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いつでも君のそばにいる 小さなちいさな優しい世界/リト@葉っぱ切り絵

ある日、チラシを見ていると
某百貨店で葉っぱ切り絵展を開催すると書いてあった。

 
小さな葉っぱにメルヘンな緻密な切り絵、バッグの青い空の一枚の写真を一目見て私は気に入り
その葉っぱ切り絵展に行くことにした。

葉っぱの切り絵を作っている方は
リトさんと言うらしい。

 
 
その日は想像以上に混んでいた。
おまけに長蛇の列だ。
よく見るとそこにはリトさんがいて、サイン会をしていた。

 
サイン会は初日に行っていたが
私が行ったのは初日ではない。
Twitterを見ると
あまりの盛況ぶりに急遽今日もサイン会になったようだ。ありがたい。

 
作品を見た後、私は本を買い、サイン列に並んだ。
前には20人ほど並んでいた。

栃木では初の葉っぱ切り絵展だし 
開催期間が15日なので
こうしてより人が集まっていたのかもしれない。

 
待つこと数十分
ついに私の番が来た。
 
 
リトさんは朗らかで優しい人柄だった。
作品はどれもあたたかく、優しくて泣きそうになる。

リトさんの人柄と作品は見事にリンクしていると思った。

 
「優しくて細かくてすごいですね。これからも応援しています。」と月並みなことしか言えなかったが
それでもリトさんと少し話せて
サインをしてもらえて
写真も撮っていただけて嬉しかった。

 
 
買った本は表紙からもうかわいすぎた。

まるで今から童話が始まりそうな表紙とタイトルに癒される。

 
ページをめくると
作品ごとにタイトルと込めれたストーリーが描かれている。

見れば見るほど細かい。
切り絵だけでなく、設定も細かい。

 
作品のあとには
普段どんな道具を使い、どんな風に作品を仕上げていくかも載っていた。

一作品でナイフの刃を何枚も変えることや
使っている葉はほとんどがドライリーフと知った。

 
私はカッターを使う際
あまり刃を交換したことがない。

葉っぱという小さな存在での切り絵に
どれだけの手間がかかっているかが分かるような気がした。

 
また、ドライリーフにすると、変色や乾燥の心配がないという。
私はドライリーフの存在を初めて知った。

 
 
 
この本の最初と最後にはとある文章がある。

そこにはリトさんのことが書かれている。

 
リトさんは不器用で失敗ばかり、怒られてばかりだったらしい。
後にADHDと判明する。

会社を辞めた後
アートで生計を立てたいと試行錯誤をし
辿り着いたのが今の葉っぱ切り絵らしい。

 
障害がある方はこだわりや特性から
人間関係や仕事において課題が出やすい。

特に大人のADHDの方で知的障害がない方は
なかなか上手く社会人ができず
落ち込んだり、悩み
うつや引きこもりになる方も少なくないと聞く。  

アートの分野や専門職で活躍する人の中には
ADHDの方も少なくないらしい。

 
人生、自分の好きなことや強みを仕事に活かせられるとは限らない。
そもそも強みを自分や周りが知らないことさえある。

だからリトさんが今、大活躍していることは
とても素晴らしいことで
とてもすごいことだ。

 
私は「パパのツノ、また生える?」「新しいツノ、みんなで作ったよ!」のストーリーが特に好きだし、泣ける。
また、「小さなおくりもの」も好きだ。

私はこれからもリトさんを応援している。






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