債券・金利の基礎知識(まとめ1)
これまでに出した「金融リテレシークイズ」その1から4をまとめてみました。いくつ正解できましたか?ただしこれはあくまで初歩的な問題です。仮に全問正解しても、まだ国債や財政を論じていいレベルには到底達しないので、ゆめゆめ、勘違いされませんようにお願いします。
(その1)債券の基礎
問1 債券の「利回り」と「利率」は・・・
A. 同じ
B. 違う
どちらでしょう?そして、その意味も説明してみてください。
問2 市中金利が上がると、すでに発行されている債券(固定利付)の価格は・・・
A. 上がる
B. 下がる
C. 変わらない(影響はない)
問3 市中金利が上がると、新規に発行される国債の利率(クーポン)は、通常・・・
A. 上がる
B. 下がる
C. 変わらない(影響はない)
問2との違いは「既発債」か「新発債」。そして聞かれているのは「価格」と「利率」です。混乱しないで答えられるかな?
問4 ある有価証券(国債も含む)の需要を供給が上回ると、その価格は・・・
A. 変わらない(影響はない)
B. 上がる
C. 下がる
(その2)信用リスクとは
問5:「信用リスク」ってどういうリスク?
A. 債券や株式などの価格が変動して損をするリスク
B. 投資家自身の信用がなく投資ができないリスク
C. 債券などの発行体(国債の場合は国)が債務不履行に陥り、元金や利金が投資家に払われないリスク
問6 「信用リスク」の段階をランクで表した「信用格付け」。これを公表しているのは?
A. 格付け機関
B. 各国の政府
C. 各国の中央銀行
D. 証券会社
問7「信用格付け」の例でAAAとBBB-があります。どちらが信用リスクが低いでしょうか?
A. AAA
B. BBB-
問8 日本の長期国債の「信用格付け」は2022年10月現在、以下のどれですか?(信頼性が高い代表的なもの)
A. AAA
B. AA-
C. A+
D. BBB+
問9 日本の長期国債の「信用格付け」は過去20年間の傾向として・・・
A. 横這い
B. 改善傾向
C. 悪化傾向
問10 「長期金利」と言う時、日本では何を指しますか?
A. 10年もの国債の利回り
B. 長期プライムレート
C. 超長期債の利率
D. 日本で発行されている全債券の平均利回り
(その3)信用リスク、年限と利回りの関係
問11 発行日、表示通貨や償還期限など、他の条件が同じ場合、利回りが高いのは一般にどちらの債券ですか?
A. 信用格付けがAAAの債券
B. 信用格付けがBBBの債券
C. 信用格付けと利回りは関係ない
問12 問11の関係は、通常、異なる国の国債の間にも当てはまりますか?
A. 当てはまる
B. 当てはまらない(国債は別扱い)
問13 同じ発行体(企業や国)が発行する同じ通貨建ての債券で、通常はどちらの利回りが高いですか?
A. 10年ものの債券
B. 1年ものの債券
C. 同じ(年率換算)
問14 これから景気が悪くなりそうで、物価は安定しています。その場合、通常は、
A. 長期金利は下がる
B. 長期金利は上がる
C. 景気は長期金利の変動に関係ない
問15 問13で述べた債券の償還までの「長さ」と利回りの関係は一定していますか?
A. 一定している
B. 逆転することもある
C. 長さによって違いはないので変化はない
(その4)社債についての問題
問16 A社が発行する社債と、株式があります。景気がよくなり、A社の収益が前の決算期より改善しました。その時、既発*の社債の利金と株式の配当金は?
A. 変わらない
B. 両方増える
C. 社債の利金はそのまま、株式の配当金は増える
D. 社債の利金は減り、株式の配当金は増える
*既発とは、発行済という意味で、新たに発行される「新発」と対比させた言葉です。
問17 景気が悪くなり、A社の収益が悪化しました。市中金利は下がっています。その時、既発の社債の利金と株式の配当金は?
A. 変わらない
B. 両方減る
C. 社債の利金はそのまま、株式の配当金は減る可能性がある
D. 社債の利金は増えるが、株式の配当金は減る可能性がある
問18 A社の収益はさらに悪化し、資金繰り難に直面して倒産(解散)することとなりました。A社には売却可能な在庫や施設があります。その後、既発の社債と株式の保有者への返金は?
A. 会社が清算した後の金額が公平に保有者に分配される
B. 社債の保有者にはある程度の返金が期待されるが株式の保有者には期待できない
C. 社債の保有者にも、株式の保有者にも全く返金されない
D. 社債の利金と株式の配当金のみが支払われる
問19 日本の長期国債と同じ信用格付けで同じ年限、同じ発行日の社債があったとします。その場合、国債と社債の利回りは?
A. 同じ
B. 国債の方が高い
C. 社債の方が高い
D. 金利環境によって国債が高い場合も、社債が高い場合もある
問20 A社のように、経営が上手くいっていた時に発行した社債が、のちに経営悪化となった場合、その社債の利回りは同じ年限の国債に比べて、どう変化しますか?
A. 経営状態によって変わることはない
B. より利回りの違いが大きくなる
C. より利回りの違いが小さくなる
D. もともと利回りの違いはないので、同じ
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?