの演劇や劇団に対する想いも引き出されていきます。

ギンの想いも、虎煌遊戯の面々の想いも、ゲキの想いも、全てがまとまり叶う形で、私たちの目の前で繰り広げられる夢たちは、「大団円」でありつつ、「俺たちの戦いはこれからだEND」を迎えます。
彼らの今後について想像を掻き立てる、「続きが見たくなる」終幕。

ここで、エンディングとオープニングの話もさせてください。
「俺たちは生きる」「夢の続き」というキーワードを主に、両方とも基本的に同じ流れが組まれてるんですけど、まったく同じじゃないんですよこれが。

劇団員の表情や表現にちゃんと差分があるんです。

カグラとシュンの殺陣は、OPでは笑顔なしだったのに、最後は剣を交えながら笑ってるんですよ。
楽しんでるんですよ、芝居を。カグラとシュンは、芝居を楽しみ、お互いを高め合えるライバルに戻れたんですよ。
(こんなの見たらカグラとシュンのオタクは生きて帰れないやつ。)

更に、OPではランが一人で言っていた
「(夢の続きを)俺が見せてやる」が、
エンディングではギンが「俺が」って言った後に劇団員皆で「俺たちが!夢の続きを(見せてやる)」っていうんです。
つまりもう、嵐は去ったのだ、とりあえず、そういうことなのだと。
これからは、皆が対等に劇団を支え、皆で夢の続きを見ながら、なおかつ板の上で、我々に夢の続きを観せてくれるのでしょう…。

また、このOPとエンディング、"現実世界"から見た話をすると、
劇中で皆が叫ぶ「夢」=演劇という存在なのだとしたら、
「夢(演劇)の続きを見てみたい」は我々観客や、板の上に立っている役者陣・裏で支えている関係者たちの共通の願いの言葉。
「見せてやる!」は板の上に立っている、夢=演劇の中にしか存在しない、それぞれが演じる"役"から出てきた言葉、なのかなと想像したり。
あくまで勝手な考察なのですが、そうなると「俺たちは生きる!」と、私たちの目の前で強く言い放っていたあの"役たち"が、とてつもなく愛おしく感じられて。
ただでさえかっこいい群唱も、この演目の期間中でしか生きられない彼らの叫びと思うと、情緒と涙腺が爆発しました。


虎煌遊戯=社中の皆様、いや、この板の上に立つ皆様、これからもいろんな問題に直面しながら苦しんで、怖がって、もがくだろうけど、それでも皆で楽しく芝居をしていて欲しい。
という、観客の、ファンの、一種の分厚めの願いというか、エゴで、本筋の感想は締めくくらせていただきます。

………………

何かを続けていくということは、どうしたって責任や人間関係が伴って、楽しい・好きだから。と始めたことなのに…みたいな時期、あった。
でもそういう時、周りの寄り添いの言葉や、気持ちに喝を入れてくれるような行動で示す熱だったりに助けられてきたし、嫌な奴だと思ってた人も本当は自分に必要な存在だったことに気付いたりして、奮起してきたなと。
そんなふうに思い返す私も、現実の人生においていつかの時は、誰かにとってのギンでありカグラであったことがあったかもしれない。

シェイクスピアの言葉を借りて、『この世は舞台、人はみな役者』。
『この世は一つの舞台だ。
 すべての男も女も役者にすぎない。
 それぞれ舞台に登場しては、消えていく。
 人はその時々にいろいろな役を演じるのだ』

というのを思い出し、少し、この舞台と自分を重ねてみるなどしました。

今度、好きなことを忘れそうになっても大丈夫。
怖いけど楽しいんだって、思い出せる気がするので。


◉社中さん作品に関して

私は常に心に中学2年生を飼っているので、とにかくカッコいいと思えるものを好んで食すのですが、本当に少年社中さんの群唱・ダンス・音楽・衣装も私の心に直球ど真ん中ストレート火の玉。
過去2作品の鑑賞をした際も、登場人物一人一人はっきり輪郭の分かる群唱は、生で浴びたら圧巻だろうなと思っていましたし、どこか怪しげな、操り人形のようなダンス・衣装と音楽もとても刺さるな、魅力的だな、とんときたな、と。
やっぱり生で浴びたら凄かったんだなこれが。
私の夢の続きは、これを生で観ることだったんだ(?)
と。
圧巻も圧巻。泣いた。

