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神のDB(024)

(024)今度はⅯっ気が増しますぞぉ~|ω・)どうぞ~

前のお話:https://note.com/daikiha/n/n0f817cb5c029

後のお話:https://note.com/daikiha/n/nacd1a03af19c

【弐】

想う心は、人それぞれ。

人を愛する
人を愛(いと)おしむ
人を哀れむ
人を疎む
人を憎む

それぞれの感情が、その人を創り
それぞれの感情が、その人を動かす

その時、その瞬間に想う心に、偽りはない

偽りのない心に、疑問を思うこともない

例えその想いが間違ったものだったとしても、その時は

気付くことさえ、できないんだ。


【5】

2012年2月6日、月曜日。節分の・・・、は既に世間の記憶から消され、来週に控えたイベントが頭に横切ってしまう週の最初の平日。サラリーマンには・・

『きびしいぃぃ~』
と、誰でも毎週思ってしまう、マイナスイオン(意味違う?)が充満する月曜の朝。
ここは通勤に使う電車の中、
そしてボクは椅子に座っている。
左にやたらと態度のデカイ、肩を大きく張ったポマード臭のおっさん、
右にやたらと「ジメ!」感を体中から発している今度は体自体がデカイ、汗臭のおっさん、
前にはやたらボクをジーとみている中年のおばさん、

・・・ボク、なにか悪いことしたかしら?

いやいや、これがいつものこと、と思うのにそんなに長い時間は掛からず、単に「そういう運命」と、ここでも人生の運命を感じているボクの人生、

・・・安いなぁ。

これでも一応、この世界を救う「救世主」って奴らしいんだが、

・・・まあ、まだ3ヶ月ぐらいの新米「救世主」だからなぁ。

と、この状況に変な納得感を感じてしまっている。やっぱり、月曜だなぁ( ̄◇ ̄)


そんなことを考え、いろいろな「臭」や「威圧」にガマンしながらやっと下車。
まだまだ寒い2月の朝。少し早歩きで会社に向かう。

『ふぃ~、なんとか生還。おはようございまーす』

と、円姉さまがいつものビジネススタイル(メガネ、ポニテ、ワイシャツ&スーツ系)でボクの前に座っている。で、ボクの挨拶無視。
う~ん、これまたいつもの月曜、というか毎日、だね。テヘペロr(^~^*)

『?なんですか、鳴沢君、朝から気が抜きまくった顔で。ウザイですよ。』

と、これまた2月の寒さどころか極寒のシベリア並みのクールな朝のご挨拶。う~ん、ひえひえ、ヒェー(゚д゚ノ)ノ ヒィィ!!。
あいまいな笑顔で円さんの殺人挨拶をかわし、仕事の準備をする。
スケジュール表をみると、

『あれ、今日は来客かぁ。』
と呟くボクに円さんが
『そうですよ。忘れてませんよね?今日は外注のリサーチ先の方と、現時点の依頼案件と今後の依頼案件の確認。そして、新しいリサーチャーの方のご紹介があります。案件の一覧はわたしの方で用意してます。メールで既に送っているはずです。鳴沢君、確認してますよね?』
ギラン、という効果音がなるぐらいの目線を向ける円様に対しボクは
「ハイハイハイハイハイハイハイハイハイハイハイハイハイハイハイハイハイハイハイハイハイハイハイハイハイハイハイハイハイハイ」
と、傍から見たら「なに、朝からヘッドバンキングしているんだ?」と不思議がられるぐらい頷く。ちなみに正しくは「ヘッドバンギング」。銀行に頭を預けようとしても、窓口のお姉さんが困ってしまうので、皆様はしないようにr(^~^*)

『もちろんです。円谷さん。ちゃんと先週の内にチェック済みです。問題ないというメールも返信してますよね?』
『はい、貰ってます。確認です。』
と、さらりと話を流す円さん。・・・朝から死亡フラグのフェイクかけるなや。

『鳴沢君。今月の中旬ぐらいから来月に掛けては、年度末ですから社内のリサーチ案件が増加します。その為に外注先から期間限定でリサーチャーの方に来てもらいます。席は鳴沢君の隣です。案件の窓口は私と鳴沢君ですが、基本、あなたの案件をリサーチャーの方へふってください。』
『ハイ、分かりましたけど、円谷さんの案件は大丈夫ですか?』
と、ボクが心配した感じで円さんに言うと、
『ハイ?何言っているんですか、基本、案件の重いものは私が、その他、細かいもの全ての案件は鳴沢君にしてもらいますから、大丈夫です。』
と、これまたさらりときっつい内容をきっつい言い方で流す円さん。
。。。って、流れてない。

