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パートナーのふるさと石垣島の、海から二分の部屋で暮らしています。 作ったり、創ったり、…

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パートナーのふるさと石垣島の、海から二分の部屋で暮らしています。 作ったり、創ったり、書いたり、描いたりの日々。 創作活動や日々の出来事、自分に伝えたいことを言葉にしています。

最近の記事

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虹!!!

    • 青風 ⑤

      「おまえのせいで、おれは島中の笑い者になっちまった」  そう言って、肩を落とすターラにアオカジは言った。 「そんなにしょげかえるな。とっておきの作戦がある。1000年も生きているウミガメのじぃ様に聞いたんだから、まちがいない。人間の女というものは、ピカピカ光っている飾り物が大好きらしい」 「飾り物?」  そういえば島の女たちは、耳や首に石や貝を磨いて作った飾り物をいっぱいぶらさげているなぁ、とターラは思った。 「夜光貝の貝殻を磨くと、それはそれは綺麗に光るぞ。それでアコヤに飾

      • 子供の不登校で苦しんでいた頃の自分を、久しぶりに思い出した

        同僚とのちょっとした意見の食い違いから、昔のことを思い出した。 学校に行かない子供の親へのアドバイス。 色々な考え方がある。 みんな善意だし みんななんとかしてあげたい、と思っている。 私の子供も学校に行かなかった。 いろんなアドバイスを試した。 でも、何一つ上手くできなかった。 親子関係も悪化する一方だった。 チャレンジして失敗するたび、できない自分を責めた。 子どもをふつうに育てられない、しつけられない自分を、なんどもなんども責めた。 親失格だと思った。

        • 無料タロット講座受講中

           人生のどん底にいた時、偶然出会った占い師さんにタロット占いをしてもらった。その時にでたカードが人生の道標となり、その後の人生が大きく変わった。  その時の体験から、自分でもカード占いをするようになった。  タロットカード、オラクルカード、両方使っている。どちらも面白いけれど、タロットは、ここぞ!というときにいつも明確で強いメッセージをくれる。  奥が深そうなので、いつか基礎を学んでみたい、と思っていたら、こんな講座を見つけた。    正直、最初はただより怖いものはな

        虹!!!

           青風 ④

          「ターラ、海の中では、どんなオスがメスに好かれると思う?」  アオカジにそう聞かれたターラは 「もちろん強いオスだろう」 と、肩をそびやかしながら答えた。 「もちろんそれも大事だが、強いだけじゃダメだ。いいかターラ、メスの心を射止めるには、見てくれが立派じゃなきゃならない。鮮やかな鱗や美しくて大きな尻尾。そういうオスにメスはくっついてくる」  ターラは船から身を乗り出し、凪いだ海面に自分の姿を映してみた。  日焼けと垢で真っ黒な顔。伸び放題の髪の毛や髭は、絡まり合ってまるで鳥

           青風 ④

          青風 ③

          海にしか興味のなかったターラだったが、ある日、思っても見ないことが起こった。  いつものように海から戻ったターラのところに、若い娘が訪ねてきたのだ。 「あんたがターラ?」  娘はターラの前にすくっと立つとそう尋ねた。ターラは驚いて、目を丸くしながら頷いた。何しろ島の娘たちは、荒くれ者のターラを怖がり、声をかけたりしなかったからだ。 「あんた、海のことならなんでもわかるんでしょう?この中で、食べられるのはどれ?」  娘は腰に下げていたアンツクを外すと、ターラの前に差し出した。

          青風 ③

          青風 ②

           アオカジは、さほど大きくはないが、この辺の海ではとんと見かけない、珍しい魚だった。  漁師たちは、こぞってアオカジを釣り上げようとした。しかし、どんなに仕掛けを工夫しても、アオカジを仕留めることはできなかった。 それどころか、アオカジはたいそういたずら好きで、餌だけを巧みに食べた後、釣り針をサンゴの枝にひっかけて、漁師たちをからかったりするのだった。  ターラも、何度もアオカジを銛で突こうと追いかけた。最初はアオカジがすばしっこすぎて逃げられてばかりいたが、慣れてくるにつ