あとセット転換すらもかっこいいな〜と思いました。
大きな船をこう、皆様でぐーーーーーっと回して。
船の裏側には、ちゃんと舞台裏があるんですよ。
二重の、二重構造、うまい。
これは謎心理なんですけど、なんか「やりたい!」って思いましたね…お芝居がやりたいとかなんかそういうんじゃなくて…なかなか適切に言葉では言い表せないんですけど。一番最初に書いた通り。興奮したんです。


あと社中さんサントラとか出さないんですか?
私はあのOP、サントラ出たら毎通勤時に聴く自信がありますよ。
あのダンスで出勤しますからね。
まさに「嵐」の海の渦中のような轟々とした音楽に、謎声、サンプリング、最高!

こんなにかっこいい流れがOPとEDで2回見れちゃう。
しかも俳優さんたちそれぞれの表情(心境)違いという仕掛け付きで。
毛利さん……粋(イキ)だねえ……。

こんな気持ち。



◉登場人物に関して(公式HPキャスト順)

前提として、皆さんキャラデザがいい。
衣装も装飾品もメイクも最高。ありがたい。みんな大好きです。
コミカライズとかアニメ化とかして欲しい。

名前もいいですよね。

"ラン"とか"ギン"とか"ゲキ"とか"カグラ"とか、心に中二を飼っている身としては非常にくすぐられる名前。

逆に"シュン"とか"ヒナタ"は普通の名前で、ちょっと寂しいですね。

本名は"ユメサキランノスケ"と"ギンジョウコタロウ"以外わからんけど……と思ったら、購入した台本に本名書いてある!!
助かる〜〜!!やべえ〜〜"カグラ"の本名、すごく唆られる…………ムネツグさんですか??なんだこの漢字!!"神楽"じゃないんだ!!へえ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

楽羅かっけ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



〜〜〜〜〜〜〜ええぇえぇえええ??????????

先刻まで普通の名前だと思っていた男①


ちょっとシュンさんが全然普通の名前じゃないな。

日本の四季とか文化とか文学とか様々な美しさを全部凝縮して素敵な花と一緒に箱に詰めてみましたみたいな名前…いとをかし…。最強に雅…!!!!

先刻まで普通の名前だと思っていた男②

そんでヒナタ苗字か~~~い!!!
君そんな今どきっ子イケメンなのに名前源次っていうの?
剣客みたいな名前してる。
あとゲキの苗字恋若ってなに??かわかっこよ。


…すいません。
名前が良過ぎて興奮してしまいました。
中学二年生なもので。
でも絶対毛利さんもどこかに中学二年生の心をお持ちだと思う。

以下から、本筋です。



★ギン(井俣太良さん)

・私は怒られている対象が自分じゃなくても、傍で怒鳴られている人間を見るだけでダメージを受けるタイプの人間なので、ギンみたいな人に職場にいられると本当に困る。それぐらい怖かったし、厭だった。
そう思わせる井俣さんの演技がすごかったという話をしたいのです。
今回の「テンペスト」、結構中間までギンは井俣さんとは違う人が演じていると思ってた。2作品でしか井俣さんを見ていないけれど、歳とかそういうものじゃ片付けられないくらいの別人度を感じたので、役者さんマジで怖〜〜〜〜!!!!!と思いました。
冒頭の客席乱入、私の斜め後ろでギンめっちゃおこ。って感じだったんですが、怖すぎて。舞台を睨む顔、俯いて言葉を絞り出す顔、圧。怖い。
…と思ったら、「四国のここら辺で」のくだりとか、可愛い感じも出してくれちゃって…ニクい人…。沼が深くないですか?

・ラストの、再度虎煌遊戯に迎え入れられ、共に再び歩むことになった場面。井俣さん、もう水分全部出てましたもん。最高だ。
呪いからの解放、否、修復とかリハビリはこれからなんだけど、これからこのギンがどうやって劇団の面々と折り合いつけてやっていくのか心の底から見たいと思うのです。
ギンにはギンの葛藤が、ゲキに何も気にせず芝居してほしいとか、自分で自分を追い詰めすぎたところがすごくあったんだろうなと。演劇に対する気持ちは本物だし、忖度と優しさだけじゃいいものは作れないから。
「演劇の熱で焼かれる罰をお与えください」はいいセリフすぎる。
きっとこれからは、ランと背中合わせに笑っていたように、芝居を作れるはず。


