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リハビリテーション
砂原茂一著、岩波新書1980
日本におけるリハビリテーションの流れや世界での障害者に対する社会の変遷から、人権や社会のあり方について考えさせられる良書です。
本書の発行は、1980年と現代におけるリハビリテーションの実際や法体系とは異なる部分も存在します。
しかし、リハビリテーション自体の理念やリハビリテーションの分野においては、その始まりがより理解出来るでしょう。
また、40年以上前にもかかわらず、治療の限界を問い、リハビリテーションは今後の医学に普遍的な目標とされなくてはならないと述べ、その先見性には驚きます。
そして、決して色褪せない点は、世界で障がい者にどのように人々/社会が対応してきたのかについても述べられています。
また、世界のリハ医の言葉や理学療法や作業療法の始まりや、日本に普及していく流れについてもとても分かりやすく書かれています。
”レオニド・メーヨーは、リハビリテーションは第一に哲学であり、第二に目標であり、第三に技術であると言った。”
最後に、人権とリハビリテーションの本質という重要なテーマが。
社会復帰、就労、納税者となるなど、リハビリテーションの目標や実践で良く語られることですし、目指されることです。
しかし、それが難しい人に対してはどうだろうか。
自分らしく生きる権利の回復であるリハビリテーションにおいて、自分らしさや意識についての確認が難しい様な最重度の方ではリハビリテーションはどのように成立するのだろうかということを、先人の言葉を借りながら紡いでいます。
”クルクホルンらは、リハビリテーションの目標を「なすこと」(doing)から「あること」(being)に移すべきであるとしたのである。経済的能力、経済的寄与にしか人生の終極の価値を認めないアメリカ的人生観では、重度者は心は休まる時はない。”
リハビリテーションとはは、いわば人権の回復との述べられ、人権について私たち一人ひとりに問われています。
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