自殺も考えるほどお金のない日々を救った奇跡


お金のない日々が始まった。

自営業を始めた当初の仕事のない日々がフラッシュバックして背筋がゾッとした。

ブログを書いたりメルマガを書いたり、文章を書くことを続けてはいたが、

その頃の僕には文章をお金に変える方法がまるでわからなかったのだ。



堀川五条の最上階にマンションを借りていたことや駐車場代に生活費に、

毎月毎月かなりの金額のお金が引き落とされていった。

しかし行政書士として稼いでいた頃のように収入が無いのだ。

この状態が続けばどうなるかは目に見えていた。

毎晩毎晩、ベランダから見える京都タワーを眺めながら泣いていた。

ここから飛び降りたら楽になれる、生命保険のお金が彼女や生まれてくる子供に入れば

少しは足しになるのではないかと最悪の事も考えた。



このまま書き続けてもどうにもならないと直感した僕は、
本を書こうと思い立った。


本を出版したい想いはあった。

母方のおじいちゃんは国家公務員をしながら印刷所を開いていた面白い人物だった。

自分で自叙伝を書いて自分で出版記念パーティーを開くような変わり者だった。

彼の出版記念パーティーで知らない女性が「おじいちゃんすごいね」と言って僕の頭を撫でてくれた。

自分のことのように誇らしかったのだ。

いつか自分もあんな風になりたい、言われたい、そう思っていたことを思いだした。



セミナーや懇親会で出会った人たちに向けて「本を出版したいんです」と口にするようにした。

インターネット上でも、いつかはわからないけど必ず本を出版しますと公言した。

公言することで夢は現実になると何かの本で読んだことがあったからだ。



奥さんに「本を出版したい」と告げた時、

彼女は「本出版してる人いるよ、紹介しようか」となんでもない事のように答えてくれた。

サロンを運営している友人女性の自宅に僕と奥さんとその友人女性と著者である男性が集まった。

たしかもつ鍋を食べながら、「じつは僕も本を出版したいんです」と彼に言った。

一瞬驚いた表情を見せた彼だったが、すぐに「え、出版したいんですか。じゃあ編集者の方紹介しますよ」

ここからはあっという間の流れだった。

次の日にはFacebookのメッセンジャーで女性編集者からメッセージが来た。

企画書を書いてもらえませんか?と言われたので、「はい、書いてみます」と返事した。

もちろん本の企画書なんて書いたことはない。ただ、チャンスは絶対に逃してはいけないことを直感していた。

成功するためにNOはありえないことを本能で悟っていたのだ。



企画書が通ったというメールが入った。

ホンマかいな?という夢の中にいるようなフワフワした感覚のまま、

「次は目次を書いてみてください」と言われたので、「はい、書いてみます」と返した。

目次を書いて送り、何度かやりとりをしてから、「では書き始めてみましょう」ということになった。

一体何が起こっているのか僕にはまるでわからない。

ただ、女性編集者の言われるがままに、


とにかく自分にできる書くということをしていただけなんだ。



執筆した記事を何度も何度もやり取りして、

本を書き終えた僕はまだこの文章が本になるとはどうしても信じられずにいた。

何しろ本を出版したいと思い本を出版しますと公言してからまだ数カ月しか経っていなかったんだから。



何日かして、何週間だったかもしれない。

「電子書籍が出版されましたよ」というメールが届いた。

よく本や商品を購入しているあのAmazonのページに僕の書いた本が出版されていた。

これは騙されているか、夢の中の一部としか思えなかった。



僕の書籍のタイトルは『プロの代筆屋による心を動かす魔法の文章術』

プロの代筆屋による心を動かす魔法の文章術 impress QuickBooks

Amazon(アマゾン)




自分で言うのもなんだが僕の文章にピッタリなタイトルを見て、

出版社の方々のプロフェッショナルな能力に感心させられた。



この電子書籍はまさに魔法のような奇跡を起こした。

日替わりセールに選出され、恐ろしい勢いでダウンロードされた。

部門別のベストセラーにノミネートされた結果、

別の出版社から「紙の本として出版しませんか?」というオファーが舞い込んできた。



僕は挨拶もかねて東京にある出版社のオフィスまで出向いた。

ここでは詳しく言えないけど、


新人の作家なので印税が少ないという話になったが二つ返事でOKを出した。

お金のない時期だったのでお金は喉から手が出るほど欲しかったけれど、

それ以上に紙の本を出せる喜びが勝ったのだ。


出版というのはこの世に何かを残せることでもある。

子供の産めない男性が、自分の子供を出産できるようなものなのだ。

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