ことの葉 【文月/俳句】
午後二時のアイスコーヒー昼長し
今は亡き祖父母の住みし海霧の街
日々草私の中に咲くあの日
私のスマホには、「ことのは」と名付けた俳句や短歌をメモするフォルダがある。
7月の、ことのはフォルダにはまだ3つしかメモがない。しかもそのうち一つは、子どもたちにむりやり?一句ずつ作ってもらってメモしたもの。
2月、3月や、11月頃は毎日のように更新していた週もあったのに。
暑すぎて、「暑い」以外の言葉も感情も出てこないから仕方ないか。
昨年は梅雨明けがびっくりするくらい早くて、だがその後修正された。今年はこんなに熱帯夜・猛暑日が続いて入道雲ももくもくしてるけど、まだ梅雨は明けていない。
毎年のように異常気象という言葉を聞き、春と秋がどんどん短くなる。土地や季節にくっついていた風習も、変化したりなくなったりする。季節感がどんどんなくなっていく中で、どうやって十七文字で今を表現すりゃよいのだろう?自分の限られたボキャブラリの中で、言葉を織りなして想うことを伝えるって本当に難しい。
それでも毎日人は言葉を綴っていくんだろうな。
旬杯には、六月に作った三句で参加します。
・・ 💠 ・・ 🌿 ・・ 👒 ・・
○午後二時のアイスコーヒー昼長し
まだまだ昼から長いぞ、気合い入れねば!と思って、眠気覚まし兼ねて飲むアイスコーヒー。その瞬間は頑張れる気になる。けど、またすぐ萎んじゃう。
麦茶には氷入れずに飲むけど、アイスコーヒーは氷のカラカラいう音を楽しみながら飲むのも美味しい。氷の、ジジジ‥といいながら溶けていく音も好き(そんな歌も詠みたいけどなかなか表現できない)。
○今は亡き祖父母の住みし海霧の街
小学2年生の時、夏休みの半分を北海道の母の実家で過ごした(父は仕事で3日間しか居られなかったけど)。その時祖母に教えてもらった〝じり〟。関西では聞いたことがない。霧と似ているが、寒流など冷たい流れのある海上に霧が立ち、暖かく湿った風が陸に吹き込んで発生する濃霧のことらしい。
母や祖父母との会話の中でしかこの言葉が出てこなかったので、私の中ではまるで昔話か伝承か何かのように思えていた。ダメ元で調べてみたら、季語に入っていて、嬉しかった。
母の実家は、根室市です。
祖父母も大叔母も逝ってしまい、私の叔母も引っ越したので、もし次根室を訪れる時がきても「観光客」としてになるのだろう。
もし私が最初からただの観光客だったら。じりという言葉は知らないまんまだったのだろう。
○日々草私の中に咲くあの日
実は、投稿直前まで私は、
「つゆくさや私の中にいる子ども」
という句をのせていた。
夏休みのラジオ体操の思い出と、露草への想いを長々書き、よし上げるぞと思ったその瞬間、悪い予感がして調べたら、案の定‥
露草(つゆくさ)は秋の季語だったんですね!!
コロッと花を取り換えることになってしまったが。日々草は夏の季語でホッとした。
ある年の夏休み、植物の絵を描きましょうという宿題が出た。私は近所の伯母の家にあったプランターの日々草を写生して提出した。
花の形はシンプルで、花びらも潔い白。それなのに、ちょっぴり真ん中だけが鮮やかに色づいていて、子どもごころになんて可愛らしい花なんだろうと思った。
今だったら、素敵と思ってもスマホかざして写真におさめて、一瞬で終わって忘れてしまうだろうけど。絵に描くとなると、しっかり見つめて、形をとらえて、何回も鉛筆の線を重ねて‥それから手元の絵の具の色を、少しずつ混ぜたり水を足したりしながら、自分の納得いくものに寄せていく。
この時の宿題は自分でも納得いく絵になって、確か廊下かどこかに貼ってもらったので、今でもよく覚えている。
大人になったら、ちゃんとした絵は、なかなか描かなくなる。イラストみたいなものは今でも時々(何かを見ながら)描いてみたりするけれど。‥夏休み、子どもたちと一緒に、真剣に「絵」を描いてみようかな。
なーんて考えているのがいちばん楽しい、休み前。
→ 三句目、修正しました。
さてさて、夏休みが始まる前に、残りの宿題も(川柳です)仕上げるぞ😆
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