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【報告】生きている小さな世界をのぞき見 〜儚く可愛い変形菌ワールドを探検します〜 2024.6.15〜16
4月、好雪性の変形菌の勉強会を行い、今回は夏の変形菌について学びました。報告はサポートをしていただく立石さんからです。いつもありがとうございます。実際の報告はもっと詳細に写真も多用し、まとめていただいておりますが、寿庵のNoteには簡潔にまとめさせていただきました。当日参加された皆さんへは立石さんの報告書をそのままお送りしておりますので、ぜひともご自身の変形菌の勉強に役立ててくださいね。
目的は「ムラサキホコリを同定する」こと
ムラサキホコリは比較的目につきやすく探しやすい変形菌の一つです。
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ただ、ムラサキホコリには100種類を超える仲間がいるからこそ同定が難しく、いくら変形菌マニアでも「ムラサキホコリの仲間」で終わってしまうことも多い。今回は困難と言われるムラサキホコリの同定作業(顕微鏡で細かく観察し、種類分け)を行うことが目的の一つでした。
初参加の方もいるので、まずは高橋先生から基本の「変形菌ってなに?」についての説明を受ける。 毎回参加してくれるみなさんも、先生の話を再度聞くことで、より深く自分のものにしていた姿が印象的。
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そして「変形菌は、腐植生態系の栄養循環に働き、腐植形成に関わる。すなわち森林の健全性。野菜作り・果樹培の土壌にも変形菌がいることがより健全な食糧生産につながっている報告がある」と。
つまり、変形菌の存在が私たちに少なからず影響を及ぼしている‥そう知れただけでもこの勉強会をする意義を感じます。
ムラサキホコリの分類の話
ムラサキホコリ目には、スミホコリ科、ムラサキホコリ科があること。そこから属、種と分かれ同定をしていく過程を分類の書類を見ながら説明を受ける。あまりにもコアな話に初参加メンバーがどう感じているのか不安になりながらも作業はどんどん進む。
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まず同定にはムラサキホコリの子実体の構造を知ることが大切。子実体は細毛体という骨格があり、そこに胞子が絡まり、それを覆う膜があること。同定では細毛体の形、特に表面網の様子 や胞子の網目,疣,棘、そして大きさが決めてになりやすいことを学ぶ。
観察会前に採取して用意したムラサキホコリを使いプレパラート作り。ムラサキホコリから一つの子実体を取り、スライドガラスにのせ、エタノール で胞子を飛ばし石鹸水を足してから、そっとカバーガラスを乗せて顕微鏡へ。
先生から丁寧に顕微鏡の使い方の説明を受ける参加者たち。顕微鏡からみた細毛体の美しさは、何度見ても、覗いた瞬間、惹きつけられます。
大人の観察会の楽しみは夜の座談会
お酒を飲みながら、変形菌の話へ。そして生態の話、森、森林の話へと話は尽きず。参加者の知識の豊富さがこの会をより深くし、夜が更けていく。そして、森では変形体から子 実体に変化していたはず。
そして日曜日は森へ~次々と見つかる変形菌~
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ふもとの松林へ移動。森に入りすぐに目につく腐朽木の数々。前日の話で腐朽木の側面に発生しやすいと教えてもらったけど、真っ先に見つけたのはクモノスホコリ大群生。そしてムラサキホコリの仲間も‥。
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自然の中で過ごす時間はすぐに経ち、8時からフィールドに出て、11時半まで森で過ごす。帰り際、側溝を棲み家にしたホネホコリとシロエノカタホコリを見つけみんなが夢中になる。
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さて、自分で同定しましょう
各自、前日に教わった通りにプレパラート作り。「ムラサキホコリの仲間」から「〇〇ムラサキホコリ」にしていきます。オオムラサキホコリは表面網が整っていて大きくて美しい。表面網が緩くて小さめなサビムラサキホコリとスミスムラサキホコリ。その差は胞子の大きさ(スミスが小さい)と子実体の大きさ(スミスが小さい)。 そして表面網が不完全なコムラサキホコリの仲間。高橋先生にみてもらいながら次々と同定をしていきます。
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コレは肋といい、大体40~50本あると言われています。
上部以外にもいろいろな変形菌を確認し、同定、そして分類しました。
参加ありがとうございました
この観察会の最大の目的は「変形菌を通して自然を観る」ことです。大山があること、そして森があり、川があること‥このことがどれだけ大切なことなのか。何度も通ううちに、大山の豊かさに気がつきます。これからも変形菌を通して大山の、そして日本の自然を伝え、また一緒に感じることができれば嬉しいです。
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そこに小さな変形菌のみを食べるちょっと変わった甲虫ヒメキノコムシ
自然の繋がりがギュッと詰まった素敵な瞬間の一枚です
報告内の写真は写真は参加者のUさん、Oさん、Mさん、Tさんから提供いただきました。ありがとうございます。次回は11月を予定しています。ぜひご参加くださいませ。
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