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出流原弁天池と磯山弁財天(栃木県佐野市)

水が恋しい。

9月に入り、私は水を欲するようになった。
飲みたいのではなく、見たい方だ。

 
20代になった頃から
私は滝や海や池や湖、川、ダムといった水に惹かれるようになった。
心身疲労度がたまるとより行きたい欲求は強まる。

 
私は夜な夜な滝等の場所や距離を調べては家からどう行けばいいか、時間がどのくらいかかるかを調べてはため息を吐いた。

なかなかに遠いのである。

 
ネックは私が長距離運転が苦手であることや暑さが苦手であることだ。

9月に入っても最高気温は30度を下回らなかったし
滝等は大抵車ではないと行きにくい場所にある上、駐車場から歩く場合が多い。

 
もう少し涼しくなったらどこか水がある場所に行きたい。

そう思った時、私は出流原弁天池が浮かんだ。
前々から行きたかった場所の一つで
滝や海に行くよりも近かった。
駐車場からも近いらしい。

 
9月後半、休みの日に出勤した代わりに振替休日がもらえたので
私はその日に行くことに決めた。

最高気温はようやく30度を下回り、朝夕は連日寒いくらいになった。
その週の土日は雨や曇り予報だったし
平日晴れの日にどうせなら外で過ごしたかった。

 
休みの日の前日は冴えない一日で仕事で色々嫌な思いをしたが、リーダーと帰り道に話せたことで心はいくらか軽くなった。

 
休みの日当日、私は予定通り癒やしを求めて出流原弁天池に行くことにした。

 
予報では晴れのはずだったが、朝からどんより曇り空で肌寒かった。
多分向かう途中で晴れてきて徐々にあたたかくなるだろうと思ったら
本当に出発して5分後に晴れてきて私はガッツポーズをした。

 
出流原弁天池までは1時間以上かかるらしかったので
お気に入りのCDを聴きながら私は車を走らせた。
好きなアーティストの曲を聴きながら青空の下、車を走らせるのは楽しい。
見知らぬ道や景色にもワクワクした。

 
道端では彼岸花やそばの花が咲いていて、道中は稲穂の美しさも目立っていた。
そんな風景もまた私を癒してくれた。

 
カーナビに従い、なんとか出流原弁天池に到着した。
一番近い駐車場は5台分しかないが(歩けばたくさん駐車場はある)
運良く停められた。

これも平日のお陰だし、朝早く出発したからだ。
周りには片手で数えられるほどしか人はいない。

 
車から降りるとクシャミが止まらなかった。
どうやら何らかの花粉に反応しているらしい。

近くにいた人から「大丈夫?」と声をかけられた。
私は優しいなぁ…と思いながら弁天池の場所を聞いた。

 
まずは弁天池に行く前に近くにある池やヘビの像、花手水を見て癒された。





優雅に泳ぐ鯉や彼岸花に癒やされつつ
いよいよメインの出流原弁天池に向かった。

 
出流原弁天池は、美しかった。

澄んだ水面に木々の葉の緑や藻が反射して
まるで緑色の池のようだった。








ネットによると、関東版モネの池と言われているらしい。

こちらでも優雅に鯉が泳いでいて
まるでここだけ別世界のように美しかった。

日本名水百選の一つでもあるらしい。

 
来てよかった。

そう何度も思いながらじっくりゆっくり堪能した。

 
近くには弁財天アイスが売っていたので次に来る機会があれば食べてみたい。


 
出流原弁天池の隣には磯山弁財天がある。
佐野七福神の一つのようだ。

風鈴や風車が風で舞う真下を通り、紅い門をくぐり抜ける。




そこからは階段で上へ上へと目指す。
ネットにスニーカー推奨と書いてあったが、実際行ってみるとやはりスニーカーではないと厳しいと思う。







途中、ヘビの手水があった。
きっと白蛇は神様なのだろう。
他の場所にもヘビのモチーフが見られた。

 
階段を上った先には紅い神社が見えてくる。
そこからは佐野市が見下ろせた。息を切らせながら上ったかいがあった。

 
私が行った時は気温が25度で晴れだけど雲もあり、日差しはなかった。
ちょうどいい天気だったと思う。

 
車は入れ替わり立ち替わり駐車し、混んではいないが、人が途切れることはなかった。



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