しかし、まったく意見が言えそうな雰囲気でないこの状況、当然のボクの対応は、
『ですよねぇ。あはは。ハイ、わかりましたぁ』
従順な犬、と化していた。

「おい、また鳴沢、円谷さんにしつけされているぞ」
「ひぇー、クール円谷、すげークール。あれの相手できるの鳴沢ぐらいだな」
「て、いうか、鳴沢、ドMなんじゃね。実は喜んでるんじゃ」
「えー!そうなの。鳴沢君、ドⅯなの。いやだぁ、飼われているってホントなんだぁ。」
「わたし、初めてそういう人、生でみたよ!いるんだねぇ、そういう人」
「毎晩、円谷にしつけられているんだってよ。ある意味、うらやましいかも」
「おいおい、それ本当かよ!想像しちゃうぜ!」
「なに言っているのよ、もう、プライベートなんだから・・・」

・・・おいおい、それはウソですよ。皆さん、想像力凄すぎ。というか、そういうきわどいことは、もう少し小声で言ってくださいよぉ、でないと円さんが。。。

『うふふ。噂ってまんざらウソばかりではないようね。』
って!おいおい!なに苦笑交じりで言ってんの、この人!

『ちょっと、円さん!そんな火に油を注ぐようなウソを言ってないで、』『円谷さーん、受付にマインドジョイの方がいらしてますよ』『はい、わかりました。鳴沢君。いくわよ。』
と、円さんはとっとと、席を立って行ってしまう。
『あー、ちょっと!まど、って円谷さん、待って!せめて、誤解を解いてからお願いします!!』
ボクの切実な訴えなんぞ聞く耳も無く、円さんは部屋から出て行ってしまった。ボクも慌てて部屋を出るが、後ろではあれやこれやのヒソヒソ声が・・・

あー、午後休しちゃおうかなぁ~今日(・_・、)ホロッ


【6】


『失礼します。マインドジョイ研究所の高野、でございます。』
初老の執事さんみたいな物腰でボリュームがかなり小さめな挨拶してくれるこの方は、外注先の高野さん。
うちの会社のマーケティング関連の外注依頼先としてかなり優秀であり、重宝させて頂いている。
『鳴沢さん、なんだかお疲れですね。』
『え?なんですか、高野さん?』ボリュームを大きくしてください。
ボクの心が伝わったのか『鳴沢さん、なんだかお疲れですね。』と3フォントぐらい大きな声で言ってくれる高野さん。ホンに聞き取りにくいボリュームなのが唯一の欠点。

『ええ、それはもう、ここ10分ぐらいでMAXに達してますから。ハイ。』
『はあぁ。』
『高野さん、それより進めてよろしいかしら?まずは案件の確認から、』
何事もないように進める円さん。
『はい、畏まりました。先日にお話頂きました臨時でサポートとして派遣させて頂きますリサーチャーの方は、あと20分ぐらいでこちらに参りますので、まずは他の案件から行ないましょう。』と、さらに2フォントほどボリュームが大きくなる高野さん。よく相手をわかっていらっしゃる、ハイ。

リサーチ案件の今月の受注状況と内容や納期の確認、またその他の事項などを確認していく。
うちの会社はマーケティングサービスの多様化を実現しており、顧客の購買分析や販売促進媒体の販売、そしてボクが関わっているリサーチ案件では、アンケートシステムを自社で開発していることもあり、社内外から様々な受注の依頼がくる。
特に、社外からの案件は業態業種が様々で、それぞれの業界の知識が必要となる。しかし、そんな人材はなかなかいないのが実情。そんな要望を答えてくれているのが今、目の前に座っている「マインドジョイ研究所」の高野さんだ。
彼は研究所の所長で、様々な業界のコンサルティングをしているらしく、そこからのツテで人材を確保しているらしい。そして、彼の会社はノウハウも収集、ナレッジ化しているらしく、研究所の所員の方々は様々な業界の知識を保有しているらしい。
高野さんのところにリサーチ案件をお願いしているので、今回のような案件が集中する時期は、研究所の優秀な所員さんをリサーチャーとして臨時派遣で雇うことが度々ある。
まあ、結構、お値段も張るのではあるが、今回のような短期のサポートでは大変重宝している。
正社員で雇うよりかはコストダウンになるからね。
ちなみに、高野さん。(ボクを気絶させた)レジスタンスの構成員です。※さらりと暴露。第1章参照してちょr(^~^*)


いろいろと確認しつつ、会議が始まって20分が経過したころ、
ガチャ!!
会議室のドアが突然開き、そこには、

『はぁはぁ、遅れてすみません!』

そこにいたのは、


『初めまして、お世話になります!及川です、よろしくお願いしまーす!(ニコ)』


「ビビビ」な女神が、いた。

前のお話:https://note.com/daikiha/n/n0f817cb5c029

後のお話:https://note.com/daikiha/n/nacd1a03af19c

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