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【報告】キノコ博士と歩く「寿庵きのこクラブ」(第8回)~春のキノコを探す~(5/28)

今年初の「きのこクラブ」を先日開催いたしました。今まで気にしなかった足元の色々な世界を知ることができるため、参加の皆さんも開催を心待ちにしておられます。今回の報告はきのこクラブの名誉会長?であるU博士よりいただきました!光栄です~。
第8回 寿庵きのこクラブ(春の部)日時2022年5月28日
観察コース:治山道路から寂静山を経て大山寺石畳参道

今年で8回目になるきのこクラブ、今年1回目は天気も良く心地よい風が感じられました。
雨が少なかったのか、山や地面は少し乾燥気味でした。まず目に入ったのがチャウロコタケ(写真なし)。道端に落ちていた枯れた枝に群生していました。かなりカラカラに乾いていましたが、傘の環状の模様が綺麗に見えました。湿っているとまた一層美しさを増すようです。チャウロコタケの傘はカワラタケのような仲間によく似ていて漠然と見ただけでは区別がつきにくいかもしれませんが、胞子を作る側(シイタケで言えばヒダに相当する部分:子実層という)がツルッとしていることで、ウロコタケの仲間だなと見分けることができます。ルーペで見てもその表面はツルッとしています。

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ハカワラタケも立ち枯れた木や倒木にびっしりと生えていました。傘は毛羽立っていて白から少し緑色をしています。この緑、藻類が入り込んでいるからこういう色になっています。傘の裏は鋸歯状で針のようにも見えますね。先程のチャウロコタケとは全く違うことがわかります。

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さて道中にはキノコはあまりないものの、いくつか綺麗な花をみることができました。

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その一つが、タニギキョウ。五枚の花びらですが、6枚のものもありました。小さくて綺麗な佇まいです。他にも独特の不思議な花を咲かすカンアオイ、一つだけ小さい花びらのヤブデマリ、ピンク色の花が綺麗なタニウツギなど季節の花々が楽しめました。
さて「お里の松」の看板前に、アカマツの切り株がありますが、そこに生えていたのは、マツオウジという松の香りのするキノコです。やや乾燥気味でいびつな形をしていましたが、やっとキノコらしいキノコに出会えました。6月ごろから見られる枯れた松に生えるキノコです。

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ブナの木の下の落ち葉をガサガサすると、ブナの殻斗から生える極小のチャワンタケ「ブナノヒナノチャワンタケ」も見つかりました。ルーペで見るとちゃんとお椀状になっているのがわかります。昨年の春に見つけた赤色の綺麗な「シロキツネノサカズキモドキ」をみんなで探しましたが、今回は見つかりませんでした。また時間をみて探してみたいと思います。
今回はチャウロコタケを入れると10種くらい見つかりました。ほぼ通年で見られるハカワラタケやツリガネタケの他に春のブナ林でしか見られないブナノシロヒナノチャワンタケや、松の木に生えるマツオウジを見ることができました。さて次回はどんなキノコに出会えるか楽しみです。

U博士報告ありがとうございます!次回のきのこクラブは7月9日(土)になります。まだ開催時間などの詳細は未定です。

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