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私と骨折③【車椅子に四人体制】

足を骨折をして一週間。

私の外出は通院に行ったっきりで
それ以外は自宅一階で過ごした。

 
自室は二階だが
なかなか行き来が大変で
骨折二日目に一階に拠点を移した。

 
マットレスがあるので
一階リビングに私の寝床をセットした。

快適だった。
ベッドで寝るよりも快適だ。
ごろごろ転がってもなお広い。

 
今週一週間休みと決まったから
私は買ったものの読んでいなかった本を読もうと
一階の寝床に本を積み上げた。

 
読む、読む、読む、読む。
スマホをいじる。スマホをいじる。
また読む。

その繰り返しだ。

 
松葉杖は思ったより疲れるし 
そもそも自宅から出るには家族の手が必要不可欠だ。

 
下手に出掛けて足をぶつけても仕方ない。

 
そう思った私は転がるしかなかった。
生産性のないいきものに成り下がった。

 
寝床のすぐ横には大きな窓があり
そこから庭の景色が見えた。
彩りの花々。
あまりに美しかった。

青空の下、キラキラと眩しい光ときれいな花。
薄暗い部屋に転がる私。

なんだろうこの対比は。

 
バセドウ病で大学病院通院でも
頭にハゲが5つできてもさほど落ち込まなかったが
さすがに一週間引きこもっていると滅入ってきた。

 
足に負担をかけると思うと室内運動もできないし
そもそもトイレや入浴で精一杯だ。

 
毎日体を動かすうちに、動かし方やコツは掴めてきたが
足も腫れがひき、小指根元は黄色くなってきて、紫色の骨折箇所も色が薄くなってきたが
だが、だからこそ安静を余儀なくされた。

下手に動いて治りかけの足が悪化するのは避けたい。

 
お風呂の後
最近は足の一部の皮がふやけるようになった。
時間が経つと戻るが
なんだか色々と不安になってしまう。

 
もともと休日も外に行くのが好きな私だ。
読書も好きだけど、でも
外に行きたい。

 
たかが通院なのに
骨折で整形外科に行った時も
バセドウ病で大学病院に行った時も
私は嬉しかった。

 
光を浴びられる。
花が見られる。

それだけで嬉しかった。

 
車椅子を借りようと思った。

地域の方には無料で最大三ヵ月まで貸し出しらしいし
手続きは本人でも家族でもいいらしい。

少しでいい。
公園に行きたい。
光を浴びて花を愛でたい。

 
家族がいる午前中はまだいいが
両親は午後から仕事で
一人でいる時間は色々考えてしまう。

 
せめて午前中少しでも出掛けられたら。
休日少しでも出掛けられたら。

そんな思いが強くなった。

 
車椅子を借りに行く日。

電話で確認すると
なんと無料で車椅子対応車も借りられると知る。すごい。

そんなことまでできるとは手厚い。

車椅子で運転可ならまた話は違うだろうが
車は大丈夫だと両親に伝える。

 
両親が車椅子を借りてきた頃
新施設長からLINEが入る。
傷病手当を使ったらどうか、とのこと。

 
なるほど、傷病手当。
それならば残りわずかな有給を消化することもなく、お金ももらえる。
ナイスな提案だ。

おそらく今月いっぱいは休みだろうし、その申し出はありがたい。

まだ診察前でよかった。

 
さて、一週間ぶりの外出だ。

少しずつ、前よりはコツが掴めてきたが、やはりなかなかに車に乗り込み時は気を使う。

病院に向かう途中、外は雨になり
小雨の中、病院に入り込んだ。

 
この病院は室内に車椅子がある。

看護師さんと親に協力してもらい、車椅子に乗り込む。

普段自分が支援でしていることをされると不思議な気持ちだ。

 
骨は2~3週間でくっつく話があり
7割の人は3週間かかるらしい。
だからきっと私は今月いっぱい自宅静養だろう。

診断書は3300円かかったが、上手く書いてもらった。

 
三週間で治る保障はないため
治る時期には触れなかったらしい。

確かに私も左手を骨折した時は位置が悪く、予想より長く完治に時間がかかった。

 
骨は読めないのだ。

 
帰り際、看護師さん三人と母でスロープを降ろしてくれた。
私は女王様か。なんて手厚いのだろうか。

帰りは雨が止んでいてよかった。

 
バセドウ病の次回通院は5月頭だ。
それまでに治るだろうか。治ってほしい。

そればかり願っている。

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