☆ヒメ/ミランダ(大竹えりさん)

ヒメ本当に可愛いよな。
可憐で天真爛漫、単純で純粋で元気なちゃきちゃきっ娘であり、彼女が話している間は周りにお花が咲いているみたいでした…。
少女にしか見えなかったな…。
現実世界の大竹さんも、ヒメ同様、場の雰囲気を明るくする力、安定感、凄い方なんだなとすごく感じました。これが看板女優のパワー…。

・ギンに喝入れるシーンがとっても好きなんですけど、井俣さんと一緒に旗揚げメンバーということで、軽率に「は〜!エモ〜!!」と心で叫びました。
二人で乗り越えてきたこと、25年で沢山あっただろうな…(あくまで想像)
中盤、ヒメちゃんがギンにバカにされて「ひどい!」と去る時に何かしらギンを罵倒するのですが、そのセリフも言い方も大変可愛いくて、大竹さんが井俣さんをよくご存知だから出るセリフだなって思いました。(剃刀負け!とか)


★ドラゴン/アロンゾ(田辺幸太郎さん)

・穏やかで、気弱、声色から伝わる癒し系。ドラゴン可愛いよドラゴン。

・聞きましたか?散々自分に怒鳴っていた人間(縄で縛られている)に対して彼が放った、か細い「痛くない…?」を。どこまで優しい男なの泣!!
あんな演技指導をあんな優しい人が食らったらPTSDもんですよ…ギンてめえ…!!
でも、ドラゴンがギンから「万歳指導」を受けている流れ、万歳の数を重ねる毎に狂気を帯びていくその姿に恐怖を覚えました。そこに自我はあるんか…?
ギンへの憎しみか、自分への怒りか、演技が演技を越えて自然に出たってやつなのか。あの穏やかな男が…。…田辺さんも怖い。
最終的に"もう劇団をやめないか"という提案を初めてしてしまうのがこのドラゴンなのもリアルですよね。初日がこんなことになったら、積もり積もった気持ちは爆発しますわ…。


☆ダンケ/トリンキュロー(長谷川太郎さん)

・安心中間管理職ポジション。創立メンバーじゃないし、ヤスと漫才みたいにホッとする掛け合いを見せてくれる。二人でユニット組んだらええがな。
当たり前だけど観客の掴みが上手い。
明るく好青年のダンケから、道化師トリンキュローへの変化も見事で、見たこともないトリンキュローの姿が容易に想像できてしまうほど。
奇妙な話し方、歩き方、小物そうな感じ(笑)細かいお芝居が見事ですよね。
ほっぺ赤!と思ったんですが、原作で酒飲み設定だから…?可愛いね…。

・本番前から考えてらっしゃるんでしょうけど、親父ギャグがすごい。
思わず感心の「お〜〜〜」を言ってしまうほどに。
パラノイアサーカス見た時にも、休みなく繰り出される椅子ネタも私はずっといいなと思っていて、社中さんの役者さんで初めて名前を覚えたのが長谷川さんでした。今回も楽しませていただきました。ダンケ。


★ユッコ/アン(杉山未央さん)

・ユッコの心労が心配でならなかった。
皆の良い姉貴分でしっかり者、強気の中にも母性があるから、ギンに対しても真正面から強めに行くけど、それがギンに対する優しさでもある。
声を張り上げて「許すわけない」から続くセリフの、あの涙声が全て、と感じました。杉山さんすごい。もらい泣いた。
ユッコ、劇団受け継いでから大変だったんだろうな。
気を張ってるけど、きっと本当はそんなに強くないのよ…。
膝を抱えて舞台の裏で沈む彼女のそばにドラゴンやミッチ、ケイちゃんがいてくれて本当によかった。ユッコは頑張ってるよ(泣)(泣)(泣)


☆マサ/ゴンザーロ(山川ありそさん)

