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Slackを超える?ドキュメントツールを提供するCodaが評価額6億3600万ドルのシリーズCで8000万ドル調達など:米国主要VC投資調査vol.06

日が沈むのが早くなり、昼間はまだまだ暑いですが、秋の気配を感じています。夏らしいことをした覚えがないのですが、健康で過ごせているのでいいかなと。かき氷食べたかった...

お知らせ

7月から米国主要VC投資調査マガジンを始めました。

・Zoomが追い風になるか?Docketがシードで$1.3M:米国主要VC投資調査vol.01
・巨人出身のゲーム開発企業Carbonatedがシードで$8.5M:米国主要VC投資調査vol.02
・COVID-19の影響で受講者5倍‼︎オンライン学習CourseraがシリーズFで$130Mなど:米国主要VC投資調査vol.03
・毎月1億2,000万人以上が利用するプログラミングQ&Aサイト+αを提供するStack OverflowがシリーズEで$85M調達など:米国主要VC投資調査vol.04
・評価額173億ドルのフォートナイト開発会社Epic Gamesが2億5000万ドルを調達など:米国主要VC投資調査vol.05

米国トップVCと呼ばれるAndreessen Horowitz、Kleiner Perkins、Sequoia Capitalの3社についてまとめていきます。スタートアップやベンチャーキャピタルの方などの参考になれば幸いです。


【2020/08/10〜/08/16】

・Andreessen Horowitz:1社
< Mux $37M / Series C / API:動画制作 >

・Kleiner Perkins:2社
< Coda $80M / Series C / 効率化:ドキュメントツール >
< Nurx $22.5M / Series C / 宅配:避妊ピル >

・Sequoia Capital:1社
< Gong $200M / Series D / AI:音声解析ツール >

今週は4件お届けします!


・Andreessen Horowitz:1社

Mux $37M / Series C / API:動画制作

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参照元/URL:https://mux.com/

動画制作のAPIを提供するMux(マックス)がシリーズCで3700万ドルを調達。Andreessen Horowitzがリードし、CobaltとAccelが参加。2015年にZencoderやDemuxedといった企業で活動していたオンライン動画のプロのクリエイターによって設立。

MuxのAPIを利用することで個人から複数人で製作する場合にも、帯域幅の速度や画面サイズ、デバイスのスペックに関わらず、Netflix並みの動画やライブストリームを配信することを可能。顧客には、SoulCycle、Equinox、Robinhood、VSCO、Hopinなどの多くの企業が利用している。

そのため、動画制作を行っていない・専門家のいない企業でも、簡単に動画コンテンツを製作することができるようになります。

Zencoderの共同創業者でもあるJon Dahl(ヨン・ダール)氏は2010年代初頭にBrightcove(ブライトコーブ/動画配信プラットフォーム)に売却した後、2015年にMuxを創業しました。「オンライン動画は2020年までにすでに急速に成長していましたが、今ではより多くの企業が動画制作について対策を持つ必要があり、私たちはこの成長の中心にいることに興奮しています。」と述べている。

Andreessen HorowitzのジェネラルパートナーであるKristina Shen(クリスティーナ・シェン)氏は、「Muxは動画APIの分野で明確なリーダーであり、彼らが最高品質の動画ストリーミングを提供し続ける中で、この野心的なチームとパートナーを組むことに興奮しています 」とのこと。

北沢:APIを使うことで機能の共有ができるとのこと。具体的な例としてはAmazonや楽天のアフィリエイトボタンや、TwitterやFacebookでログインできる機能など。

一番身近なのがこのログイン機能ではないかと思います。メールアドレスやパスワードの入力や、会員登録をしなくてもTwitterでログインできるなら使ってみようかな、と過去に思った覚えがあります。

YouTubeにもAPIがあるんですね。調べて見ましたが、あれだけのコンテンツ量を持つプラットフォームに無いわけがないのか笑

他にも再生回数や閲覧時間といったデータを管理するダッシュボードの提供もしているため、動画コンテンツのPDCAは格段に回しやすくなりそうだと感じました。作るのも大変で、その後のデータをチェックや改善することまでできない、手が回りづらくなりそうなところをうまく掬い上げているのがMuxかなと。

こちらがMuxでできることについて分かりやすい記事でした。

YouTuberの方はMux使って見たら再生回数がもっと伸びるかも??


