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第21号 脳への電気刺激で世界を"視る”(後編)、将来は老化研究に携わりたいのですがどんな学部に進むべきでしょうか?

// 2021年9月26日 第21号
// 1. 今週の注目ニュース:脳への電気刺激で世界を"視る”(後編)
// 2. 質問コーナー:将来は老化研究に携わりたいと思っているのですが、どんな学部に進むべきでしょうか?

こんにちは、東京大学の池谷裕二研究室で脳・老化・人工知能の研究をしている紺野大地です。

LIFE SHIFTの続編「LIFE SHIFT 2」が10/29発売予定とのことです。
思い返せば、2016年に発売した前作のLIFE SHIFTを読んだのは初期研修医2年目の秋でした。
この時点で私は臨床医としてのキャリアに悩んでおり、大学院への入学を検討し始めていた時期でした。

この本を読んだことで、「20代は自分が本当に興味が持てることを探す時期にあてても良いのではないか」と思えるようになり、結果的に2018年4月から大学院へと入学しました。
その後も折に触れて何度も読み返している、思い出深い一冊です。

前冊時には予想もできなかった現在のCOVID-19下の世界をふまえて、著者らがどんな未来を描くのか、読むのが今からとても楽しみです😊


では、今回も始めていきましょう!

1. 今週の注目ニュース:脳への電気刺激で世界を"視る”(後編)

今号では前号に引き続き、「脳への電気刺激で世界を"視る”」というテーマを考えてみます。


前号では主に「脳への視覚情報の書き込み」の歴史について確認しましたが、今号ではこの分野の最新研究として、2020年に発表された驚きの研究を紹介していきたいと思います。

それは、「視覚野に線をなぞるように電気刺激することで、脳で文字を”読む”ことができた」という研究です。

以下で、より詳しく見ていきましょう。

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