小沼大地|クロスフィールズ代表
記事一覧
30代後半からの人生を豊かにする「複数形な生き方」のススメ
もう1ヶ月ほど経ってしまいましたが、先日、42歳の誕生日を迎えました。
かつては「若手起業家」とか言われていた自分も「見事なオッサン」になっったわけですが、実はいま、意外にも過去もっとも充実した日々を過ごせています。20代や30代に感じていた充実感とはまったく違う質感の、「日々を大事に過ごせている」実感があるのです。
40代になる手前にはいわゆる「ミッドライフ・クライシス(中年の危機)」も経験
"ソーシャルイノベーション先進国"インドから日本が学べること
2024年2月、大企業の役職者やスタートアップの経営者たち総勢20人とともにインドを1週間訪れた。クロスフィールズが主催するSocial Innovation Missionというプログラムで、ムンバイやバンガロールといった都市やアルワンドといった農村部を訪問し、現地のNGOやスタートアップのリーダーたちとの対話を重ねた。
僕はインドには過去10回ほど訪れているが、前回の訪問は2020年1月だっ
【韓国訪問記】 深刻な社会構造とソーシャルセクターの驚くべき変化
2023年7月、約4年ぶりに韓国を訪問した。主に孤独・孤立の課題に取り組む団体同士の学び合いを目的とした2泊3日の短い視察だったが、韓国社会の現状やソーシャルセクターの動きなどについて多くの学びがあった。今回の記事では、そこでの気づきを書いてみたい。
※ 本視察は国際交流基金の助成事業としてクロスフィールズが企画実施したもので、むすびえ湯浅誠代表、新公益連盟白井智子代表、クロスフィールズからは僕
「NPOにとっての成長」を考え抜いた結果、「規模の成長」は手放した話
今回は「NPOにとっての成長」というテーマで、自団体で長年考えてきたことや、最近になって行った意思決定などを紹介しながら、少し経営っぽい話を書いてみたい。
はじめに 〜揺らぐ「成長」の定義〜社会の分断や気候変動の深刻化などを受け、ここのところ、いよいよ資本主義のあり方に対する議論が国内外で盛り上がっている。数年前に話題になった斎藤幸平さんの『人新世の「資本論」』では、成長を前提とした資本主義とい
ケニアで見たスタートアップによる社会課題解決の可能性と限界
先週、クロスフィールズが主催する企画で、スタートアップの経営者や大企業の方々など総勢20人とともにケニアを1週間訪れた。多くの学びがあったが、その一部を「社会課題解決をめぐる潮流」という観点で自分なりにまとめてみたい。
Fintechによる貧者のエンパワーメント
僕が前回ケニアを訪問したのは2007年頃だ。15年以上ぶりの訪問ということで、当然ながら多くの変化を目の当たりにした。
まず目につ
社会課題解決の主役はNPOよりもスタートアップなのだろうか?
少し前の話になるが、22年9月号のForbesはかなり衝撃的な特集だった。
これまで「社会課題解決の担い手」が特集される際には、NPO/NGOやソーシャルビジネス(社会的企業)のリーダーが主役のことが多かったように思う。だが、いまやその座がスタートアップの経営者たちへと移行したかのようなForbesの打ち出し方は、否応なしに時代の変化を感じさせるものだった。
僕がNPOの世界に足を踏み入れた約
PTAでのDX推進の副反応(新年度からPTA活動に関わる方々への申し送り)
令和3年度の1年間、小学2年生の娘が通う地元の公立小学校のPTAの副会長を務めさせてもらった。個人的にも多くの気づき・発見・学びがあって、とても楽しく充実した時間だった。役員としての任期を終えるにあたり、ちょっと思うことがあったので、少しここに書いてみたい。
PTA活動でも爆速で推進されるDX世間ではDXの推進が叫ばれているが、PTA活動もその例外ではない。特にコロナ禍において、全国的にPTA活
日本におけるソーシャルビジネスの歴史と展望(を好き勝手に語ってみる)
ここ最近、「SDGs」や「新しい資本主義」に対する世間の注目や関心の高まりに伴って、ビジネスを通じて社会課題を解決する「ソーシャルビジネス」という概念にも再びスポットライトが当たっているように感じる。
そんな背景もあってか、光栄にも「ソーシャルビジネスの歴史について文章を寄稿をして欲しい」と、国際協力NGOセンター(JANIC)が外務省の事業として発行している「NGOデータブック2021」でのコ
NPO経営者としての10年の旅路を6000字で振り返る
今日2021年5月3日で、NPO法人クロスフィールズは創業10周年を迎えた。自分としても、NPO経営者としてのキャリアを始めて10年が経ったわけだ。
尊敬するNPO法人かものはしプロジェクトが2012年に10周年を迎えたとき、創業2年目の自分たちには遠い遠い世界の出来事だと感じたのを、いまも鮮明に覚えている。でも、いよいよその日が来た。
いま、どんな心境なのか。
正直、もっと感慨深いのかなと