・Kleiner Perkins:2社

Coda $80M / Series C / 効率化:ドキュメントツール

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参照元/URL:https://coda.io/welcome

GoogleスプレッドシートやG-suiteに代わるオンラインドキュメントツールを提供するCodaが8000万ドルを調達。評価額は6億3600万ドルへ。

Kleiner Perkinsがリードし、Greylock、Khosla Ventures、General Catalystが参加。過去にはNew Enterprise Associatesも参加しました。

CEO兼共同創業者であるShishir Mehrotra(シシル・メロトラ)氏は、同じ共同創業者であり、大学時代の友人でもあるAlex DeNeui(アレックス・デニュー)氏と一緒にMicrosoftやYouTubeで上級職を務めた経験がある。

Codaはスプレッドシート、ドキュメント、プレゼンテーション、タスクリスト(Google、Microsoft、Zoomのサービス)をそれぞれのアプリやプラットフォームを使うのではなく、1つにまとめて使えるようにしている。

2019年の初めにローンチされ、Uber、The New York Times、Spotifyなどを含む2万5000人以上が利用。

Slackの初期投資家として知られている元Social Capitalパートナー、現Kleiner PerkinsのパートナーであるMamoon Hamid(マアムーン・ハミド)氏は「CodaはSlackよりも大きくなると思っている」と述べた。

北沢:Google系サービスの代わりになるようなドキュメントツールを提供とありますが、相当敵が大きいですね。サイトのデザインは個人的に好きですがw

僕自身Googleスプレッドシートを毎日使うヘビーユーザーというのもあり、どう巨人と戦っていくのか楽しみです。

元Microsoft、YouTubeメンバーへの期待値よりは、Slackの未来を見ていた初期投資家Mamoon Hamid氏が参加するから!というのが他のVCとしては参加する理由が大きいような気がしました。


Nurx $22.5M / Series C / 宅配:避妊ピル

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参照元/URL:https://www.nurx.com/

オンデマンドの避妊ピル配達サービスを提供するNurx(ナークス)がシリーズCで2250万ドルを調達。

これまでに1億1300万ドルを調達しており、2021年初頭までに黒字化を計画。年間1億5000万ドルの収益を生み出すだろうとCEOのVarsha Rao(ヴァルシャ・ラオ)氏は述べた。

Trustbridge、Comcast Ventures、Wittington Ventures、Union Square Ventures、Kleiner Perkins Digital Growth Fundが参加。

同社によると、現在は30州とワシントンD.C.に展開しており、人口の90%をカバー、毎月30万人以上の人々にサービスを提供している。また、Nurxは今月、新サービスとして頭痛や偏頭痛の治療サービスも開始する予定。

北沢:Web上でQ&Aに回答し、身分証をアップロードすると登録医師から処方箋が出してもらえるそう。それを元にNurxが自宅まで配達するというサービス。

病院に行かなくても簡単に入手できるのが特徴で、ユーザーは健康保険に加入していれば費用がかからないとのこと。

最後の頭痛や偏頭痛の治療サービスというのが気になりますが、これも同じ形で薬を届ける形になるのでしょうか。QA形式で薬以外の解決方法(食事など)のアプローチができたらより良いのかなあと。


・Sequoia Capital:1社

Gong $200M / Series D / AI:音声解析ツール

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参照元/URL:https://www.gong.io/

AIで営業チームの音声解析ツールを提供するGong(ゴング)がシリーズDで2億ドルを調達。総額3億3400万ドル、評価額は22億ドル。

Coatue Managementがリードし、Index Ventures、Salesforce Ventures、Thrive Capitalが参加し、フォローオンでBattery Ventures、NextWorld Capital、Norwest Venture Partners、Sequoia Capital、Wing Venture Capitalが参加。

シリーズBの段階では顧客は300人でしたが、現在は約1,300人。その間に大幅な成長を遂げ、今年だけで2.5倍の収益を上げている。

CEOのAmit Bendov (アミット・ベンドフ)氏は現在約350人の従業員を、年末までに450人にする予定だと述べている。去年の2月に4000万ドルを調達し、12月にはさらに6,500万ドルを追加調達。そして今回の2億ドルと収益共に急速に成長しているがまだ株式公開は考えていないとのこと。

そのためには少なくとも数億ドルの売上にまで成長させたいと考えており、現時点では2~3年先だと述べた。

北沢:調達金額や、評価額からどんな企業かと思って調べていたのですが、HPが昔の通販サイトのような(言い換えれば堅苦しくなく、とてもポップな)デザインだったことが一番の驚きでした笑

メール、ビデオ会議、電話などの全ての会話をAIで分析し、受注率の向上や商談の短縮化に役立てるとのこと。Pinterest、LinkedIn、GE、Hubspotなど700社以上が利用しているそう。

営業といえば、ひたすら打席に立ち(コール数)、バットを振り続ける(提案する)のが受注までの最短ルートというイメージ(それも1つの方法)ですが、音声を解析しPDCAを回すことで、できる人に聞く時間を減らせますし、データが溜まればトークマニュアルがわりにもなるので強いなと。

営業が強い企業の音声データは大きな資産になると思いました。


以上です!

スタートアップを調べれば調べるほど、この先の未来がどうなっていくのか?への関心が増していくなあと。思いつきで始めたことですが楽しくできているので嬉しいですね。

来週は、24日の月曜日に更新予定です。


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