小沼大地@クロスフィールズ

NPO法人クロスフィールズ代表 http://crossfields.jp/ 青年海外協力隊(シリア)、マッキンゼーを経て創業。新公益連盟・JANIC理事。 『働く意義の見つけ方―仕事を「志事」にする流儀』http://amazon.co.jp/dp/4478025185

小沼大地@クロスフィールズ

NPO法人クロスフィールズ代表 http://crossfields.jp/ 青年海外協力隊(シリア)、マッキンゼーを経て創業。新公益連盟・JANIC理事。 『働く意義の見つけ方―仕事を「志事」にする流儀』http://amazon.co.jp/dp/4478025185

    最近の記事

    ケニアで見たスタートアップによる社会課題解決の可能性と限界

    先週、クロスフィールズが主催する企画で、スタートアップの経営者や大企業の方々など総勢20人とともにケニアを1週間訪れた。多くの学びがあったが、その一部を「社会課題解決をめぐる潮流」という観点で自分なりにまとめてみたい。 Fintechによる貧者のエンパワーメント 僕が前回ケニアを訪問したのは2007年頃だ。15年以上ぶりの訪問ということで、当然ながら多くの変化を目の当たりにした。 まず目についたのは物理的なインフラの大幅な改善だ。当時はなかったような高層ビルが多数立ち並

      • 社会課題解決の主役はNPOよりもスタートアップなのだろうか?

        少し前の話になるが、22年9月号のForbesはかなり衝撃的な特集だった。 これまで「社会課題解決の担い手」が特集される際には、NPO/NGOやソーシャルビジネス(社会的企業)のリーダーが主役のことが多かったように思う。だが、いまやその座がスタートアップの経営者たちへと移行したかのようなForbesの打ち出し方は、否応なしに時代の変化を感じさせるものだった。 僕がNPOの世界に足を踏み入れた約20年前、「社会課題解決」はある意味NPO/NGOの専売特許のような領域だった。

        • ”SX”への期待と強烈な違和感を、NPOの立場から語ってみた

          最近、SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)なる言葉が話題だ。すでにバズワード化しているDXと並んだ文字ズラの良さもあってか、2021年頃から関連書籍も続々と出版され、様々なシーンで目にする機会が増えている。   結論から言ってしまうと、このSXという概念、これからの社会がSDGsの掲げる世界観を体現していく上でビジネスセクターとソーシャルセクターの両方にとって重要なキーワードになると感じている。   一方、SXをめぐる昨今の動きには、強烈な違和感や危機感も持って

          • PTAでのDX推進の副反応(新年度からPTA活動に関わる方々への申し送り)

            令和3年度の1年間、小学2年生の娘が通う地元の公立小学校のPTAの副会長を務めさせてもらった。個人的にも多くの気づき・発見・学びがあって、とても楽しく充実した時間だった。役員としての任期を終えるにあたり、ちょっと思うことがあったので、少しここに書いてみたい。 PTA活動でも爆速で推進されるDX世間ではDXの推進が叫ばれているが、PTA活動もその例外ではない。特にコロナ禍において、全国的にPTA活動のDXが加速しているように思う。たとえば、うちの小学校では、この1-2年のうち

            日本におけるソーシャルビジネスの歴史と展望(を好き勝手に語ってみる)

            ここ最近、「SDGs」や「新しい資本主義」に対する世間の注目や関心の高まりに伴って、ビジネスを通じて社会課題を解決する「ソーシャルビジネス」という概念にも再びスポットライトが当たっているように感じる。 そんな背景もあってか、光栄にも「ソーシャルビジネスの歴史について文章を寄稿をして欲しい」と、国際協力NGOセンター(JANIC)が外務省の事業として発行している「NGOデータブック2021」でのコラム執筆の依頼が舞い込んだ。 珍しく真面目に文献にもあたりながら、ソーシャルビ

            ビジョン刷新に込めた想いと、リブランディングの舞台裏

            創業10年目を迎えた僕たちクロスフィールズは、2022年2月24日にビジョン・ミッションの刷新を発表する。これに伴って、こだわり抜いた特設サイトを日本語・英語の両方で制作したので、ぜひご覧頂きたい。 この刷新と変革のプロセスには、実に1年2ヶ月の時間がかかった。チームとしても僕自身としても、時間的にも精神的にも相当なコミットをした。大げさではなく、魂を込めた想いが結晶化したような感覚だ。 今回の記事では、前半で新たなビジョン・ミッションに込めた僕たちの想いをお伝えし、後半

            NPO経営者としての10年の旅路を6000字で振り返る

            今日2021年5月3日で、NPO法人クロスフィールズは創業10周年を迎えた。自分としても、NPO経営者としてのキャリアを始めて10年が経ったわけだ。 尊敬するNPO法人かものはしプロジェクトが2012年に10周年を迎えたとき、創業2年目の自分たちには遠い遠い世界の出来事だと感じたのを、いまも鮮明に覚えている。でも、いよいよその日が来た。 いま、どんな心境なのか。 正直、もっと感慨深いのかなと思っていたし、何かしらをやり切った感とかがあると思っていた。でも、感慨深さなど微

            あれから10年。シリアと東北への想い、葛藤、願い。

            2011年3月には、多くの生涯忘れられない出来事があった。 今から10年前の今日、日本を東日本大震災が襲った。ちょうどその日は、僕が起業することを決意し、前職の会社を退職して独立した日でもあった。その4日後の2011年3月15日には、僕が青年海外協力隊として約2年を過ごしたシリアで、今も続く内戦の契機となる民衆デモが始まった。 あれから10年。 この10年間を振り返ると、僕は仲間たちと起ち上げた組織の経営に、文字通り、全力を尽くしてきた。その点においては、一点の曇りもな

            売上がゼロになったコロナ禍の絶望からどう這い上がったか

            いち個人として、いち経営者として、2020年は本当にしんどい年だった。 新興国に人を派遣することを主たる事業にしている僕たちクロスフィールズは、世間に数多くいる事業者のなかでも最も打撃を受けた事業体の1つだったように思う。実際、今年はこれまでの人生でいちばん「大丈夫?」「生きてるか?」と心配の声をかけて頂いた年だった。 結論から言えば、まだまだ渦中にはいるものの、団体存続の危機といった状況はなんとか乗り越えることができた。本当にしんどかったこのプロセスで得た学びを、心配し