パーパスブランディングとは?その意味と注目されている理由を語ります!
最近、パーパスブランディングという言葉を、ネットなどで見かけるようになりました。
とはいえ「パーパスってよく聞くけど、何のことなの?」と、思っている方も多いのではないでしょうか。
今回は、そんなパーパスとパーパスブランディングについて、本気で語らせていただきます!
パーパスブランディングとは何か?
まずはパーパスについて簡単に説明させていただきます。
パーパス(Purpose)とは、目的、意図、目標、趣旨などと訳される英単語で、「何かが存在する理由」といった意味を持ちます。
パーパスブランディングのパーパスとは、〝会社の社会的な存在意義〟のことを指します。
・企業が社会にどういった貢献をしていくのか
・企業が社会の中でどういった役割を果たして存在するか
などを表すのがパーパスになります。
そして、そのパーパスを可視化し、社外・社内のあらゆる接点を持つ人に認知してもらう事がパーパスブランディングです。
〝売る〟を目的とした従来の〝ブランディング〟とは違い、自分たちが何のために存在するのかを宣言した概念が〝パーパスブランディング〟となります!
パーパスに似た言葉でコーポレートアイデンティティがあります。
コーポレートアイデンティティとは、会社が設定した理念や行動指針のことです。
パーパスとコーポレートアイデンティティ、どちらも会社が目指す存在意義で概念は似ていますが、意味合いは異なります。
パーパス…今働いている人が持っている共通概念
コーポレートアイデンティティ…パーパスを根本に明文化した企業姿勢
今企業で働いている人の考え方や総意がパーパスで、それが根っこにあって企業自体の姿勢や理念として言語化したものがコーポレートアイデンティティであるという関係性になります。
パーパスとミッション・ビジョンは何が違うのか?
ここまで、パーパスについて簡単に説明して来ましたが、巷には、パーパスに似た言葉がたくさんありますよね。
パーパスだけでなく、理念やミッションやビジョンなどなど…。
これらの違いがよくわからないと思っている方も多いでしょう。
そもそも大前提として、パーパスも理念やミッション・ビジョンに掲げる言葉は、結局のところは何でも良いのです!
パーパスも企業に働く社員の総意なので、会社に対する働く人の姿勢が伝われば、形にこだわらなくても大丈夫です。
パーパスや理念、ミッション・ビジョンも、その会社が目指すテーマであれば、例えば〝金儲け〟みたいなものでもOK!
しかし、いくら〝金儲け〟がパーパスです!ミッションです!と言われても、そのサービスを購入しようとする人はなかなかいませんよね(笑)
お客様や社会に対して、
「我々はこういうことで貢献します!」
という想いを掲げないと、共感は得られません。
そうなると、パーパスは社会的な存在価値と言えるのではないでしょうか。
しかし、そんなパーパスやパーパスブランディングが、なぜ今になって日本で話題になっているのでしょうか?
