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人と同じことができないから、人と違うことができる

これまでの評価指標

仕事においてこれまで大切にされてきた評価指標は、言われたことを言われたようにできるか、だったように思う。
社会人としての基礎能力を育てるのは大切だし、それを測る一つの方法として、こういった評価指標に基づいたマネジメントはありだと思う。

でも明らかにそれが相手に向いていないやり方で、その人の個性を潰してしまうようなら、そのやり方は改めた方が良いとも考えたり。

これからの評価指標

何が正解か誰もわからない時代。
大企業に勤めれば一生安定、というような寄らば大樹の陰という時代でもない。こうした背景からも今は転職が当たり前になりつつある。だからこそ企業は、どれだけ社員が会社にコミットしてくれるか、どれだけの時間軸を取ってくれるか、について考えないといけない。
社員がコミットする時間軸によって、今ある仕事のやり方は変わってくる。(短期的に小さい成果を出そうとするか、中長期的に大きな成果を出そうとするのか。)言うまでもなく、中長期的な時間軸で仕事をしてくれた方が仕組み化や生産性向上にも繋がり、それが会社のためになる。

つまりこれから一番大切になってくる評価指標は社員がコミットする時間軸と言えるのではないだろうか。

企業はどうあるべきか

だからこそ企業は、社員がコミットする時間軸を伸ばしてもらえるよう、社員の働きがいとしっかりと向き合わないといけない。
そしてその前提に立つと、昔の高度成長期のように経済が右肩上がりだった時代のやり方である「言われたことを言われたやり方でできるか」という画一的な評価指標では、すぐに詰むと思う。

そうじゃなくて、「人と同じことができないということは、人と違うことができるということ」なのだと、考え方やものの見方から変えないといけないのではないか。そして企業はその可能性について、その社員と一緒に考えていくという姿勢が求められていくのだと思う。そして、それが「多様性を受け入れる」ということなのではないだろうか。

と、こんなことを考えていたら、二宮尊徳(「二宮金次郎」)の草鞋エピソードを思い出した。

知らない人のために簡単に説明する。

金次郎は農家に生まれた。父親の度重なる散財や天災等により、田畑や家を失い、貧しい幼少時代を過ごす。
10歳の頃に父親が眼病を患ったため、金次郎も若くしてすぐに働きに出ることになった。
金次郎が12歳の頃、堤防工事を父親の代わりに務めることになるが、幼少故に一人前の成果を出す事ができない自分を憂いた金次郎は、家に帰った後、夜遅くまで「草鞋」を人数分作る。
翌日、「怪我をしないように」と作った草鞋を村人に配ったという。

金次郎は「できないことはできない」とすぐに受け入れた上で、「じゃあ自分にできることは何か」を考えることのできる人間だった。人と同じことができない人間の戦い方はなんなのか、について考えさせられる学びの多いエピソードだと思う。言われたことをうまくやれていたら、草鞋という価値が生まれることはなかった。

企業はこのような多様で個性のある価値を認め、評価する文化を構築していくべきだと思う。

それがきっと社員がコミットする時間軸を伸ばしてくれるのだと僕は考えている

これから社会に出る人へ

ちょうど昨日新入社員のことを書いていたら、こんなことを考えたので、つらつらと思うままに書いてみた。

これからは働きやすく、働きがいのある会社も少しづつ増えていくと思う。だからもし来月から新入社員になる人や、これから社会人としてうまくやれるか不安を持っている人がいたら、安心して欲しいと思う。

もしうまくいかない事があっても、屈せずに自分の個性を大切に育てながら、自分の戦い方を見つけて欲しいと(おこがましくも)考えた、という話。

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