第59号 メッシュ電極による神経活動記録、行って良かった旅行先とこれから行きたい旅行先を教えてください
// 2022年10月16日 第59号
// 1. 注目ニュース:メッシュ電極による神経活動記録
// 2. 質問コーナー:行って良かった旅行先と、これから行きたい旅行先を教えてください
こんにちは、東京大学の池谷裕二研究室と松尾豊研究室で脳や人工知能の研究をしている紺野大地です。
アラヤの金井良太先生率いるムーンショットプロジェクトで、
「日本発の新たなBrain Machine Interface」を生み出すとのことです。
個人的に非常に期待しており、今後も情報を追っていきたいと思います!
では、今週も始めていきましょう!
1. 今週の注目ニュース:メッシュ電極による神経活動記録
今回扱うのは、
「メッシュ型の電極を用いて神経活動を記録する手法を開発した」という2015年の研究です。
この研究で提案されているメッシュ型電極は、従来とは全く異なる手法となっています。
いったいどんな内容でしょうか?
背景
そもそも神経活動を記録するためには、以下のような手法が存在します。
(以下の図は、主に「人間の」神経活動記録方法です。)
この図を見ても分かるとおり、それぞれの手法は一長一短であり、全てに優れるような理想的な記録手法はないのが現状です。
これまでBrainTech Reviewでは新しい神経活動記録手法を数多く扱ってきました。
第19号 ブレインテック企業Kernelが画期的な非侵襲脳記録デバイスを発表(磁気を用いた記録)
第23号 脳を半導体に"コピー&ペースト"する(CMOSナノ電極アレイを用いた記録)
第34号 ブレインテック企業Synchronの可能性を考察する(前編)(血管内電極を用いた記録)
第40号 非侵襲脳活動記録のキラーデバイス候補Kernel Flowを深掘り(近赤外光を用いた記録)
第49号 脳深部から高い精度で神経活動を記録する手法(定位頭蓋内電気生理記録を用いた記録)
第53号 超音波で神経活動を記録する画期的な手法(超音波+マイクロバブルを用いた記録)
これらの手法に比べて今回紹介するメッシュ型電極は、侵襲性は高いものの高い時空間解像度を実現でき、今後の進歩次第では同時記録範囲も期待できそうです。
以下で詳しく内容を見ていきましょう。
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