・本当〜〜〜〜にいいやつ。
私は今日もマサくんにもっと出番の多い役を演じて欲しいと思っているし、どうか今年、彼に沢山良い仕事を与えてください。
あと社会に出てこういう人が近くにいたら大切にしなくてはなりません。
1人で抱え込みすぎる同期と、ガシガシ熱い同期の間には、ここぞというタイミングで手綱を握るマサという男が必要不可欠。誰より二人がそれをわかっている。マサは、自分が手綱を握れる範囲の限界もわかってる。
すごいかっこいい。
ありそさん、かっこいいのに可愛くちょっと情けないマサムーブをカマすのが上手すぎる。マサisリアル。
最後、「大団円!」を告げるのがマサなとこも泣いた。
二人のやり取りの渦中には入っていかないけど、ずっと見守って、ずっと二人と同じくらい芝居が好きで、自分も並びたくて、最後は二人に囲まれて一緒に喜んで、なんて幸せ同期組。
要するに俺はマサの幸せを願うオタクです。


★ケイ/エイドリアン(内山智絵さん)

・男装の麗人。一人宝▲︎。私が虎煌遊戯のオタクだったら、ケイが男装してくれると知った日に嬉しさで友達と朝まで語り倒す自信がある。
気持ちのいい女の子。ヒメにヒロイン取られても、ヒメの演技が良かったから、頑張ってって言える。すぐ切り替えられる。友達になりたい。
自分が男性の役って知って「楽しみ〜」って去っていく後ろ姿が可愛くて可愛くて、内山さん推せるなと思いました。
劇団も、自分が引き継ぐからって、展開に、まだ未来の話だけど、こうやって継承されていくんだろうなと。虎煌遊戯の未来も明るいぞと、思わせてくれる人物でもありました。


☆ミッチ/フランシスコ(川本裕之さん)

・ミッチ、常に一番冷静で大人なんだよな。好き。
誰の意見も否定しない、ギンのことも「他のメンバー含めて考えた時に一緒にやるのは無理だ」って心ではわかっているけど、否定しないし見捨てない。川本さんの少ない言葉に、不器用な温かみが詰まっておるなと。
「(ギンを)恨んでない」「また一緒に芝居しようぜ」と言ってあげられる、自分の気持ちに一本筋の通った感じと優しさ。一緒にやるという選択が、たとえサコンの遺言から来てるとしても、至って冷静に、裏がない伝え方をしてくれる。好きだが?こういう人知れず上手く動ける人に、全人類は支えられているんだよ(何)


★ラン/エアリアル(鈴木拡樹さん)

エルフかな?
エルフ的な人が好きな人間、みんな鈴木拡樹さんのこと見てみてって!!ランくんがそもそも劇中でエアリアルという精霊の役なので衣装もメイクもそんな感じなんですけど、多分小川のほとりでハープを演奏している。
なのにランくんは話し方とかにあまり気品がない見た目と中身にギャップがありすぎる"さすらいの江戸っ子"なんだ。
でも待って、エアリアルとして舞うその軽やかさ、美しさ、指先までしなやかに流れるような動き…舞台上での所作に隠しきれない気品が…。これは…
由緒正しき歌舞伎の名家の出で反抗して家飛び出して父親に勘当されて、でもいつか観た虎煌遊戯の舞台は忘れられなくて海でギンに拾われて、この後劇団で成功して数年後、父親と街で偶然会うけど言葉は交わさずただ頷き合い、無言でわかりあってほしいし父親は息子の出演作全部ちゃんと観てるんだ絶対そうだ(オタクが好きな設定)
…あの海辺ではじめてギンと会った時の回想シーンからここまで妄想させるランを演じる鈴木拡樹…いったい何者?(鈴木拡樹さんです)
ランは"人を幸せにしたい"って言ってたけども、私はあなたのおかげで、劇場を出た後、幸せだな~~~と思った次第です。

・何より驚いたのは、ゲキとのシンクロシーン。
もうランが演じてるのかゲキが演じてるのか、ランの声なのかゲキの声なのか、今演じているのはどちらが"主体"なのか、頭混乱のシンクロ具合。
素顔はガサツな男なのに、この柔らかな雰囲気…まさかゲキ…!?
そりゃギンも"気付いて"しまいますわ…。
人格の入れ替わりがお見事すぎる。怖い。

・あと、その綺麗なお顔のどこからそのドスドス声出てるんです?声色が七色。「2.5とかの、すごい人だよ〜」というのは私が舞台を知らない時から聞いておりましたが、存在感と神秘と神々しさみたいなものがオーラとして放たれていて。
余談ですが、物語を壊すアドリブをカマしたランが虎煌遊戯の面々から逃げる場面で、「しーっ🤫(俺がここにいること言っちゃダメだよ☆)」を目の前で喰らい無事に昇天しました。


