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7年半の新聞奨学生生活を終えた今、思うこと

こんにちは、だーぴよです🐥⸒⸒
↑Twitterでは年数間違えて投稿しちゃったけど、3月で7年半に渡る新聞奨学生生活を終えました。大学生としてはマイノリティであろう新聞奨学生。*1)  人間は過去を美化してしまう生き物なので、終わってまだ日が浅いうちに今の気持ちなどを残しておこうと思います。これまでも僕なりに体験記を綴ってきましたが、今後この制度を利用する人の目に届いて判断の材料になれば幸いです。
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*1  僕が今期卒業した日経新聞奨学会卒業式では、202名の卒業生のうち4年コース(すなわち大学に通う人)を利用していた人は僕を除き6名だった。



新聞配達のある生活から解き放たれてひと月が経ち、今思うこと…
自分は果たしてこの制度を使い大学に進学したことは正解だったのか、ということ。通常であれば4年で終わるはずのところを倍以上の時間をかけてしまっている。自分が社会に出る頃には28になる。就職活動において印象がよくないだろうし、社会人のキャリアにとって大切だとよく言われている20代を学生として過ごしてしまったという事実からはどう足掻いても逃れられない。順調にキャリアを積み重ね結婚、出産までも経験している同期たちを見るとどうしても自責の念が湧いてくる。
こんなに長い間いるからこそ沢山人と出会えたり、サークルでなかなか出会わない年齢層の子たちと関わったり、良かった面ももちろんあるけど、その反面失っているものももしかしたら大きいのかなとも思ったりする。四年制大学に通う人が新聞奨学生制度を利用することは、是なのか?この疑問はずっと自分の頭の片隅にあった。"学生を応援"と銘打っているこの制度。しかし大学に通う者にとってはどうしても足枷になってくるのが実情である。夕刊配達や場合によって集金業務やその他の業務があり、これらによって学生の本分である学業に割く時間が削られてしまう。そもそも新聞奨学会側が公式で「教育系学部や理系学部など、学業が忙しくなる学生は原則受け入れない」と言っていることからも、本来は相容れないものであるということが分かる。実際に自分自身も、教職免許の取得を仕事のことを考慮して途中で断念した。そこから夢を見失い人生設計ができないまま今に至る。。。(笑)

今では「こんなこともあったな」と思うけど、この経験はとても美化できないよね

上で述べたように、新聞奨学生のうちほとんどは大学生以外、専門学生である。そしてその大半は日本工学院や代々木アニメーション学院などに通っていた。僕が見聞きした限りでは、この2校は学校側が新聞奨学会と提携していて奨学生には独自のコースや補講があったりするそうだ。なんなら学校説明会に行った際に新聞奨学生を勧められたりもするとか。授業が午前で終わるうえに学校側からの配慮もちゃんとしているならきちんと受けたい授業が受けられるし両立もしやすいのだろうなと思った。しかし大学となると、何千人といる学生のうちの一人のために配慮などしてくれない。

夕刊配達がなくなった今学期はずっと取りたかった4限の授業をやっと受けられている。ほかにも、仕事の関係で昼夜逆転の体内時計のまま*2) 通常学生と同じ時間で動かないといけなかったことは非常にしんどかったし、仕事があるからと断ってきた誘いは数え切れないほど。これらから解放された今は昨年よりも格段に、快適にキャンパスを歩いている。メンタリティやモチベーションを保っていくこともかなり大変だった。以前、ゼミの先生に「どうしてそこまで卒業にこだわるの?辞めちゃえばいいじゃない」と言われたことがあり、それ以来ずっとこの言葉が頭から離れないでいる。それまでは一切考えたことがなかったけど、辞めるという選択肢が頭にある状態であえて続けるということも実は結構苦しかった。周りの学生と接する中で感じる生活水準の差を感じてしまうことも辛かった。"普通の学生生活"に近づきたいと思って近づこうとすればするほど、自分との差に気づいてしまって…
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*2 経験した中では、0:30出勤が最速、2:30が最遅。元旦配達のときは23:30に出勤だったこともある。月の休みは産経を除き基本は6日間。深夜に起きて仕事をしてそのまま学校に通う


そもそもミスマッチな新聞奨学生をして、そして結果として留年をし続けている現状を鑑みた時に、「自分は大学に進学するべきだったのか?」とすら考えることも少なくはない。教育学科での学びから生涯年収の大きな開きを知り、就活をしながら「大卒/高卒での明確な差」を実感し、なんとか卒業だけはしたいと必死にもがき続けている。
この7年半の経験から得られたものは、「この先しんどい事があっても奨学生生活乗り切ったから大丈夫そうだな」という朧気な自信くらいしかない。数年にわたって失った健康で文化的な最低限度の生活と、生涯年収及びそこから生まれてきそうな様々なリスクを考えたらかなりマイナスな気がしている。夢や目標のために頑張ることは大切なことだし、その選択肢のひとつとして新聞奨学生というものが存在しているのは決して悪いことではないけれど、この制度が美談とされてしまうような現代日本は健全ではないと個人的には思う。やはり奨学金についての考えは改めていく必要があるかなと。僕のように仕事に蝕まれてしまう学生をこれから出さないためにも…。

色々とまとまらない考えを書いてしまった。ここまで読んで頂いた人はありがとうございます。とにかくあと半年、勤労学生やり切って、内定も無事に勝ち取りたい。完遂した時はさすがに自分を褒めてあげよう。

深夜ラジオに支えられた新聞配達生活でした

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