見出し画像

シン・ゴジラ:オルソを観て、新作への準備は万端であります

先日、私用で日比谷シャンテに行く機会があり、空き時間に「小林一三生誕一五〇年展」を観てきました。

阪急電鉄の他に宝塚歌劇団、東宝の創業者で、実業家であり政治家でもあった人物です。名前くらいしか存じてなかったので、勉強してきました。

東宝=ゴジラのイメージ


さすがに、何処を見回してもゴジラ、ゴジラでした

歴史上の小林氏の経歴はさておき、新作が控えている事も手伝ってゴジラを前面に押し出した展示になっていました。以前脚本の授業で、「映画の歴史は特撮の歴史」と教わったこともありますようにやはりゴジラの存在は日本映画、ひいてはエンターテイメント全体においても重要な位置を占めているんですね。

戦争を経験した国の人々は、街が壊され、生活を奪われる苦しみを知っています。その恐怖を架空の生物を用いて映像表現する。敗戦国であればこそ生まれたモンスター・ゴジラが今日まで映画の世界に根付いているのはまた、戦禍に見舞われている世界に向けてのメッセージになるかもしれません。第五福竜丸事件の昭和29年に公開された初代ゴジラが、娯楽と時代性は結びつくものだと示しています。

初ゴジは顔が怖いですね
対等な怪獣がおらず、人間を見下ろすだけなので目が下を向いている、というのは有名です
宇宙からの侵略者と戦ってくれるゴジラも良いですが、
怖い存在であって欲しいという気持ちも強いです

シン・ゴジラ:オルソと二人の監督を観てきました

そして本日、前述しました通り庵野監督&山崎監督のトークショーとモノクロ版シン・ゴジラ「オルソ」の上映を観てきました。

TOHOシネマズ新宿。新作もここで観たさがある、
ゴジラの聖地ですね

いつぞやのシン仮面ライダー舞台挨拶のように庵野さんがMCを務め、両監督の楽しいトークを聴いてきました。
要点をまとめますと…

・「-1,0」は銀座のシーンが特にいい

・山崎監督はVFX、庵野監督は特撮、と表現へのスタンスが違う

・ゴジラがヒットしないと特撮に未来が無い。「-1,0」もモノクロ版をやって稼ごう(笑)、と提案されるなど白黒とのシンクロ率高し

・シン仮面ライダードキュメント、庵野監督は観てない

・庵野監督が「-1,0」の陣中見舞いに訪れた際、神木君と美波ちゃんには珍獣、レアポケモン扱いされた

覚えてる限りではこんな所です。シンの後に実写ゴジラをやるプレッシャーは相当なものだったと語る山崎監督に、試写で観た庵野監督は「これはいけると思う」と激励しておられました。一週間後ですが、最新作への期待値はまた上がりましたね。楽しみに待ちたいと思います。

そしてモノクロ版シン・ゴジラですが、恐ろしさが倍増していたと言って良かったです。自衛隊のヘリや戦車がより本物っぽく見えましたし、やはり特撮とモノクロは相性が良いことを改めて認識しました。放射線が紫ではなく白に見えるとゴジラの神々しさが増しますし、第三形態までのギョロ目が夢に出そうな怖さでしたね。

この映画の自衛隊は、ゴジラに歯が立たなかった…ですが
それでもとても格好良く見えますよね
白黒だと夜のシーンは分かりづらい?…いやいや、
よりクッキリ見えるものです

中盤、ゴジラが初めて放射線を吐き東京を火の海にするシーン。
初見の時、音楽の悲壮感と映像の見事さ、人間の無力感などが相まって涙が出たのを覚えています。あれから7年が経ちましたが今回、また同じシーンで涙腺を刺激されました。久々だったのもありますが、映像の衝撃がまた蘇ったことが嬉しくもありました。

終了後は拍手も起こり、それが来週の新作も観るぞ、という約束のようにも聞こえたのでした。

「怖さ」に期待

何度か述べていることですが、ゴジラは人類の敵だったか否かでそのルックスも大きく変わっています。基本的に人間の見方をしてくれる時は可愛くなったりしてるんですよね。それも悪くはないのですが、やはり初代、シンを推す者としては「災害」なゴジラの恐怖感を映画館で味わいたいものです。先述の放射線シーンのように、怖さが一線を越えると涙まで出てきます。そんな体験を、せっかくならまたしてみたい。

今回のゴジラは「人類の脅威」な風貌をしていますので、その点では楽しみではあります。
あとは山崎監督の手腕、またシン・ゴジラに関わったスタッフも幾人かいるとの事なのでその出来栄えをとくと見させていただこうと思った次第です。

この記事が参加している募集

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?