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いざ、三軒茶屋へ

無事、会社の買収が成立し、僕らは池袋のおんぼろオフィスから、三軒茶屋のお洒落なオフィスへと移転をした。
そのオフィスは居ぬきではなく、内装からすべて一新するという気合の入りようだ。内装費だけでもかなりしたと思う。
場所も三軒茶屋駅付近のビルという事で、とても良い立地だった。明らかに、今までと物事のスケールが違うので、僕はこの展開にワクワクしていた。

買収先の会社は、全国にエステサロン、ネイルサロンの経営、美容品の物販を行っている。年商は40億円くらいの中規模の会社。
この会社は、事業の多角化で、教育事業、人材事業を新たに展開していた。既に三軒茶屋で学習塾をいくつか運営をしており、僕らを買収した目的は、新しく英会話教室、海外留学、国内外の人材紹介事業を始めるためだ。まさに、これまで僕らがやっていた事業だ。

ついに、実家を離れる時が来た。

オフィスが三軒茶屋になり、勤務時間も10時-19時に変わった。今まで電車1本、1時間以内で通勤できたが、この時間だと通勤ラッシュにモロ被ってしまう。通勤にも1時間半以上はかかってしまう。

これまで散々親のすねをかじってきたが、25歳にしてようやく巣立ちの頃だ。さすがにこの年齢で実家暮らしは格好がつかないし、僕自身、そろそろ、一人暮らしをしたかった。これまでの実家暮らしの恩恵で、貯金はそれなりにあったので、僕は会社から徒歩圏内にあるアパートを借りる事にした。家賃8万円のワンルーム。今札幌で生活していると分かるが、東京の家賃はめちゃくちゃ高いのが分かる。

この三軒茶屋という場所は、渋谷のすぐ近くになり、当時は住みたい街ランキング1位にも上げられた場所だ。今でも人気スポットだが、僕にとってこの場所はとても縁深い場所になった。僕の三軒茶屋愛はまた別の機会に語るとしよう。

三軒茶屋

新しい環境に胸躍る!

三軒茶屋の新しいオフィスには、僕らだけではなく、他の部署からも色々な人が集まっていた。僕はこれまで閉鎖された狭い世界にいたので、こうして新しい人達と一緒に仕事ができるのは楽しかった。
その頃、僕の直属の上司が結婚退職し、僕がそのままマネージャー職に繰り上げになった。少しずつ自分を取り巻く環境が変わり、今までずっと下っ端だった自分にも部下や後輩ができた。

事業の伸び悩み

それから、1年程が過ぎた。事業のほうはというと、学習塾、留学、大人のカルチャースクール、職業紹介といった、人の成長に寄り添う、一貫したサービスを提供していた。しかし、これが思ったように伸びず、他部署との連携がなく、それが線に繋がらなかった。

そんな中でも、上司たちは仕事へのやる気は感じられず、危機感がまるでなかった。池袋の頃と変わらず、いつも何をしているのかが不明で、周りの人からも疑いの目で見られ始めた。こうして僕らの部署は次第に孤立していった。

僕は再び今後の身の振りについて考え始めた。そして、会社へ退職の意思を伝えたところ、数日後、僕は会長に呼び出され青山の本社へ向かった。

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