第34号 ブレインテック企業Synchronの可能性を考察する(前編)、どのようなアプリケーションが生まれれば脳波取得が大衆に広まりますか?
// BrainTech Review
// 2022年2月13日 第34号
// 1. 今週の注目ニュース:ブレインテック企業Synchronの可能性を考察する(前編)
// 2. 質問コーナー:どのようなアプリケーションが生まれれば、脳波取得が大衆に広まりますか?
こんにちは、東京大学の池谷裕二研究室で脳・老化・人工知能の研究をしている紺野大地です。
先日、ようやく英語論文リバイスと博士論文の再々提出がひと段落しました!
確定申告など、片付けなければいけない事務作業がいろいろ溜まっているので、一つ一つやっていこうと思います…
ちなみに、31歳になりました。
簡単な近況報告を書いたので、見ていただけると嬉しいです😊
では、今週も始めていきましょう!
1. 今週の注目ニュース:ブレインテック企業Synchronの可能性を考察する(前編)
今号と次号で取り上げるのは、2021年2月にブレインテック企業Synchronから発表された、
「ステント型電極(ステントロード)によるBrain Machine Interfaceを、世界で初めて人間に適用した」という論文です。
(Synchronは脳血管内に留置するステント型電極で有名ですが、ようやく論文をしっかり読むことができました。)
さて、いったいどんな内容の論文なのでしょうか?
「すごい点」だけでなく、「微妙な点」や「気になる点」についてもいつもよりさらに細かく考察しているので、ぜひご一読いただければ嬉しいです😊
(なお、書き始めたらだいぶ長くなってしまったので、ひとまず今号では論文の前半部分について解説したいと思います。)
では、さっそく見ていきましょう。
背景
まずSynchronについて簡単に説明します。
Synchronは2016年にアメリカで設立されたブレインテック企業で、ステント型電極(ステントロード)を用いたBrain Machine Interfaceという独自のポジションを取っていることが特徴です。
そもそもSynchronがステント型電極(ステントロード)に取り組んだ理由として、
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