スペアリブ煮込み by ゆかりさん(Tabi:Sara 第1回)
Tabi:Saraはタビサラ。漢字で書くと旅皿。
僕の大好きな、人物写真を撮ること、料理写真を撮ること、人と触れ合うこと、美味しいものを食べること、このすべてを集約した僕のワガママな企画。
僕にとって「旅」に欠かせないのは、写真を撮ること、食べ物、知らない地での出会いだが、お宅にお邪魔して料理を作ってもらい、料理の話を聞きながら写真を撮らせてもらうという、小さな旅。
記念すべき第1回目は大竹ゆかりさん。
友人のお宅での持ち寄り飲み会にお誘いいただいたとき、初めてお会いした夫妻だった。初めてと言っても、その後お会いしていないので、今回お会いするのが2回目となる。
本当は違う料理にするはずが「いつも使っているサイズがなかったので、今回は……」
ということで、今回メインで振舞っていただいたのは、スペアリブ煮込みだ。
本当は、いわしの梅煮をよく作るそうなのだが、今回は良い材料が手に入らず、スペアリブ煮込みを作っていただいていた。
赤いストウブ。ちなみに僕のストウブは同じ大きさの黒。煮込み料理はほぼ、このストウブで作るそうだ。
スペアリブ煮込み
【材料】
豚のスペアリブ 1kg
砂糖 大さじ2
はちみつ(ジャム) 大さじ2
*ジャム使用の場合は砂糖は加減
赤酒 大さじ4
酒 大さじ4
濃い口醤油 大さじ5
水 ひたひたになるくらい
にんにく
しょうが
ブラックペッパー
1 スペアリブを洗って、水に1時間つける
2 ゆでてあくを取る(下ゆで)
3 調味料を入れて圧力鍋で15分。その後煮詰める。
※時間があるときは前日に一時間程(圧力鍋で15分)煮て、スペアリブと煮汁を別に取り保存。余分な脂を取り除く。(冷めても余分な脂がないので、白くならない)
4 盛り付けて、ブラックペッパーをふりかける
ものっすごくやわらかい!
2時間も煮込むとこうなるのか。
水に1時間つけて、下ゆでして、煮込んで2時間。僕にはできない芸当だ。
もちろん味も負けてない。
ものすごくビールが飲みたい。
と、ここで、無いはずのいわしの梅煮が!
これは今回作ったものじゃなく、ちょっと前に作り置きしていたものだそうだ。本来はこっちを今回のメインにしたかったそうだ。
ご主人が大好きで、よく作るそうだが、なるほど、うますぎる。
この甘辛く、さっぱり煮てあるのは間違いない。
日本人に生まれてよかったと思う瞬間だ。
ビールのあとは、日本酒がほしくなる。もしくは白米か。
中骨が少し堅いかもということだったが、僕にはそんなことはなく、すべて美味しくいただけた。
こちらもレシピをいただいた。
いわしの梅煮
【材料】
真いわし 大きめのを25尾
★酢 60cc
★酒 300cc
★水 3000~3500cc
★梅干 大2個
砂糖 100g
濃口醤油 90cc
刺身醤油 40cc
水あめ 25g
1 ★といわし(頭と内臓を取る)を入れて、ある程度骨が柔らかくなるまで煮る。灰汁を取った後、弱火で。(およそ2時間)
2 残りの調味料を入れて、煮詰まって照りが出るまで煮る
ゆかりさんは、普段ケアハウスにお勤めだ。
そこでは調理員さんとして勤務されている。
なんと、1人で50~80人分ほどの食事を作るそうだ。(もちろん交代制で)
当然、食事なので、盆も正月もない。
正月にはお節を。すさまじい量だろう。
そういうことで、家ではお節はつくらない。というより、作る暇がないということだ。
僕も普段の食事は仕事後なので、工夫して時間がかからないようにしているが、ゆかりさんもおそらくそういう工夫を普段からいろいろ考えられているに違いない。
いわしの梅煮も時間がかかるので、一度に多めに作られるそうだ。
僕も今度、このレシピでたくさん作ってみようと思う。
実はこの日、ご主人は休日で、翌日の仕込みを終えて帰宅された。
ご主人は熊本の和菓子の老舗「菓舗 松陽軒」の4代目。
休日だが、明日のお菓子の仕込を午前中にされていた。
ご主人とはダイエットの話で盛り上がったのだが、休日の楽しみのお酒だけは、セーブせずしっかり楽しむという、僕と同じ流派だ。
さっそく、この料理を肴にビールを。車の僕はノンアルビールをいただいて、乾杯。うーん、こんなことなら、車で来るんじゃなかった。
実は、最初にお出しいただいた、他の料理もあった。
「1品紹介をお願いします」ということで打ち合わせしていたのだが、ご主人の宴ということであれば、仕方ない。仕方なくいただこう(うそです)
このサラダの具の種類が多いこと……。
下には水菜が控えている。
これだけで十分1食になる。
味のハーモニーがすごい。くるみが効いている。
何よりも彩り。
なすの揚げだし
1 なすを揚げて、湯にくぐらせて油抜きする
2 だしに漬ける(天つゆ程度の)
※めんつゆでも可
いや、これも優しい味。
僕は2段階で手間のかかる料理はあまりやらない。揚げたらそれで終わり。
こういうのをきっちりできて、しかも美味しい。
この「小料理 ゆかり」には、また日を改めて伺いたいところだ。
冒頭で書いたが、お二人には以前一度だけお会いして、話をしたことがあるが、今回ゆっくり話をすることができて、本当によかった。
やさしい雰囲気のお二人、またお会いしたい。