          青風 ②

          「失敗も成功も宝物のような時間になった」。心震える演技者、宇野昌磨くんの引退会見の記事の見出し。そう思えたことが、本当に素晴らしいし、嬉しい🥹。彼の生きる時間は、これからもきっと全部宝物💎✨✨

          「失敗も成功も宝物のような時間になった」。心震える演技者、宇野昌磨くんの引退会見の記事の見出し。そう思えたことが、本当に素晴らしいし、嬉しい🥹。彼の生きる時間は、これからもきっと全部宝物💎✨✨

            青風

          (おことわり…この小説は、第二回海洋文学賞童話部門大賞作品の『太郎の海の青い風』を一部修正加筆したものです。受賞作品であることを明記した上での掲載ということで許可をいただいております)  1  九州よりも、沖縄本島よりも、もっとずっと南の小さな島に、ターラ(太郎)と言う若い漁師がいた。体は島の誰よりも大きく逞しいが、まだ、十八にもなっていなかった。  九つの時、父親を嵐の海で亡くしてから、ターラは一人で大きくなった。  天涯孤独のターラを、力尽くで自分の臣下にしようとす

            青風

          ひっそりとそこにある物語たち

           物語を描き始めたのは、東京で最初の結婚をしているときだった。  児童文学の講座で勉強した後、そこで出会った仲間たちとサークルを作り、書き続けた。  その間に長女が生まれた。  首が座っていない長女を両足の間に挟んで、ワープロ(時代!)を打った。サークルに参加するために、長女を抱っこして夜の中央線に乗った。紺色の抱っこ紐からぶらんと出ている長女のぷくぷくの白い足が、今も目に浮かぶ。  それから20数年。その間に、私は5回賞をとった。  海洋文学賞の授賞式では、当時の紀宮様に

          ひっそりとそこにある物語たち

          共感

          一年生のKくんと散歩している時、石に躓いて転びそうになった。 「ちゃんと下見てあるかないと!」 とKくん。 「本当だねー。ついつい空見ながら歩いちゃうからさ」 「なんでー?なんにもないのに!」 「だって、きれいじゃない?」 私の言葉に、Kくんは、空を見上げた。 「…本当だ。海みたい」 胸が詰まる ひたひたと嬉しさが来る 私がきれいだと思うものを、他の誰かもきれいだと思ってくれる たったそれだけのことが、人と人を繋ぐ Kくんの体はとても小さい でも心は、この空みたいに

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          うちの畑

          うちの畑

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          津波警報

          今、石垣島に津波警報発令されている サイレンが鳴り響き、かなりものものしい雰囲気に包まれている。 職場からは自宅待機の連絡が来たけれど、うちは海から3分なので、避難がてら出勤。 お弁当を作っている途中だったので、お昼を買おうとしたけれどコンビニもスーパーもパン屋もclose…これはかなり本気の避難体制。 道路もあちこち渋滞している。もし最大級の津波が来たら、やはり車での避難はヤバいかも💦などと思いながら、いつもの倍以上の時間をかけて到着した。 海から3分の家に越してきて

          津波警報

          人生の旅

          元夫の訃報が届いた。 突然の心停止。年齢的にも早すぎる死だった。 けしていい別れ方はではなかった。10数年経っても、私の中に未処理の感情がしこりのように残っていた。 心がざわついて眠れず、カードに答えを求めた。 今起きていることに、意味づけが欲しかった。 カードにまず言われたのは 「人間ではなく魂の視点で観なさい」 と言うこと。 続いてメッセージが降りてきた。 「何も無い。全ては学びのため。 さぁ、あなたはあなたの旅を続けなさい」。 私と彼は、お互いの魂が待つカルマ

          人生の旅

          天職

          長いこと子供に関わる仕事をしてきて「天職だね😇」と何度か言われた。 それは違う、と思っていた。 天職は、やっていて楽しいこと、好きなことだと思っていたから。 やりたいことも、好きなことも、本当は別にあったはずだった。 今年になって、また子供の仕事についた。 ある人に出会ったことで、もう一度、ちゃんと子供に向き合って仕事をしてみたい、と思えたから。 今度は今までより少し大きい子供たち。 子供の仕事をはじめると、家に帰っても子供のことばかり考えてしまう。 また、そういう日

          今日の夕日は豹柄です笑笑

          今日の夕日は豹柄です笑笑