2020年から目にするようになり、2021年に更に注目された様に思います。今年は、特に多くの書籍が出ましたね。
ただ、私としてはパーパスがはっきり打ち出せている企業は、まだまだ日本には少ないと思います。
実はヨーロッパなど諸外国の企業では、パーパスが当たり前のように必ずあるのです。
ヨーロッパなどの諸外国では、パーパスや理念が最初に出てこない商売は「もうビジネスではない!」というくらい大切にされています。
「想いがないやつは、第一線に出てくるな!」という白い目で見られてしまうくらいです。
しかし、諸外国とは違い、なぜか日本ではそれほど大事にされていませんでした。
特に中小企業で、その傾向が強くあるように思います。
なぜ、日本では大事にされないかというと…、単純に面倒くさいのではないでしょうか(笑)。
パーパスもそうですが、ミッション・ビジョンなどを打ち出すには、自分が今までやってきた事業や仕事を振り返らないといけない…。
今までのことを見つめ直す作業は面倒ですよね。
また、パーパスやミッション・ビジョンを打ち出すには経営者だけでなく、社員など会社全体を巻き込まなくてはいけないので、事業に影響が出てくるかもしれません。
そんなことをするには経営者自身も忙しいし、社員も忙しい…。
だから面倒!と日本企業は考える傾向が強いようです。
中小企業を経営している一個人としては、その気持ちもわからないでもないですが…。
やはりそれは、間違っている様に思います。
とはいえ、私も20~30代の若い頃、仕事に突っ走っていた時期もありました。パーパスやミッション・ビジョンなんか考える余裕はありませんでした(笑)
仕事は何でも引き受けて、自分が何者かわからないまま目先の業務をこなし、そうやって実力やキャパシティをつけていく。
何者かわからないから一生懸命頑張ることができる、というところもあったかもしれません。
やみくもに頑張って、会社がだんだん大きくなり、知らない間に社員が増えていく…。
そうやって会社の規模が大きくなっていくと、次の世代が入ってきた時に、疑問や不安がすごく出て来るようになります(笑)。
「この会社はどこを目指しているんだ!」と…。
本来なら、疑問や不安が出て来る前に対処するのが一番良いのですが、すぐに動ける経営者はなかなかいません。
それには、日本人にある独特の〝語らない美学〟も原因なのでしょう。
本当は伝えても可視化もしていないのに、
「言わなくても、わかっているでしょ?!」
という傾向って、昔からありますよね…(笑)
面倒だから手を付けない。手を付けないから放置される…。
そうやって、会社設立から数年経った頃に、慌てて「何とかしたい!」とリブランディングしてパーパスを考える…。
それが日本企業の、少し前までの状況と言えるでしょう。
パーパスが〝今〟取りざたされているのには理由があった!
ただ、最近の若手経営者たちは、企業や組織作りへの考えが変わってきたような気がします。
明らかに、パーパスを大切にする人たちが増えているのです!
若手経営者ほど、パーパスを早くに作り上げ、ブランディングを専門的に早く実行する傾向があります。
これは良い傾向だと私は思います!
若手経営者たちがパーパスやブランディングを大切にして、早く実行するのはとても素晴らしいことです。
今の40代以下は働く意義を大切にする特徴があります。
仕事は衣食住を満たすだけではなく、自分の成長ややりがいを満たしてくれるものと、思う傾向にあります。
ミレニアル世代の49%は、給料が下がったとしても社会的信念のある企業で働きたいというデータもあるほどです。
また、若手経営者たちがパーパスやブランディングを大切にし出した理由には、SNSの普及もあるのでしょう。
SNSが普及する前、情報を発信するのは企業という大きな単位で、主にテレビなどのマスメディアを使用していました。
しかし、SNSの普及によって、個人による発信が主流になり、その影響力も強くなりました。
個人の発信力が強くなったからこそ、若手経営者たちは自分の生き方や働き方に強くこだわりを持つことが多くなりました。その結果、過去に作られたコーポレートアイデンティティだけでは、合わなくなってきていると考えます。
それよりも、今働いている人が持っている共通概念であるパーパスが合っているのでしょうね!
最初に言いましたが、パーパスとは会社の社会的な存在意義のこと。
存在意義は表に出ることによってどんどん磨かれ、その意義は確かなものになっていきます。
その会社の存在意義を早く立ち上げることは、会社にとっても経営者にとっても非常にメリットのあることなのです。
・ ・ ・
今回はパーパスとパーパスブランディングについて、語らせて頂きました。
しかし!パーパスブランディングの世界は奥が深い!
ここまで読んでくれた方なら、なんとなくお気づきかと思いますが、パーパスは企業採用にもかなり深く関わってくるものです。
なぜなら、同じ価値観を共有することが、より良い組織作りに欠かせないからです!
次回のnoteでは、この〝採用と組織作り〟という目線から更にパーパスを深く掘り下げていきます。今回語りきれなかった部分を、私の事例も交えて大いに語る予定です!
お楽しみに!
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