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読書感想文「旅猫リポート」

読書家の友人から面白いよ!とオススメされたので読みました。有川浩の書いたロードノベルです。映画化もされています。

色々な作家の本を読むのですが、有川浩は初めて読みました。何故か自ら進んで手に取る作家の選択には入らなかったんですよね。著作が映画化されやすい作家としては石田衣良は好んで読むので、理由は自分でもよく解りません。

ですが、ロードノベルは割と好きで、源孝志の「グレースの履歴」、風間一輝の「男たちは北へ」は大好きな小説です。こう書いていて、読み返したくなってきました。

さて、話は戻りますが、旅猫リポートは猫のナナの引き取り手を探すために飼い主の悟が過去に交流の会った人々に会いに行く、という話の筋です。

話の中で人間の視点の他に猫や犬の動物の視点が入るので、読み手によっては興ざめするのかな、と思います。私は素直に受け入れて楽しめました。

行く先々で悟とナナが出会う人々との会話を通して悟の成長期での出来事を思い起こしていくのですが、有川浩は文章の表現が比較的平易な言葉を選びつつも上手な作家さんのようですね。情景が脳裏に浮かびやすいというのはやはり売れっ子職業作家は違うなと感心しました。
私にはとても真似できません。

半分くらい読み進めたところで話の結末は予測可能なものでしたし、そういう意味での驚きは少ない小説ですが、そうは言っても感情を駆り立てる文章で盛り上げてくるので、最後はちょっと涙が出ました。
サッカー観戦に行く前にスタジアム近くの図書館のベンチで読んでいたので、感極まったオジサンになっていて、今思うと恥ずかしかったですね。

話の詳しい内容はネタバレになるので書きませんが、小学校高学年以上の人なら誰にでもオススメ出来ますし、自分の日常生活からちょっと離れてエンタメとして楽しむなら満足できる作品だと思います。

猫好きな人もそうでない人も手に取って読んでみてはいかがでしょうか?


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