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2021年12月31日 もるもっと “love&hate party” リリースについて

もるもっと」というのはバンド名だ。私が中学3年の時、学校の文化祭に出演するために当時のベーシストが1秒くらい考えてつけた名前だ。実験動物のそれに由来する。母校には文化祭に出るためのオーディションなるものがあり、そこで審査員(教員)たちから品定めされ、ボコボコに批評されるという実にいただけないカルチャーがあった。とにかく酷評された記憶だけが残っているが、まさに実験台にされたような気分であり言い得て妙なネーミングだった。

それから約20年ばかり経過した2021年12月31日(友引)、5曲入EP「love&hate party」をリリースする。当初「love&hate ep」としてリリースするつもりだったが…

まさかの申請却下により再考。投票によりlove&hate partyが選ばれた。もはや投げやりだが、年越しパーティーだと思えば愉快だろうか。ちなみに前作は「星ニナレナイEP」というタイトルで普通にリリースされている。いつの間に謎の規約ができたのだろう。

では、なぜ音源をリリースするのか。現メンバー編成になってからも多分18年くらい経過した。学生時代は少ないなりにバンド仲間みたいな人たちがいて、ライブに行ったり来てもらったり、バンドマンっぽい生活も送っていた。現在はライブの機会もごくわずか、2020年4月にブッキングしていたライブもコロナで吹っ飛んだ。少なくとも音楽中心の生活は送れていないが、2021年に何か少しでも痕跡を残したい気持ちはある。

昨年はコロナ禍でメンバーと一度も顔を合わせずに1曲完成させてみたくて「もぐらそらとぶ」をリリースした。まさかの2年連続リリースという自己満足感を得たいのも本音だ。

実は本作の1、2曲目は昨年に書いた。なぜ書いたかはここには書かない。いや、書けない。けど、聞く人が聞けばわかるかもしれない。謎を解明したい人は大晦日に聞いてのお楽しみだ。いや、InstagramとかTwitterとかチェックすれば今回リリースする曲の断片は散らばってるからわかるかもしれない。が、そんな暇はないと思うのでリリースされたら1回でいいから聴いてください。貴重な大晦日の1/96(=15分)を「love&hate party」にください。うっかり2022年になってからでもいいので聞いてください。お願いです。

  1. 全部お前のせいだ

  2. レジェンド

  3. もぐらおよぐ

  4. カモメ風呂

  5. すみたろうのうた

love&hate あるいは love-hate relationship というのは文字通り、愛と憎しみが入り混じった人間関係を表す。love&hateが詰まっているのはこの最初の2曲。本作はこれらを世に放つために作られたと言っても過言ではない。でも2曲だけだと何となく収まりが悪いので3年くらい前にできていた3曲目と、今年書いた4、5曲目を加えてEPにした。だって、本音を言えば憎しみの方が強いので、そのままじゃ年を越せない。後半3曲で気持ちを落ち着けてから2022年を迎えた方がいいと思うわけだ。

3曲目はYouTubeで泳ぐモグラの姿を見て、5分くらいで書いた曲である。

4曲目は外房線沿いを一人旅した時に泊まった旅館で書いた曲だ。その旅館をリピートするかは微妙だが、万が一本作が大ヒットした暁には「聖地巡礼」的なスポットとして公開しよう。

5曲目はジャケットに描かれている太ったねずみ「すみたろう」についての曲だ。我が家(借家)の天井裏に住み着いていて、たまに中まで入ってくる厄介ものだ。でも夫婦ともに殺生はしたくないので、見つけ次第追い払いはするが完全撤退には至っていない「住人」だ。しかし、ある日うっかり「すみたろう」という立派な名前をつけてしまった。事実上の存在承認だ。歌詞に出てくるように実際すみたろうは太っていて結構でかい。

ちなみ我が家の敷地では今年たぬきが子育てをしていた。

たぬきは夜行性だ。5月くらい、巣から出たばかりの子達は昼間にも外に出ていた。残念ながらここ数ヶ月は姿を見ていない。たまに鳴き声はする。そろそろ巣立ちの季節だろうか。

本題に戻ろう。なぜ本作をリリースするのかだ。 音源をリリースしたところで、大して聞いてもらえるわけでもないことは百も承知だ。ありがいことに最近は、自分の研究成果の方が見てもらえている。引用されたりすると、それなりに嬉しい。研究者を10年くらい続けていると、自分の中では論文も音源も同じく大事な作品であると思うようになってきた。ただ違うのは、題材と受け手だ。

論文は基本的に他の研究者に向けて書く。私自身は研究者以外でも読めるような文体を心がけている。いずれにしても、読者を想像しながら書く。

一方、自作音源リリースは、たぶん自分の中の毒を外に撒き散らす行為だ。ある種のデトックスだ。誰が聞くかなんて意識しない。第一聴者はオレだ。実際、制作中も出来上がった今も何百回聞いたかわからない。少なくとも自分の中では過去一番の出来だ。

サブスク時代の音楽は、基本的におしゃれなBGMとして、いい感じのプレイリストに入っているものが良しとされる(のかな?)。しかし、もるもっとの音源はそれらとは程遠い。聞きたい人だけが、こっそりイヤホンしながら聴く音楽だ。超絶技法も聴かせる歌唱もそこにはない。多数の社員を養うレコード会社所属ミュージシャンみたいな責任感は皆無だ。

2021年までに溜まった毒を吐き出すための迷惑な作品が「love&hate party」というわけである。なので、聞いたら毒にやられてお腹を壊すかもしれない。でも、2021年、多くの人がワクチンを接種したので、「毒」を摂取してもたぶん無問題だ。ワクチンを打ってない方にも、少なくとも健康被害は起こらないはずだ。でも血圧が高い人は少し注意した方がいいかもしれない。

なので繰り返しだが、2021年のうちに1回でいいので聞いてみてください。2022年になれば、それはそれで清々しい気持ちで聴けます。そして万が一気に入っていただけたら、誰かにこっそりおすすめしてください。

ちなみに本作のジャケットでは立派に太ったすみたろうがlove&hateなクッキーをむしゃむしゃ食べている。赤いクッキーはlove、茶色いクッキーはhate。今はhateを食べているので、そのうちhateはなくなってしまうかもしれない。でもすみたろうは食いしん坊なのでそのうちloveも食べ尽くしてしまうかも。loveとhateは共に存在して安定状態。

love&hate partyで年越しだ!

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