なぜ都内マンションの値段は上がり続けるのか
都内の分譲マンションはなぜあんなにも高いのか?
調べてみると、売れ行きが必ずしも良くないエリアでさえ、価格が上がり続けているようだ。そこには需要と供給のバランスという概念では捉えられない現実がある。
どうやらメジャーセブンと呼ばれる大手不動産企業が関係しているようだ。
彼らは首都圏のマンション市場の半分を超えるシェアを持つ。彼らはオフィスビルや物流倉庫など多角的に事業を行っており、業績は好調。分譲住宅の売れ行きが悪くても値下げに走る必要がないのだ。
彼らからすれば、「高い値段でもウチでマンションを買いたいなら買えば?」という感じだろうか。乱暴に言えば、シェアが大きければ値段を好きに決めることができる。
一方、市場に数社しかいないはずなのに低価格競争が起きているのは、牛丼チェーンだ。牛丼チェーン企業が一社でも値下げをしたら、他の牛丼チェーン企業も値下げせざるをえなくなる。そのスパイラルが低価格競争を激化させた。
不動産業界では価格競争は起きずに、高い価格で膠着(こうちゃく)状態にあるのに対し、牛丼チェーン業界では、熾烈な価格競争が起きているのは興味深い。
寡占市場での低価格化競争は禁断の手だ。
誰も幸せにならない結末が待っている。
低価格化によって、牛丼チェーン側は牛丼をより多く売らなければならないので、短期的に売り上げが上がっても結果的にはフランチャイズ加盟店に無理な稼働を強いるようになる。フランチャイズ加盟店が24時間営業に反対するニュースは記憶に新しい。
つまり、低価格化競争は薄利多売になり、利益確保に困窮するようになる。
海外では24時間の店などほぼ皆無だ。僕が住んでいたオーストラリアでも24時間営業のチェーン店なんてマクドナルド以外ない。居酒屋やバー以外の飲食店は遅くとも8時には閉まる。
24時間営業じゃないと経済が回らないなど言っている人がいるが、海外ではそれで経済とやらは回っている。24時間営業がなくても人は生きていける。
根本的な問題は、便利から抜け出せないマインドであると思う。
確かに24時間営業は便利かもしれない。だが、日本特有お客様至上主義の押し付けがましいサービスを追求した先に何が待っているのだ?
誰も求めていない暗い結末ではないのか?
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