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バリアバリュー 障害を価値に変える/垣内俊哉

生まれつき、骨が脆い障害を抱えている垣内さん。
遺伝性の病気らしく、父親も同じ病らしい。

 
骨折は生まれてから何十回もしてきたらしいが、子どもの頃はまだ歩けたらしい。
小学四年生の頃に、完全に車椅子生活となる。

 
やがて垣内さんは自殺したくなったり、無気力になったりもしたが
障害者が住みやすく、暮らしやすい視点を持つ自分の強みを活かし、起業する。
株式会社ミライロである。

 
父親は若くして急死、母親は中途障害者(車椅子)、弟はダウン症という、ライターの岸田奈美さんが、母親の生きがいを模索している時に垣内さんと出会い、ミライロに入社する。
岸田奈美さんの本やエッセイでミライロを知り、私のような岸田さんファンの方がこちらの本を読むケースが多いようだ。

  
ミライロは、バリアフリーではなく、バリアバリューに重点を置いている。
障害や少数派だからこその価値観や強みを武器にしている。
最初は障害者対象のビジネスだったが、高齢者やセクマイの分野等、現在は幅広く仕事しているらしい。

 
私はこの本で、障害者を障がい者と表記すると、視覚障害者向けの読み上げソフトを使用すると【しょうがいしゃ】と読み上げられないと初めて知った。

 
【障害者】をどのように表記するかは意見が様々であり、障害者、障碍者、障がい者のいずれかを使われることがある。
公的な文章では障害者が一般的だが、私含め福祉に携わる方は障がい者とプライベートで書く方も多いし、障碍者を使う方もいる(害という漢字の意味合いが強いから)。

ただ、障碍者や障がい者という表記は、使う人の自己満で、障害者当人はあまり気にしていなかったり、逆に嫌がる方もするので、非常にデリケートな問題だ。

 
だが、この本を読み、私は今後プライベートで障害者と書いた方がよりよいかもしれないと考えてしまった。
私の配慮とは、視覚障害者を含めていなかったと知った。

 
垣内さんの会社ミライロは、最初は二人で始めたが、今では支店も年商も社員も増えたらしい。

垣内さんは年間に講演会をたくさん行っているらしいし、話上手と褒められるらしいが、実際はかなりのあがり症で、練習をかなりしているらしい。

 
私はそれを知り、似ているな、と思った。

 
 
 
私も人前や大勢の前で話すのは苦手で、緊張から食べられない、眠れないは当たり前なのだが、本番で大きな失敗はない。
むしろ、好評価であり、ノミの心臓だと訴えても周りからは信じてもらえない。

 
垣内さんも私もタイプが似ている。

苦手だからこそ、とにかく事前に準備し、台本を作り、練習を重ねる。
練習を重ね、経験を重ねると、当日アドリブも入れられるようになる。

だから周りからは余裕のように受け取られるが、何回何十回行っても、実際は毎回前日から必ず緊張する。

 
当日、緊張しないで上手く話ができる人に私はいつも憧れたが、私の事前練習用の台本は資料として残り、次の機会でも役立ったり、他の人の参考資料にもなった。

緊張するからこそ、事前準備に力を注ぐ。

それは私や垣内さんの強みである。

 
臨機応変に私は弱いが、マニュアル化や計画性に私は自信がある。
それはやがて福祉職として働き出した時に、利用者支援や新人指導に役立ち、よりよい環境へと繋がった。

 
 
 
 
私は正直、不器用で要領が悪く、欠点だらけの人間だと思う。
だけど、欠点は見方を変えたら長所にもなる。

 
私も栃木支店があるならば、ミライロで働きたいと思った。


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