アイデンティティの崩壊?って話。
少し先の未来のこと
今よりもナチュラルにAIが生活の中に入り込んでいて、その状況自体にはもう何の驚きもなく、人間の仕事も当たり前にAIに奪われている。というか、AIが人間と一緒に普通に仕事をするようになる頃の話。
今もAIは人間と仕事をしているけれど、システムの裏側やアシスタント的立ち位置にいて、あくまでもサポート役だ。でも、そうじゃなくて、AIがもっと露骨に、前面に出ている。
そのころの人間(そんな先の話じゃないと思う)は、人間のように振る舞う人間じゃないものと社会の中で共存する。そしてその時、場合によってはアイデンティティが崩壊するのでは?などと思ったりする。それを避けるためには(就活の場などで)他者に向けて自己をアピールするための自己分析でなく、自分自身に自己を再認識させるための自己分析が不可欠だと思う。
自分はこれが好きだ!と自分に向かって叫ぶことができる、そんな感じのアイデンティティを確立すること。こういうのは現状ではあまり社会的に役に立たないと考えられているし、むしろそういう考え方を推し進めるのはともすれば自分勝手で意味がないと思われてしまいがちだ。
でも、それは間違ってると思う。特に若い人たちは、今の段階でそういうアイデンティティを確立しておかないと、もしかしたら後々自己を保っていられなくなるかもしれない。
数万年前、地球上には多くの人類種がいた。我々ホモ・サピエンスは人類種としては後発組だ。その頃にはネアンデルタール人をはじめとして、現生人類のホモ・サピエンス以外に「人間」に分類される生物がいたのだ。ちょうど、ゴールデンレトリーバーも秋田犬もチワワも全部「犬」という種であるように。
今後AIが人類と共存する社会は、こういう状況に似ている気がする。まるで人間のように振る舞い、人間と同じ社会的ポジションを占めるのに、全く人間とは異なる擬似生物。それはまるで、言葉も通じないし生き方も文化も全然違うけれどお互いに人間と認識し合っていたホモ・サピエンスとホモ・ネアンデルターレンシス(ネアンデルタール人)が共存する状況のようだ。
そして、ネアンデルタール人は滅んだ。
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