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【舞台チケット当選記念】リコリコ小説の話と、「ちさたき」の良さについて

昨日、良い知らせがございまして。
6月に上演の舞台リコリコのチケット、無事当選いたしました!

まずは一安心、ってところですが…。

これだけ前回公演を絶賛してて、続編を観に行けねぇなんてバランスが悪ィよなぁ!!と思っていたので、本当に安堵しました。
ローチケってほとんど当たらないイメージでしたので…(笑)。

当選通知を見た瞬間の私の顔です

近年のアニメの中でも、可能性を感じる作品

次の舞台も素晴らしいものになると確信していますし、リコリコ自体がこの先の新作アニメでさらに広がっていく見込みもある訳ですが、一昨年のアニメと同時期に発売された小説版がかなり面白かったので紹介&感想を書こうと思います。

発売直後は、入手困難なほどでした

小説版は、アニメ放送中だった2022年9月発行で原案のアサウラ氏執筆の作品です。「Ordinary days」(平凡な日々)というタイトルが示すように、喫茶リコリコに訪れる客の視点から、アニメでは少なかった「日常回」を中心に描いている外伝的作品です。
オムニバス形式の全5章構成になっていて、それぞれの章で主人公…視点が変わって展開されていきます。
個人的にお気に入りなのが2番目の話「ガンファイトとコーヒーと千束の赤いアレ」で、任務に失敗し逃げる男の視点で書かれているんですね。組織が女子高生二人組に全滅させられた、という情報を半信半疑で逃げる訳ですが、その情報のために行く先々で見かける女子高生に怯えてしまいます。やがて疲れ切って、明け方、空いた電車の席でウトウトしていた所、両隣に女子高生が座り…やはり情報は何かの間違いだったんだと安堵したところでその二人に銃を突きつけられる、というオチでした。半ば諦めていたので、駅に着くまで三人で映画談義に花が咲いた、という締めがまた秀逸です。

この小説のエピソードも、もしリコリコが2クール…26話あれば映像で観られたのでは、観たかったな~と思わせるものが並んでいます。基本的にコメディ調で、どの章も笑って読めるものでした。
アニメは今のところ13話で完結していますが、こんな小話でも全然続けられるし、面白い作品になりうるポテンシャルを持っています。原作が無いので、ある意味自由度も最高レベルでしょう。

勿論、任務の絡まない日常話も面白いです
第三話のタイトル「Takina's cooking」、もうタイトルだけで面白い

そしてこの小説版、最後の第五話においてここまでの四つの話が繋がるようになっています。一番シリアスなエピソードで、喫茶リコリコに助けを求めてきていた女子高生を千束とたきな…いえ、リコリコメンバー総出で救出するものになっていますが、ここまでの伏線回収と帰結が鮮やかで、主役の二人が異様に頼もしく、格好良く見える一編になっています。
正直、この小説を第一話~第五話まで続けてアニメ化すれば、劇場用作品として一級の出来栄えになりそうだと思いました。それほどラストのまとめ方が見事だったんですね。

そんな訳で、この小説版リコリコもお薦めです。

仲が良い、を越えている二人

リコリコはこの小説版の表紙もそうですし、キービジュアルとなるイラストには必ず千束とたきなの二人が写っています。写っている、という表現が正しいのかどうかわかりませんが。

創作論の話ですが、
「人物には二面性を持たせて、強みと弱みが両方ある人間にすること。そのギャップが観客を惹きつける魅力になる」
これは創作を学んでいると何度も聞く、普遍の定理なんですね。
お解りのように、千束とたきなはこの要素を見事に満たしていてしっかり主人公キャラたる個性を確立しています。私がリコリコを観ていて思ったのは、さらにこの二人に関してはこのギャップに観客だけでなく、当事者である千束とたきなが惹かれ合っているのが見事だということです。
なので、千束がたきなを、たきなが千束を相棒として大事にしているのは互いの人間的魅力を感じている、のでありこの感情が観ている側ともリンクするんですね。


オープニング「ALIVE」の歌詞にある

逃げて来た分の 距離を埋める旅に出よう

これが、千束とたきな、両方に当てはまる上に二人が変化していく予感すらこのワンフレーズで表現しています。
よく、百合、百合と言われますがこの二人に限って言えばもう「好き」とかいう領域を超えている気がします。死と隣り合わせの生き方をしているからこそ、お互いの為に命を懸けられるような真の「バディ」なのではないでしょうか。

まぁ、それはそれとして二人がイチャイチャしてるのは大好物なのですが(笑)。
新作でもこんな場面、二人の絡みをいっぱい観たいですね。

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