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芸術で金儲けしていいじゃん

日本人は、芸術的なこと(音楽や絵など)に功利的な考え方を持ち込むのを嫌う。芸術で金儲けをするなど卑しいと考える人がいる。

少し前に、西野カナが中高生に売れる歌詞を作るために取材やインタビュー等をしていると知ったファンが、失望したなどと言っていたらしい。

村上隆は、アートは功利的なものであると言っていたが、その考え方は最近に始まったものではなく、実は昔からそうなのだ。


信長はアートへの投資を行っていたことで有名だ。

彼は茶器を土地の価値より高め、家臣への褒美に茶器を与えた。

土地は限りがあるが、茶器は限りなく作れるため、有能な家臣にいくらでも褒美を与えられる。与える領地がなくなって、領地を他の大名から分け与える心配もないので、不平不満を起こすこともない。

茶道は、信長によって武家社会に広められ、それが茶の湯の最盛期をもたらし、現在に至る。

信長は、名物茶道具を収集し、家臣に披露し、それを褒美で与え、侍たちの茶器に対する価値観を変えたという。しっかりとした戦略があったのだ。

アートに功利的な考えを持ち込んだことが、文化を形成することにつながった良い例であると思う。

僕は、芸術に功利的な考えがあるのは至極当たり前だし、そのような戦略なしには、誰でも描けそうな絵に何億円と値段をつけるわけがないと思う。

「最近流行だから」「すごい人が持ってたから」「みんながすごいと言ってるから」

芸術の価値はそんな感じで上がっていくんだと思う。ただ、それを人々に思わせるには緻密なマーケティング思考があるのだ。

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