☆ヒナタ/ファーディナンド(本田礼生さん)

・「仁幕」以来、この方を見るのは2回目なのですが、こんなおもろすぎる男の役ができる方なんですね…。綺麗なお顔でのギャグは薄寒くなりがちな印象があるんですが、常に全力なので、会場のウケを掻っ攫っていました。涎出ちゃってセットで涎拭くあの一連の流れの細かさとか、「バカクソうんこ」とか、🍤とか、くだらないけどそれが一番面白い。
身体能力がとても高いので、剣を操ってるときは普通にめちゃくちゃ俊敏でかっこいい王子様なんですけど、その身体能力を活かした変な動きが気持ち悪くて、とりあえずめっちゃ好きでした。

・そんな「劇団への、先輩俳優への真っ直ぐな憧れ」を熱く抱え、劇団の輪を乱そうとする輩とは常に一触即発なおもしれー脱サラ男のヒナタゲンジくんが、劇団の事情を理解し、自分の気持ちと向き合った際に出たお芝居のその先で、「対等な立場でこの国(劇団)を築いていこう」と憧れの先輩に放った言葉がとてもよかった。「全身全霊で背負っていきたい」という言葉に、本田礼生さんという役者さんに、嘘は無し。ケイちゃんと共に明るい未来を担っている存在なのだと思いました。


★ゲキ(萩谷慧悟さん)

・テロテロ白シャツの儚げな美少年が嫌いなオタクはいないので、幕間と開幕の間で急遽現れた彼の存在に釘付けになっちゃいましたね。誰!?って。
初手からピンスポがなくとも発光していました。
ゲキとしての優しさ・人の良さ・気ぃ使いなところがセリフの言い方で溢れ出ていましたし、ギンに、カグラに"ゲキ"を飛ばして、満足げに迎えるラストはハッピーなんですけど切なくて。なんでそんなにどこか寂しい綺麗な表情をしているんだい…。

・あのエンディングを見たかよ…。
成仏?成仏なの?ヤダ!!ねえ!!夢の続きは一緒に見れないの!!??
いや!!!!!見れる!!!!ゲキは観客の中に、虎煌遊戯たちと、一緒に、夢の中に!!!いる!!!!見えたもん!!!!最後に照らされ華麗に舞う超絶美しいエアリアル(ゲキ)が!!!!見えたもん!!!!いたんだもん!!!!あんな儚くて神々しい生き物がおるんかて思うくらい綺麗なダンスでしたね。

・「永魚」に引き続き、綺麗なお顔してるしダンスもできるし色々器用そうな方だな〜と思い、「7ORDER」ってあまりよく存じ上げない…と思ったらなるほど、ダンスはそういうことか…と思いましたし、グループではドラマーなんですね。ドラムを叩いている姿が見たいのでちゃんと検索します。
それにしてもあなたは、完璧マンなのかな?


☆ジャンク/ステファノ(なだぎ武さん)

・ウワーーーッッッ!!!
ディランだ!!恐らく劇中で話していた3分セリフを貯めたのはこの、ディラン………………………………………………………………………マッケイだ!!
彼の伝説の"魔女宅のフクオさんのモノマネ"が私の沈んだ心を救った時期もありました。完璧なんですよ。
と、いうのは置いといて、安定して確実に板の上で笑いをとっていく。独特な動きも映える。シリアスな時の細かな言葉も上手い。芸人さんも俳優さんも板の上で切磋琢磨する、という部分は同じ。なだぎさんは本当にハイブリッドな方ですなあ。

・すごくいいキャラですよね。おちゃらけていて調子良くて…だからなのか、周りからの人望はそんなに無いけど、彼の劇団への、演劇にかける愛や想いは本物なんですよ。
「なんだかんだ言ってこの劇団が好きなんだよ。辞められない。理由なんてない!」この物語の一つの"核"が、彼の言葉にあるような気がしました。
簡単に、単純に、だけど「いいこと言うな〜!!」って。
ジャンクさん!俺!ついていきます!!


★ヤス/セバスチャン(山﨑雅志さん)

・安心中間管理職ポジション。ダンケと一緒に私たちを盛り上げてくれてありがとうございます。
ダンケは気のいい、ちょろめの兄ちゃんという印象がありましたが、相方のヤスはしっかり者で、リアリストで、つっこみ役。
3人組のお笑いは、山崎さんが、ヤスがどっしりつっこんでくれるから成り立っているんや…。
劇団のピンチを察して、ダンケをユニットに誘ってみる。ダンケのこと大好きやん…。でも結局劇団への思いも捨てきれず、ダンケに説得されたこともあり残留。でもユニットは考えてくれるって!ヤス!よかったな!!!

