【ツアレポ】まるで遊園地なマグカップ専門工場!「丸朝製陶所」驚きの量産の世界
こんにちは、大ナゴヤツアーズです。
今回のツアーレポートは陶磁器の日本一産地である多治見で昨年創業100年を迎えた、マグカップ&ソーサーを専門でつくる丸朝製陶所の「まるで遊園地なマグカップ専門工場!「丸朝製陶所」驚きの量産の世界」ツアーです。
それではツアーの様子をちょっとだけお伝えしますよ。
1日3000個のマグカップができる巨大工場へ
磁器と陶器の違いはなんですか?そんな初歩的な質問にも丁寧に答えてくださるのは丸朝製陶所の松原さん。全国の名だたる大手コーヒーチェーンから老舗純喫茶のカップまで製造を一手に担っています。部屋に置かれたサンプル品は誰もが一度は目にしたり手にしたことがあるものばかり!
丸朝製陶所では主に4種類の土を使用しており、白磁、クラフト磁器、強化磁器など用途によって使い分けているだという。見た目の違いもですが、価格帯も全く異なるとのこと。土は真空ドレインという機械を使って空気を抜きながら練っていき、円柱状にされます。その日の気候や土の状態を見極めて細かな調整が必要になる作業です。できる円柱の直径はつくるものに応じて変えているのだそうです。
電動ろくろを利用した動力成型で磁器をつくっていきます。石膏の中に土を入れ、金属の内ゴテで形をつくります。石膏は水分を吸ってくれるので、土が乾いて縮むことでスムーズに石膏の型から取ることができるのだとか。
形成された磁器はゴンドラに乗せられ、工場内をぐるぐると巡りながら次の工程、次の工程へと運ばれていきます。
簡単なようで、超むずかしいハンドル付け作業
マグカップの特徴でもある手でつかむハンドル。機械が導入され量産できる体制になっても、この作業は専属の職人さんの手で付けられます。リズムよく、サッサッとハンドルを付けていく作業は、失礼ながら見ているだけだと簡単そう。みなさんもやってみましょう!と特別に作業場に入り体験をさせていただくと、、、。超むずかしい!位置がずれる、接着の泥をつけすぎ、力を入れすぎでハンドルが曲がる、、。こんな繊細な作業をスピーディーにこなしていく職人さんの凄さがわかりました。
焼きの工程
焼き方にもこだわりがあります。乾燥後に素焼きをすることで仕上がり時の美しさが全然違ってくるのだとか。見分けるポイントは釉薬のかかっていない部分がガサガサしているかどうか。ガサガサのものは素焼きをしていない証拠。また素焼きをする事で釉薬の乾く速度が段違いで早くなるため、次工程の作業がすぐにできて効率的なのだそうですよ。
釉薬をつけたあとは、セラミックファイバーの窯の中で焼きます。昔ながらのレンガの窯と違い熱を逃がしにくいため、窯の中で焼きムラが出にくくなるのだとか。窯に入れる際、無駄な隙間ができないように効率よく積み上げていくのも隠れた職人技なんですよ。
「量産」と聞くと機械化、オートマチックで大量生産というイメージがありましたが、製造現場にくると「ものづくり」を支える人たちのたしかな仕事ぶりがあることに気づかされました。ぜひ自宅のマグカップを見て、「これは素焼きしてあるのかな?」「取っ手はまっすぐかな?」と確認してみてほしいですね。
――――――――――――――――――
開催地:岐阜県多治見市
ガイド:松原圭士郎 さん / (株)丸朝製陶所
ガイドさんHP:(株)丸朝製陶所