#28 パンについての愛を語る
昔から、パンに目がない。だいたいわたしの家では、朝ご飯に出てくるのはご飯7割、パンが3割くらい。どちらかというと、パンの方が好きだった。だから、食卓にパンが並べられた時には、それだけで気がつけば鼻歌を歌っていた。
香ばしく、焼きたてのパンはほんのり甘くてどこか夢心地になる。マーガリンやらジャムやらが並べられる。わたしはいつも、食パンには隅から隅までジャムをつけていたのでよく父に咎められていた。薄ぼんやりと、自宅で母親がいつだったかホームベーカリーを買って、しばらく家で作