見出し画像

[1章2項]粛々とやるべきことをやり続ける

先週に続き、今日は第一章「変革する力」の第二項について読んでいきたいと思う。

※このnoteは本来「毎週日曜」に更新するものですが、昨日はどうしても書いておきたいnoteがあったので、今回だけ月曜に更新することにしました。

第二項 常識を疑う。常識にとらわれない

常識が会社の進化を妨げる
目標を高く持つことは、既存の延長線の発想ではないイノベーティブな取り組みを促す効果があると言いました。
しかし、そもそも、経営者は常日頃から常識と言われているものを疑い、常識にとらわれないでものごとを考える思考習慣を持つようにしなければいけません。

会社の成長、会社の進化を妨げる最大の敵。それは「常識」です。
我々は、一つの業界、一つの会社、一つの事業の中にいると、いつの間にか、勝手に今ある状態を「常識」だと認識するようになります。
その結果、
「フリースは、登山やアウトドアメーカーがやるものだ」
「ヒートテックのような商品はスポーツ店で売るようなものだ」
「ブラトップのような商品はインナーだ」
などと、勝手に線引きをして、自分たちのポテンシャルを自分達で封じ込めてしまいます。

しかし、その線引きは誰が決めたのですか?
そうしなければいけないという、国際的なルールがあるのですか?
そんなことはありません。全部業界や、そこに属する会社が、自分たちで勝手に思い込んで、あるいはすみ分けをするために、自分たちの都合で線引きしているにすぎないことです。
この線引きに顧客は不在です。

お客様からしたら意味がないこと、お客様からしたら不便をかけてしまうこと、これが、業界や会社や事業の人たちが「常識」と言っていることだったりするのです。
その結果、お客様からすると大切なことができていなかったりするわけです。

私は常々「業界は過去、顧客は未来、ライバルではなく顧客に集中する」と言ってきました。業界の慣習は過去のものです。そこを見ていても企業に未来はありません。顧客のことだけを見ている会社に未来はあるのです。
ですから、いわゆる「常識」と言われるものほど、
「お客様目線で見て、それは正しいことか」
「お客様側が、そうでなければいけないと思っていることか」
というように、疑ってかからなくてはいけないのです。
また、自分がお客様の立場に立った時、不便だと感じたり、あったらいいのにと思ったり、あるいはお客様から「こういった品物はないの?」と言われたら、

「うちの常識にとらわれていて、お客様にとって本当に必要なことができていないんじゃないか」
と疑問に思うようにならないといけないのです。

それを「申しわけありません」とか「うちは扱っていないんですよ」で終わらせてしまっていたら、その企業に未来はないのです。

セブン-イレブンの「夏のおでん」「冬のアイスクリーム」

常識を疑ってかかり、常識にとらわれないで実行してみた結果、成功したイノベーションの有名な例に、セ ブン-イレブンの「夏のおでん」「冬のアイスクリーム」があります

かつてスーパーマーケットでは、食文化として、おでんは熱い食べ物だから、冬の寒い日に食べるのだと思っていたし、アイスクリームは夏の食べ物と思っていました。

だから、季節が暖かくなると、おでんは棚からひっこめ、寒くなるとアイスクリームコーナーを縮小していました。
しかし、セブン-イレブンは、その逆をやりました。
夏にもしっかりと、レジ脇のめだつところでおでんのプレゼンテーションをし、冬にも、店の好位置に配置したのです。
結果、売れました。だから、他のコンビニエンスストアも真似をして、同じことをするようになり、今では日本のコンビニでは、このことが「常識」になっています。

売れた理由としては、エアコンが普及し、夏は冷房のせいでオフィスでも家でも体が冷えてしまう。だから温かいものが食べたい。冬はその逆に暖房のせいで体がほてってしまう。だから冷たいものが食べたい。
スクリームを配置したのです。このような生活環境の変化が大きいと思われます。

お客様視点に立って、常識を疑うことで、「夏におでん」「冬にアイスクリーム」を食べるという顧客を創造しました。今までに存在しないマーケットを作ったわけです。

この例に限らず、「常識」と言われているところには、ビジネスチャンスがたくさん転がっていると思った方がよいのです。

不安にとりつかれないで、まずはやってみる

我々の所属する繊維業界は非常に保守的で、業界の常識にとらわれている会社が少なくありません。常識に心が支配されてしまうと、

「それは無理だ。そんなことはできない」
「それをやっても、うちはうまくいかない」
「そんな商品は売れない」
「そんなことをしたら、大変なことになる。異端児扱いされてしまう」
などと、勝手に自分の中で思い込んで、実行しようともしなくなります。

