1990年に世界各地の日系企業向けの異文化マネジメント研修を始めて30年。あっという間の出来事でしたが、海外出講の折に、楽しみにしていることがあります。それが、現地の多国籍の起業家、ビジネスパーソン、大学教授、コンサルタントらを訪ねてインタビューをすることなのです。 ほぼ初めて会う人たちです。アポイントは、ビジネスSNSのLinkedInをフル活用し日時と場所を決めて、ビデオカメラの前で話を聞きます。これまで100人ほどと20カ国で会っていますが、なんと1人しか、現地でドタ
企業規模に関わらず、外国人社員の雇用が増えています。企業側の優秀外国人材へのニーズは言うに及ばず、求職者の日本企業への関心も熱いものがあります。 筆者は数年にわたり、経済産業省主催の「国際化促進インターンシップ事業」に携わり日本のビジネス文化を講じましたが、ハイチ、モルドバ、スーダンといった遠方の国々に加えて、アジア太平洋から応募が殺到し、相当の倍率だったと聞きました。 外国人を採用した職場のこれからの課題は、職場と求職者の双方が中長期的に相思相愛の関係を作っていく
先週、アメリカ英語訛りのペイパルのカスタマーサービスへ電話した。毎度のことながら、その英語が速すぎる。アメリカに電話してくる客は全員、アメリカ訛りの英語が通じると心底信じている。 「速すぎます。もっとゆっくり話して下さい」 5%ほどスピードダウン それでも速すぎる 「メールではダメだったから電話してるんです。即刻このトラブルを片付けたいからきっちり理解する必要がある。もっとちゃんとゆっくりと私がわかるように話して下さい」 やっと10%ほどダウンしただろうか ほんとに
ノーベル物理学賞を受賞した益川敏英先生は、2008年にストックホルムで行われた授賞式の講演で、開口一番、こう言いました。 “I am sorry, I cannot speak English.” https://nobelmedia.akamaized.net/flashcontent/lecture_2008_phy_maskawa_01_496.mp4 この後の講演は全て異例の日本語。益川先生が英語を話さないことは有名でした。この授賞式のときが初めての海外渡
アセアンを主戦場に異文化問題の解決支援をしている河谷隆司です。 ある時、一念発起して、当時、まだ訪問さえしていなかったミャンマー、ラオス、カンボジア、それに、ブルネイの4カ国をワントリップで回ろう!と決めたことがありました。これでアセアン全10カ国をカバーできるからです。 今日のコラムは、この4カ国でのビデオ取材を無事終えて膨大な情報、コネ、40時間に及ぶインタビュー動画を戦利品に、第二の故郷の17年を過ごしたクアラルンプール、マレーシアへたどりついた時の顛末です。 ち
シンガポール駐在夫人の和子さんに、Singapore Telecom(通信会社)から電話がかかってきました。ところがシンガポール訛りが強すぎて、何を言われたのかさっぱり分かりません。 和子さんは、いきなり、"I'm sorry. I'm a Japanese." と言って、電話を切ってしまいました。 異国の地で、いきなりペラペラと話しかけられた和子さんの気持ちは分からないではないですが、この対応には、相手もびっくりしたことでしょう。"No. No. Don't worry
飛行機が飛んでいたころ、海外出張した国際線の機中で、米女優、サンドラ・ブロック主演の映画「オーシャンズ8」を見ました。史上最強の犯罪者集団を描いたジョージ・クルーニー主演の人気作「オーシャンズ」シリーズの女性版。名だたる女優がそろいました。 豪華絢爛なファッションの祭典"MET GALA" 犯行の舞台は、私も訪れたことのあるニューヨークのメトロポリタン美術館(MET)で行われる豪華絢爛なファッションの祭典"MET GALA"。宴(うたげ)の最中、ゲストの首に巻かれた1億5
1986年から異文化マネジメントコンサルタントとして20カ国で、日本の企業を取り巻く人と組織の異文化問題に携わってきた。その根幹には、35年たっても変わらない言葉の問題があった。 もう「ネイティブ英会話」はやめようネイティブ英語を話すことを「理想」や「到達点」にして彼らの英語の使い方にどの程度近いかを「優劣」の尺度にしていると、ネイティブでない日本人が英語をものすることは決してない。 もちろん、人生を懸けて取り組む人の中にはそれを成就する人がいる。4年間師事させて頂いた師