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第24号 視覚皮質の刺激による文字の認識、将来的にブレインテックに関わりたい場合、大学院は理論系と実験系のどちらがオススメでしょうか?

// 2021年10月30日 第24号
// 1. 今週の注目ニュース:視覚皮質の刺激による文字の認識
// 2. 質問コーナー:将来的にブレインテックに関わりたい場合、大学院は理論系と実験系のどちらがオススメでしょうか?

こんにちは、東京大学の池谷裕二研究室で脳・老化・人工知能の研究をしている紺野大地です。

少し前ですが、カンデル神経科学が電子化されましたね。
神経科学のバイブルで、(初期)研修医2年目に診療の合間を縫って半年間読み続けたのは良い思い出です笑
流石に持ち運ぶには重すぎるので、電子化はとても嬉しいです!

では、今回も始めていきましょう!

1. 今週の注目ニュース:視覚皮質の刺激による文字の認識

今回取り上げるのは、
「剣山状の電極で視覚皮質を刺激することで文字を認識できた」という、脳への情報書き込みにダイレクトに取り組んだ論文です。

脳を理解するうえで、脳情報の「読み取り」と「書き込み」が非常に重要になること、そして「読み取り」の研究は飛躍的に進んでいる一方で、「書き込み」はまだまだ先が長いことを以下のnoteなどで主張してきました。

そんな中、「脳情報の書き込み」に関する研究も少しずつ進展しているというニュースもちょこちょこ耳にします。

(この論文について取り上げたnoteは以下になります。)


今回紹介する論文は、「脳への情報書き込み」について、この先何度も参照されるようになるのではないかと考えています。

また、論文後半では、彼らが"Bioinspired Artificial Retina"と呼ぶテクノロジーにつながる実験にも着手しており、将来性が非常に大きい研究だと思います。

"Bioinspired Artificial Retina"のイメージ図


では、さっそく内容を見ていきましょう。

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