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家事分担の会話をはじめよう!のワークシート

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多忙なビル・ゲイツでも子供の送り迎え

ビル&メリンダ・ゲイツ財団共同創立者のメリンダ・ゲイツさんがブルームバーグニュースに応じるインタビューが話題になりました。夫のビル・ゲイツ氏はマイクロソフト創業者として有名です。多忙を極めるゲイツ夫妻も3人のお子さんを持つ父と母。家事の分担の話になり、ビルが子供に幼稚園から入学を希望していた学校への送り迎えを1時間かけて週に数回することを提案したそうです。すると...

メリンダさんのインタービュービデオ

その学校では送り迎えをする父親がぐっと増えたそうです。お母さんたちが、「ビル・ゲイツでもやるんだから、あなたにもできるでしょ!」とせまったとか(笑)。

家事は依然として女性の仕事とみなされている

私の住むアメリカ合衆国でも、女性が無償労働として家事を行う時間は男性よりも平均で一日1.5時間多いそうです。途上国になるとこの差は5時間となり、女性の社会進出を妨げる大きな原因となっているそうです。

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家事は依然として女性の仕事とみなされている
引用元: Infographic: Indian women do most household work, while men do very little - Times of India

OECDがソースの上の統計によると、日本はインドほどではないにしろ、3時間の差とアメリカの2倍だそうです。

我が家の家事分担法に反響

私は24歳の時に日本を離れて19年がたつので、今の若い夫婦が家事分担についてどのような意識を持っているのかはよく知りません。我が家は共働き、核家族ですが、そういったライフスタイルがすべてでないことも承知しています。それでも、まだまだ「家事は嫁がやって当たり前」という意識の若い男性も多いのではないかと想像しています。凝り固まった意識を変えるのは難しいですが、少しでも脈がある男性がパートナーの場合でも、具体的な話し合いをするきっかけが持てていないご夫婦も多いのではないかとも想像します。

そこで家事を少しでも公平に分担するために我が家で行っている方法をツィッターで紹介したところ、たくさんリツィートやいいねをして頂き、日本での関心の高さを確認できました。

簡単にいうと、夫婦で一日の時間軸に沿ってやらなければいけない家事をすべて書き出します。次にそれぞれの家事の重みを話し合って決めます。そして誰が何をやるのかの担当を決めます。重みは相対的な点数として、それぞれが担当する家事の一週間の総量を算出してパートナー間のバランスをとるのです。

家事分担ワークシートをつくりました

私達夫婦は仕事がらデータ分析をするので、こうした計算は朝飯前ですが、多くの人にとってはハードルの高い方法かもしれません。少しでも多くの人が取り組めるように、私達の作った表計算シートをワークシート化してみました。

こちらからグーグルシート版とエクセル版をコピーできます。

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使い方
1. このシートーをコピーする。
2. 下の担当者の名前を入力。担当は「デイケア」や「共同作業」等でも良い。
3. 一日の流れをイメージし、左側に大体の時間と家事を入力。時間が特に決まってない週間家事はその他の家事欄へ。
4. 家事のうち、一番負担の軽いものをみつけ、負担度=1と入力。
5. その他の家事の負担度をステップ3の家事の何倍に相当するかを概算して入力。
6. 各家事の担当者を曜日ごとにすべて入力。
7. 右側の合計点で各担当の負担を確認しながら、一番よい分担を話し合う。
8. 必要な場合は、行番号を右クリックして行を挿入・削除可能。

利用には、最低限のスプレッドシートスキルが必要になります。計算が面倒ですが、紙で手計算するのも不可能ではないです。エクセルなどのスプレッドシートスキルは仕事をしているパートナーが習得している方も多いでしょうし、家計など仕事以外でも便利なスキルなのでこの際勉強してみるのも良いかも知れません。

共有する問題を一緒にみつめて話し合う

このワークシートは、出来上がったものをきっちり守ることよりも、話し合って納得する過程が大事なのです。子供が駄々をこねる声で頭がガンガンしながら、洗濯物の山を畳んでいるところを想像してみてください。そこに夫が仕事から疲れて帰ってくる。我慢を重ねて来たけれど、とうとう堪忍袋の緒が切れて「あなたも少しは手伝ってよ。」と言ってしまう。その後どうなるかは書かなくても良いでしょう。

二人がそこまで疲れていないとき、互いを睨んで言い合うのを少しやめ、同じ紙・画面に向かってみましょう。そして家庭を健全に回していくために必要な作業を一緒に一つ一つ書き出してみます。それぞれの家事を自分が担当したら、どのくらい時間的、肉体的、精神的にしんどい作業なのかを話し合ってみます。その際、家事だけでなく、通勤や会社での流れとストレスについて話すのも助けになるでしょう。

このワークシートを使って話し合ってみると、お互いの意外な所が見えてきます。例えば私の場合、料理もするし、皿洗いも苦にならない。でも、洗濯物をたたむ作業だけは我慢できない。妻はそんなことないので畳むのは妻の仕事と話し合いが付きました。こうした話し合いがあると、私が担当の洗濯物で乾燥機にかけられない妻の衣類が多くて文句がでそうな時も、「でも妻は私が嫌いなたたむ作業やってくれてるからなぁ。」と我慢できる。相手にも同じ場面があるでしょう。

面倒がらずに、同じ問題を一緒に見つめる。言葉にする。可能ならば数字化してみる。測ってみる。ビジネスライクで乾いた作業のようですが、やってみた後には、お互いが見えないところでこんなに頑張っていたことを再認識するきっかけになると思います。そしてビル・ゲイツのように「水曜と木曜の送り迎えなら私もできるよ。」という創造的な解決法の糸口になるかも知れません。

最後に、「いつもありがとう。愛しているよ。」と声に出していうのも忘れずに。

このワークシートがそういった会話のきっかけになり、ストレスの少し減った家庭が増えれば、私は幸せです。そして、負担のアンバランスが解消されることで増えたエネルギーや時間が、仕事や生きがいに注入されることを願います。一緒に生き生きとした家庭と社会をつくりましょう!

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