私から言わせれば、「やりもせずに」です。

経営者は「危機感」にもとづいて経営をやるべきであって、「不安」にもとづいて経営をやってはいけません。
常識にとらわれて出てくる、右記のような思い込みは、単なる「不安」です。
不安とは、漠然としたもので、大半が確証のないことで、起こるか起こらないか分からないようなものです。そして、自分ではコントロールできないものです。

不安にかられたらぜひやっていただきたいのですが、不安に思うことを具体的に書き出して、正体を突き止めてみると、悩んでいても仕方がないし、たいしたものではないことが分かります。

いくら悩んでも結論が出ないこと、コントロールできないことに悩んでいても時間がもったいないだけです。
そんな不安を、ぐちぐち考えることで、あたかも自分はいろいろなことを考えている経営者であるかのようカに錯覚をしている人がいますが、それは考えて仕事をしているうちに入りません。

大切なことはまずはやってみることです。
やってみた結果、万一不安が的中した場合。例えば、売れなかったとしたら、どうするか。やることはただ一つです。それは、売れるような方策を次々と考えて実行に移すということです。だめだったらまた頭をひねって、次の施策をやる。そうやって具体的なことを実行していれば、不安を感じている暇はなくなるはずです。

付加価値を意識することを怠らない

お客様から「こういった品物はないの?」と言われたら、
「うちの常識にとらわれていて、お客様にとって本当に必要なことができていないんじゃないか」
と疑問に思うようにならないといけないのです。

つい短期的な目線で、小手先の課題解決に終始しがち。忙しいとき等は特にそう。でもそれではいけないということ。顧客からの貴重な意見は、何気ない会話の中から生まれるものだし、常にそれをキャッチしていく姿勢でいる必要がある。
そこに付加価値を上げるヒントがあるわけで、面倒くさがらずに再発防止策をしっかり立て、仕組化に取り組むことで顧客への付加価値を上げる努力を。
(常にそういう準備をしておくと、周りまわって自分に返ってきたりする。多少コストをかけてでも、仕組化をしておくと本当に忙しくて手が回らないときに自分を救ってくれたりする。)

リーダーのマインド

私から言わせれば、「やりもせずに」です。

リーダーのマインドってチームを形成するものであって、本当に大切だと思う。
この本の中では「実践の大切さ」について何度も言及されているけれど、リーダーがこうしたマインドでいてくれると、フォロワーとしてはチャレンジすることに意欲的になれる。逆にリーダーがやる前から「できるはずない」と不安ドリブンな意思決定をしていては、いつまでたってもイノベーションが生まれることはない。
いろんなリーダーがいていいと思うけど、イノベーションを興す気概を持つフォロワーの立場で考えたら、誰に付いて行きたいかは一目瞭然だと思う。
「ついていきたいと思われるリーダーとはどんな人なのか」、について改めて考えてみたいと思った。

粛々とやるべきことをやるほかない

>大切なことはまずはやってみることです。

こうやって言葉にすると「当たり前のこと」だと改めて思う。
でも大切なのはこうした「当たり前のこと」をどれだけ真摯に取り組めるか、そんな行動を積み重ね続けられるか、ということなのだと思う。

リーダーとして持つべきマインドが何なのかを模索し、持ち続ける努力をしながらも、粛々とやるべきことをやり続けるほかないのだと思った。そして悩むのではなく、行動しながら、走りながら考えることが大切。

今週も頑張ろう。

---

この本は経営者の方だけでなく、サラリーマンや個人事業主の方、NPOやボランティアなど様々な組織で働いている人にとって、とても学びの多い良書だと思います。内容はnoteでも紹介していきますが、一部のみのピックアップとなりますので、内容に興味を持たれた方は是非ご購入いただき、自分だけのノートに仕上げていただければと思います。

また本には振り返りのためのセルフワークシートも含まれています。日々の振り返りを行いたい、自戒することを習慣化したいと考えている方にも、とても価値のある内容だと思います。

---

この「経営者になるためのnote」は毎週日曜日に書いています。過去に書いたものは全てマガジンに纏めているので、宜しければそちらもご覧ください。


最後までお読みいただきありがとうございます〜!よろしければシェアしていただけると嬉しいです!