ハイスコアガールダッシュ第6巻を読んで、ゲーセンでの大会に思いを馳せる
格闘ゲーマーならば知らない人は居ない、というほどの漫画家、押切蓮介先生の新刊が25日に出ておりまして、しっかり購入&拝読いたしました。
どちらも、90年代から格闘ゲームを嗜み現在スト6をプレイ中の人間に刺さる必読の漫画です。個人的に押切先生は自分と完全に同世代で、アーケードゲームに関してはそのゲーム歴もほぼ同じなんですね。なので、前作ハイスコアガールの時から内容には共感しっ放しです。
舞台は、2007年の「~ダッシュ」
「俺より~」については別記事にしようと思います。
今日はハイスコアガールダッシュ6巻の感想と、これに併せて思いを馳せた当時のことを記そうと思いました。
これは「ハイスコアガール」の続編にあたる作品で、格ゲーブームも下火になっていた頃を舞台に教え子とゲームで交流する格ゲーマー教師・日高小春の物語です。気付けばもう6巻、前作が全10巻でしたからもう、軽い番外編ではなくなっている感じです。
今回、小春ちゃんが教え子たちに指導をして格闘ゲームの大会、「激戦祭」に出るという展開になりました。種目はハイパーストリートファイターⅡ、5人1チームでの大会です。
この「激戦祭」はマンガの中の架空の大会ですが、モデルになっているのは間違いなく「闘劇」だと思われます。最後に開かれたのが2012年、もう12年前になるので馴染みのない方もおられると思いウィキペディアを引用します。
基本、ゲームセンターで開かれる全国規模での格闘ゲーム大会だったんですね。2007年にハイパーストⅡ、がある所も漫画でそのままなぞっています。
私自身はこの闘劇をやっていた間は地元・香川県にいたこともあり基本的にネット、雑誌で結果を知るだけの催しでした。ストⅢ3rdの、地元での予選に一回だけ出たことがあった気がしますが、特に印象に残っていないのでアッサリ負けたんだと思います(笑)。ですが、2009年の大会は本戦を東京まで観戦に行きました。別記事に綴っておりますが失職中だった頃ですね。無印スト4、ストⅢ3rdを観るためにはるばる首都に赴いたわけです。今だから言いますが、「KOF勢」というチームがスト4で優勝したことが地味に悔しかったことを覚えています。
ゲームセンター大会の魅力
今回、漫画の舞台になっている2007年は格闘ゲームは完全に下火になっていた時期で、毎年の大会もタイトルが変わり映えしないな~なんて言われていた時期かと思います。翌年、久しぶりの新作としてスト4が発売、ゲーセンに戻ってくる人達がいて再度、21世紀の格ゲーブームが起こります。
しかし、この頃から家庭用の対戦環境も整備が進み、オンライン対戦でもオフラインと遜色ない対戦が出来るようになっていきます。加えて、配信も文化として浸透が進み、家にいながら大会を観戦できるようにもなっていきます。つまりは、今の形が出来上がってきたんですね。
結果として「格ゲーはまずゲーセンから」という定説も崩れ、スト4の新バージョン、スーパースト4ではついに家庭用が先に発売されるという事態になりました。というか最初はアーケード版の予定がなく、要望が集まって実現した格好だったと思います。
思えば2007年は、格闘ゲームはゲーセン、という90年代からの常識がまかり通っていた最後の年だったのかな、とも感じましたね。あの頃は、家庭用はあくまでも練習用、本番はゲームセンター、という意識がゲーマー達の間にあったと思います。
6月に久しぶりに、ゲーセンでの大会に出てきました。
こちらの記事に書いてますがトラブルに見舞われて大変だったものの、やっぱりゲーセンでの大会は良いなぁ、と思ったのも確かです。
同じゲームをやっている人間同士が集まり、基本的には普段の対戦の延長線上で勝ち残り、勝ち上がりを目指す。ワイワイ楽しく盛り上がれるのは良いものです。そしてそれは、家でのプレイではなかなか味わえないものでもあります。確かにボイスチャットを使ったりで交流しながらの対戦も自宅で可能ではありますけども、ゲーセンという「場」の魅力は確実にあります。
もう5年前の記事ではありますが、ゲームセンターでの大会を誰よりも知るゲームニュートン店長の松田さんがその思いを語っています。かつてと同じ形、ではないかもしれませんが再び闘劇のような熱狂の場が生まれることは私も願ってやみません。
ハイスコアガールダッシュ6巻、ゲームセンターでの大会が活きていた頃を思い出させてくれる一冊でした。
そんなかつての隆盛を味わうつもり、もあり来年2月のストリートファイターリーグのGRAND FINALは現地観戦、行こうと思っています!