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入院63日目:要介護1

週初めは土砂降りだった。

雨の中の出勤も送迎も外出もウンザリするけれど
同僚や保護者や利用者と談笑していると心が軽くなる。

 
 
事務長が今日、敷地内に夏野菜の苗を植えていた。

「真咲さんのお母さんなら詳しいんでしょうね。」

そう言われた。
確かにお母さんならお手のものだろう。

 
お母さんは農業も庭いじりも大好きだった。

そんなお母さんがもう土いじりをできないのは酷だ。
車椅子は土と相性が非常に悪い。

 
鉢植えとか水あげとか何かしらができたらいいのだが。

 
 
新人の同僚から、「真咲さん、料理上手ですよね。」と言われる。
私は見た目から、料理が上手そうと割と言われる。
毎週お弁当を持参する私はキチンとしているように見えるだろう。

だけど三ヶ月前は料理なんて年に数えるほどしかしていなかった。

新人さんは私のお母さんが入院していることを知らない。

 
リーダーの最終勤務日4日前にお母さんが入院するなんて未来、全く想像つかなかった。
今でもまるで夢のようだ。

リーダーに焦がれて、仕事から帰ればお母さんが家で待っていたあの頃の日々は
どれだけ恵まれていたのだろうか。

 
 
 
帰宅すると、介護保険の認定結果が届いていた。
お母さんは要介護1だった。

お父さんは要支援1じゃないかと疑っていたが
私は要介護1が妥当だと思った。

 
右足だけではなく、左足も障害があり
杖歩行が難しいなら要支援ではない気がしていた。
先日、面談でも「要介護1の場合はこちらの施設のケアマネさんにお願いすることになる。」と一覧表を見せてもらったし
病院側も要介護1くらいだと分かっていたのだろう。

私も障害者なら、大体状態で区分が分かるように。

 
 
私は介護保険について詳しくないので早速調べてみた。

 
日常的な生活動作はほとんどできる。それが要介護1らしい。
確かに車椅子に乗り、フラットな場所なら着替えや食事やトイレは一人でできるだろう。

 
農業や庭いじりは趣味の範囲だから
できなくても判定には支障は全くない。

区分判定はあくまで日常生活がどれだけできるか、だ。

 
デイは週2~3回利用だろうか。
ケアマネさんと相談しなければなんともいえない。

私としてはなるべく機能が落ちないよう、リハビリを中心としたデイを利用しつつ、入浴支援を受けられるといいなぁとは思う。

 
 
 
今日の私はサカバンバスピスのロンTだ。

笑っているように見えるサカバンバスピス。
本当はきっと歯を食いしばっている。

私もサカバンバスピスのように、人生の荒波を乗り越えていく。



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