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機知加比

機知加比

第0章 機知加比(きちがひ)

誰しもが自身の秘められた可能性を信じたいと思うでしょう。

しかし、いつしか足ることを知り、相対的な結論の中で、社会の閾値を超過しない程度の個性を発揮し、生涯を終えるのが、社会的動物として生きる人間の常でしょう。

生まれながらの欠損によって、適応不可能な脳に産まれた人間は、一人前の社会人として認められず、普遍的な幸福を求めるレースから、脱落する事になります。

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投石中毒

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ともかく、賽は投げられたのです。
放り出された肢体をただ自然に任せれば角は次第に削られ、世間との摩擦に苦しむこともなくなります。
しかし、球状になって面を失うことは私の本懐ではありません。
最後にどんな目を出すことができるのか、それだけにしか興味がないのです。
どんな結果が出ようとも、どうか祝福してやってくれませんか?

私は元来明るい性格だった……と続けば、何らかの凄惨な事件によってそれが奪われ

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