入院61日目:時の過ぎ方
今日は休み。
朝から晴れ。最高気温29度。暑くなりそうだ。
私はまず、朝一で歯医者に行った。
先週歯の詰め物が外れて土曜日に直したのだが、その日の夜に再び外れたからだ。
今日は新しい詰め物を作るとのことで、仮の詰め物を詰めてもらったのだが、なんと3時間後に外れてしまった。おいおい、である。
次回通院は10日後だというのに、今日また行かなくてはいけなくなった。
歯医者に行った後、バラ園→マルシェに行き、その後はお母さんの面会に行く予定が
マルシェ後再び歯医者に寄り、それから面会となった。ハード過ぎる。
今日の面会はお父さんと二人で行った。
面会に一緒に行くのは久しぶりだ。
お父さんはせっかちなので、二人で出掛けると忙しない。
約束の時間ピッタリに病室に行くが、お母さんはベッドにいなかった。リハビリがのびているようだった。
荷物を戸棚などに入れていると、お母さんが車椅子に乗ってやってきた。
元気そうだ。
今日は自転車やボールを使ったリハビリをやったらしい。自転車リハビリは全身運動でハードなようだ。
お互いに近況を話した。
お母さんは私のプレゼントした花の本をよく読んでいた。嬉しそうにこのページのこれがあれで、と話してくれた。プレゼントしてよかった。
お母さんの病室には足のお守りが飾ってあった。
どうやら従姉妹が買ってきたらしい。
また、白髪染めができないお母さんに、白髪隠しにペンタイプのものを買ってきたようだ。
むくみ取りのものもくれたらしい。
従姉妹は気が利く。さすがだ。
会っている間、お母さんは大体いつも足をさすったり、むくみ取りをしている。
お父さんはお母さんの湿布を取り替えてあげていた。
お母さんは先日病院でそばやカレーを食べたと喜んでいた。
病院でそばもでるとは。驚きだ。
「仕事も家事も無理しすぎるなよ。」
「お父さんと仲良くね。」
お母さんが言う。
仕事に関しては、確かに無理が続いている。
お母さんには言えなかったけど、今日はお父さんと外食だった。
幸楽苑へ行ってきた。
お父さんが株主のため、2000円券がもらえたからだ。
大丈夫。
お父さんとはそれなりに仲良くやっている。
冷凍餃子も買ったから後で焼いてみるよ。
食事制限がかかっているお母さんには
食事の話題は言いにくくて
外食の件は言わなかった。
お父さんは食べ過ぎて苦しいと胃薬を飲んでいた。
お母さんがいた時は三人でシェアをしてちょうどよかった。
私も実は食べ過ぎて苦しい。
外食は量が多くて、味が濃くて、胃もたれしがちだ。
だけどこんな胃もたれさえも今はお母さんには言いにくい。
お母さんからしたら外食してラーメンなんて、うらやましいことだろうから。
お父さんは「お母さんが入院して二ヶ月。時間が経つのがゆっくりに感じる。」と言った。
お母さんは「毎日あっという間。」と言う。
私はどちらも感じる。
一日一日はあっという間だが、1週間単位で考えると長いというか。
お父さんは今頃本当はお母さんと北海道旅行に行くはずだったが、予定をキャンセルした。毎日行っていた散歩も今は行けない日が多い。
私も大きな予定はいくつかキャンセルし、毎日行っていた余暇が今はできない日も多い。
忙しないが、張り合いがないというのもある。
好きな人と過ごす時間はあっという間だが
そういう意味では今はリーダーがいないから時間が経つのは当時と比べたら遅いし
仕事後、お母さんと話していると時間はあっという間に過ぎていたが
今は時間に追われて家事をし
お父さんが早々と寝たら話す相手はいない。
お父さんも趣味ができないことやお母さんがいないことで生きがいが減り、時間がゆっくりに感じるのだろう。
お母さんからの雑用をやるのは忙しいが、心が満たされないから、時間が経つのがゆっくりなのだろう。
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