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虫の良さを語り合えると嬉しい

ある日の夕方
施設の玄関先にクロアゲハの幼虫がいることに気づいた。

 
「うわっ気持ち悪いっ!」

女性職員は苦々しい顔をした。

 
「朝からいるんですよ。」とリーダーが言った。

私はその子を眺めた。
プックリとした緑色の立派なボディが見事だ。
丸々とした糞がたくさん落ちていて
健康的だと思った。

 
私は多分
周りの同世代の女性と比べると
虫が好きな方だと思う。

触れる虫はいるし
虫の本を好んで読むし
テレビで特集を見るとワクワクする。
動物より虫の方が好きかもしれない。

 
私はその次の日が振替で休みで 
その子はどうなっているのか気になった。

 
更にその次の日職場に行くと
やはりその子はいなかった。
同僚の話によると
前日の朝にはもういなくなっていたらしい。
残念だ。

 
代わりに
小さいカマキリを同じ場所で発見した。
私は嬉しくて写真を撮った。
私は小さいカマキリが好きなのだ。

人に踏まれないようにと遠くの場所にカマキリを移動していると
虫嫌いな同僚は「触れるの!?」と驚いていた。

 
その日は私は珍しく一時間残業していて(基本的には定時上がりな職場なのだ)
たまたまリーダーと一緒になった。

私は幼虫やカマキリの話をした。
すると、リーダーがのってきた。
リーダーも虫が好きらしい。

 
ハチの話になり、二人でオオスズメバチの素晴らしさを語り合った。

そして私は
「オオスズメバチとオニヤンマとムカデならどれが一番強いと思いますか?」と尋ねた。

 
それは今から数年前に
前の職場の同僚と話したテーマだった。

 
 
昔と今が繋がる。

 
 
休みあけの仕事。
暑い中での仕事。
いつもより長い残業。

だけどリーダーと大好きな虫の話ができて嬉しかった。

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