・ヤス、私も円盤を買った「ジョカステ」のヘルマン・ヴォルフの人か…。
メイキングもちゃんと観たのに気づけなかったよ…。
あの厳格軍人が…ヤス…?役者…。


☆カグラ/プロスペロー(矢崎 広さん)

・カグラくん今日の公演で泣いちゃってた💦泣かないで😭
一人で抱え込まずにカグラくんが楽しくできる演劇をやってほしいよ‼️
それがファンの願いだから‼️だってウチに演劇の楽しさを教えてくれたのはカグラくんだから…これからも劇場通うし、ずっと応援する‼️
今日はたくさん美味しいもの食べて🥺カグラくんダイスキ😭😭😭😭😭
ランはしゃしゃってくんなマジで。二度とカグラくんを困らせんな。
…っていう発信を向こうの世界のカグラオタの私がSNSでしてます。

・矢崎さんはすごいですね。すごい自然体。役…なの?って感じ。
看板役者のカグラくんは、舞台裏では普通の好青年なんだなって思わせてくれた。普段の彼は仲間と普通に戯れ合うし、いじられるし、笑い合うし、大きな声で驚いたりもする。生きている人間、カグラ。これが全てなんですよ。とてもいい意味で。
問題が起きてしまって一人で東奔西走して、雁字搦めになってはいるんだけど、ギンみたいに暴力的では一切なくて、ただただ周りが目に入らない、でも一生懸命で戦おうとしている優しくて哀しい青年の等身大の姿がそこにあった。
ゲキと、シュンの熱い想いを受けて、我に帰って、泣き出してしまうお顔がなんかもうすごい…すごい支えて守ってあげたくなる。矢崎さんのファンの皆さん、誰一人抱きしめに舞台に駆け上がっていかなくて偉いなと思いました。私だったらどうしてるか分からんよ(絶対ダメだぞ)。
矢崎さんの他の作品が見たくなったので、まずはモマか贋作・好色一代男、観ますかね。


★シュン/キャリバーン(鈴木勝吾さん)

・キャリバーンの苦しみ、寂しさ、根底の純粋さ…覚えたての激しい言葉で"頑張って罵倒する"中で全部伝わってきた。キャリバーン愛おしい。
やっぱりシュンさんの表現力はすごい。あと異常に声が通ること山の如し。ちょっと歌ってくれたし!少しのパートで隠しきれない美声。
何が起こったかわからないところあったけど、最後の方、シュンさんとカグラくんのお芝居とは思えないセリフで号泣。
なんか最近2人の雰囲気おかしい?と思ってたから、今日の公演で吹っ切れたというか、分かち合えたんだろうな。本当に良かった!全ステ予定なので毎回違ったキャリバーンが見れそうで楽しみ✨✨
…っていう発信を向こうの世界のシュンオタの私がSNSでしてます。

・キャリバーンに関しては上記でオタクの私に言ってもらったんですけど、素のシュンさんのマジかっこいい漢(兄貴ィ!)な感じ、個人的に初めて見る勝吾さんだったので、とても響きまして。

サイコでぶっ飛んだ役、とてもお似合いで好きというか、私はそういう沼から来た怪物なので正直大好きなんですが…は、前提とした上で、こういう真っ直ぐ熱い、良き先輩であり、1人の青年。人の演技に興奮して解説しだして俺も俺も!ってガシガシいくところも可愛かったですし、楽しかったあの頃に戻りたい、俺を無視しないでほしい…っていう人間味溢れる秘めた葛藤や芝居や仲間に真摯な姿も、静かに、だけど最大限のパワーで魅せてくれる人なんだなと改めて感服いたしました。
メインでお話ししていない時とかに、彼なりに何か考え込んでる仕草的なものもまた…リアルでかっこよかったですね。
あと、メイクのせいで目の周りは真っ黒だったわけなんですが、眼光がすごい。舞台上の誰かを、何かを見据える眼光で、シュンが今どういう感情なのかわかる気がして、その目を見てているだけでも鳥肌ものでした。

