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第53号 超音波で神経活動を記録する画期的な手法、精神保健指定医の取得はBMI研究に有用でしょうか?

// 2022年8月21日 第53号
// 1. 注目ニュース:超音波で神経活動を記録する画期的な手法
// 2. 質問コーナー:精神保健指定医の取得はBMI研究に有用でしょうか?

こんにちは、東京大学の池谷裕二研究室と松尾豊研究室で脳や人工知能の研究をしている紺野大地です。

お盆は実家の山形県に帰省していました。
何度帰っても山形県は素晴らしいところなので、ぜひ皆さん旅行に来てください😊

では、今週も始めていきましょう!

1. 今週の注目ニュース:超音波で神経活動を記録する画期的な手法

今回扱うのは、
「超音波とマイクロバブルを組み合わせることで、6.5μm, 1秒の時空間解像度でラットの全脳の血管を非侵襲的に記録できる手法を開発した」という研究です。
(※ 下記ツイートで、マウスとラットを間違えていました。本研究は「ラット」で行われたものになります。大変失礼いたしました。)

空間解像度、同時記録領域、非侵襲性のいずれも素晴らしく、幅広い応用が期待できそうです。
いったいどんな内容でしょうか?

背景

そもそも神経活動を記録するためには、以下のような手法が存在します。
(以下の図は、主に「人間の」神経活動記録方法です。)

神経活動記録手法のまとめ図
(出典を明記いただければご自由にお使いいただいて大丈夫です!)

この図を見ても分かるとおり、それぞれの手法は一長一短であり、全てに優れるような理想的な記録手法はないのが現状です。

そんな中、今回紹介するマイクロバブルと超音波を組み合わせた記録手法では(ラットではありますが)空間解像度、同時記録領域、非侵襲性のいずれも素晴らしく、幅広い応用が期待できそうです。

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