・あとこれは完全にビジュアルに関しての余談なんですけど、シュンのメイクはキャリバーンが魔物の怪物であるが故にああなったと思うのですが、「コレでいこう」って言った人、出てきてください。シェフを呼べ。こっちは嬉しくて気絶してるんですよ。感謝永遠に。


・ちなみにカグラとシュンの関係性に関して、演じている矢崎さんと勝吾さん、実際のお二人のこれまでの共演とか関係とかを照らし合わせるとより感慨深く感じられるそうで…。いわゆるエモ…。
私なんぞはペーペーだもんで、そういうところも全部わかってこの作品を見れた方羨ましい〜!!と純粋に思いました!いいな〜〜〜〜!!!!


☆サコン(唐橋充さん/小野健斗さん)

・私の初日、唐橋さんサコン。
初めに登場するや否や、劇団への想い…はさらっと話したのち、延々コーヒーの話をする唐橋さん。
次にランとヒメのオーディションのシーンで登場した時、嬉々としてMyスマホでラン…というか拡樹さんと2ショを撮って去っていった唐橋さん。
最後の出番、ギンに残した手紙。
ギンや自分への葛藤…はさらっと話したのち、「コーヒーのサブスクに入ったが、毎日コーヒーの割引クーポンが入ってくるだけ。もうクーポンって言っちゃってるし。サブスクとは一体、なんだ。」とコーヒーのサブスクの話をして去って逝った唐橋さん。(貰い事故の井俣さんを添えて)

なるほど、サコンのシーンは面白アドリブ枠なんだなあ!と思いましたが、2回目の観劇、小野さんのサコンを観た私はその認識が間違いであったことに気づきました。

小野さんサコン、一番初めに登場するや否や、劇団への想いを、若々しさを残しつつ、堂々と話すサコン。しょーマストゴーオン!!!
オーディションシーンでは筋トレにハマっているという小野さんとランの手押し相撲対決。簡単に負けていて相当面白かったし相当可愛かったのですが(筋肉あんまり関係ないというツッコミも含め)、最後の出番の手紙のシーンは涙なしには見れない、小野さんサコンの感情の入りよう。サコンが胸に抱えていた葛藤の吐露。堪えながらも溢れる感情の美しさ。
少し寂しい、去り際の姿。素晴らしい。ギンと、一緒に作品、つくってほしかったなあ…。

…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………
……………………………………………………唐橋さんさぁ。





楽しかった。(笑顔)
笑って泣けて熱くなって、観てるこちらも巻き込んでくれて派手で最高でした。エンターテイメントだなあ。

ただ………終わった今、物語を冷静に考えてみると………さ。
あの公演に立ち会った虎煌遊戯のオタクの立場になってみると。

「前説の時から客席で怒鳴ってる怖い人がいて、中盤のストーリーもなんだか予習してきた「テンペスト」とは違って、まあそれはオリジナル要素なのかな?と思いきや、カグラくんとシュンさんが最後アドリブ合戦で号泣で、それは二人の関係性オタクとしては最高最高最高高だったんだけどそのあと怒鳴ってた怖い人、ステージに上がってきて…フォロワーさんに聞いたら前に演出家やってた人って言ってた。最後皆と仲直りしたのかな?なんだったんや…。公演初日、もしかしたらその日しか公演に入れない方だっていたかもしれないのに。私は珍しいものが観れて良かったんだけどさ。良かったのか?………これは賛否ぞ。」

って。あの世界線のオタクの私がSNSとかで言ってる。

うるせえ〜〜〜!!!いいんです〜〜〜〜。
2024年令和6年、1月のサンシャイン劇場のこちらの世界の我々は裏側も皆の過去も全部知った上であのフィナーレを迎えているので。いいんです。
そこ座れ、虎煌遊戯のオタク……色々あったんだよ……(天を仰ぎながら)


"テンペスト(嵐)"を劇団全員で乗り越えた(のであろう!)、虎煌遊戯の「テンペスト」が大千穐楽を迎える日が楽しみだし、その日には是非立ち会いたい。
そしてまた、虎煌遊戯が作る次の公演にも、勿論足を運びたい。


「夢の続きが観たい!夢の続きを観せてくれ!」



改めまして劇団少年社中 様、
25周年、本当に、本当におめでとうございます!!
これからも末長く楽しく、と、皆様のご健勝をお祈りいたします。



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