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リフレクションとは?〜経済産業省が選んだ「人生100年時代の社会人基礎力」の土台となるスキル〜

こんにちは、たまだいです!
みなさんは、リフレクションというスキルが、経済産業省が提唱する「人生100年時代の社会人基礎力」の土台となるスキルとして定義されていることをご存知でしょうか?

この記事では、リフレクションとは何か、どういうメリットがあるのかについて解説することで、なぜ国が掲げるほど重要なものとされているのかをお伝えしていきたいと思います。

リフレクションスキルとは?

そもそもリフレクション(内省)とは何か。
リフレクションとは、自分の考えや感情、言動や行動について客観的に振り返ること、深く省みることを言います。

例えば、自分の仕事やプライベートにおいて、起こった出来事やそこから生まれた感情を客観視し
「なぜその時そういった行動をしたのか?」
「なぜその感情は発生したのか?」
「その感情の裏にはどんな経験や思考の癖があるのか?」
などを整理することで、新たな気づきを得て、自分の未来に繋げます。

よく「反省」と混同してしまう人がいますが、これらは別物です。

反省:失敗や間違いなどを対象にする、「間違い」を正すこと目的
内省:失敗や間違いのみを対象としない、未来へのヒントを得ることが目的

反省の目的は「間違い」を正すことにあり、失敗や間違いが振り返りの対象となることが大半です。何が駄目だったのか、何が悪かったのか、を振り返ることで、原因や理由について深く探ります。

一方でリフレクションは、失敗や間違いのみを対象とせず、フラットな視点で振り返ります。未来にどう繋げるか、というスタンスで振り返り、ヒントを得ることがリフレクション(内省)の特徴です。

経産省はスキルという文脈でリフレクションを語っているわけですから、もちろん質の高い/低いが存在します。
では一体、「質の高いリフレクション」とは、どういった状態なのか。
見解は様々あるかと思いますが、私たちは以下の3点が満たされている状態かと考えています。

質の高いリフレクション
①客観性が担保されている

主観的ではなく、自分をしっかりと客観視して振り返りができていることが重要です。
とりわけ厳しい現実や自分が目を逸したいことの場合、事実と向き合うことはとても苦しいことです。どうしても都合のよい解釈をしたいがために事実を捻じ曲げてしまいがちです。
しかし、そういった振り返りをしても、その時は落ち着くかもしれませんが、本質的な解決には繋がってません。

質の高いリフレクション
②深さがある

深さのイメージとしてはこちらの氷山モデルを見ると理解しやすいかもしれません。

出来事や結果といった表面的事実の振り返りにとどまらず、そこから思ったことや感じたこと、さらには、その下にある価値観や思考の癖までを明らかにできる人は、非常に質の高いリフレクションをされる方だと感じます。

質の高いリフレクション
③未来に繋げられること

こちらが最重要で、振り返って満足するのではなく、しっかりと未来に繋げられることです。
冒頭でまとめたように、リフレクションは経験から得たヒントを未来への繋げることが目的です。「振り返りっぱなし」ではリフレクションの意義の半分以上を台無しにしてしまいます。

未来に繋げるという観点で、特に難易度が高いのがアンラーンすること。
リフレクションを続ける中で「自分の未来にとって不要だ」と感じる価値観を自覚する瞬間が訪れるかもしれません。時代は変化しつづけ、自分自身が身を置く環境、価値観も変化し続けています。
過去、自分を導いてくれた価値観が今も、未来も、正しいとは限りません
これらを手放す、という選択はとても勇気がいる行動です。これができる人は、リフレクションマスターです。

リフレクションで得られるもの

リフレクションを習慣にするメリットは以下の3点であると考えています。

リフレクションで得られるもの
①主体的な未来選択(内発的)

1つは主体的に未来を選択できるようになるということ。
不確実な時代だと言われ、あまりピンと来なかった中、コロナショックでそれらを強く実感した方も多いと思います。

不確実な時代では、物事の選択基準が「外」にはなくなります。
一昔前は、良い会社に入ること、たくさんお金を得ること、家族を持つことなど、ゆるやかな共通認識として「成功」というものが定義され、それらを基準に選択してこればよい時代でした。

場合によっては、選ぶ必要すらなく、社会の同調圧力に流されておけばよかったし、選ぶ自由さえなかったとも言えます。しかし今「人生100年時代」に入り、働き方や生き方が自由に選べる時代となりました。

選べる時代に突入し、合わせて「外」の基準がなくなった中で、我々は何を基準に未来を選択していけばいいのか。それが「内なる基準」です。

これからは、自分の心の声が基準になります。その心の声に耳を傾けるスキルこそがリフレクションです。自らの心の声に耳を傾け、主体的に自分の未来を選択していけることがリフレクションの大きなメリットの1つです。

リフレクションで得られるもの
②経験の未来への接続

2つ目が過去の経験を未来へと接続できること。

大前提、僕らは何を1番の学びとして成長しているんでしょうか?
本?学校?誰かのアドバイス?
全て良質な学びを与えてはくれますが、1番ではありません。

1番は間違いなく、実体験(経験)です。
体験こそが最も質の高い学びになり得る、最高の教材です。

ただし1点、難しいのが、本や学校などは自ら学ぼうとしてアクションしている、つまり能動的に学ぶ姿勢が整っているのに対し、体験は日々生きている中で自動発生していくものですから、なかなか「体験から学ぶぞ」という目的意識を持ちにくくあります。

質の高い学びを得られる教材が日々、身の回りにあふれているのに、それを学びに昇華できない、未来に繋げられないという、非常に勿体ない機会損失が、日常に起きているということです。

ここにまさにリフレクションの2つ目のメリットがあり、しっかりと自分が体験してきたことを客観的に省みることで、そこに溢れる学びを未来に接続することができるのです。

リフレクションで得られるもの
③セルフコントロール

3つ目は、セルフコントロールです。
つまり、自分で自分をコントロールできるということです。

みなさん、武井壮さんの「大人の育て方」というYoutube動画をご覧になったことはありますか?(見ていない方は、是非ご覧になってください!)

そこで語られている一節で『自分が思い描いたことを実現できないのは、自分が思い描いた通りに自分を動かせていないから』といった文脈のメッセージがあります。

本当にその通りだ!と感動しました。自分で自分をコントロールできていないのに、自分が思い描いたものを実現するって、もはや「運ゲー」です。

逆に言えば、ちゃんとイメージ通りに自分をコントロールできると、意図した未来をつくりやすいとも言えます。

自分の感情やモチベーション、自分の行動や習慣くらいは、自分でコントロールできるようになってほしい。その先に、自分が実現したい未来がきっとあるはずです。

以上、「①主体的な未来選択(内発的)」「②経験の未来への接続」「③セルフコントロール」の3点がリフレクションを習慣に取り入れるメリットだと考えています。

特に①と②の文脈から、経済産業省は「人生100年時代の社会人基礎力」の土台となるスキルとしてリフレクションを位置づけたと想像できますね。

リフレクションスキルの高め方

最後に、リフレクションスキルの高め方を3つご提案します。
スポーツなどと同様、スキルを高めるために必要なことはインプットとアウトプットです。

特にアウトプットし続けることが最重要です。

1つ目の方法は、シンプルに実践しつづけることです。
毎日10分、少なくとも週に一度は時間を確保し、リフレクション習慣をつくることをおすすめします。反復で実践しつづけることに勝る、訓練方法はありません。

2つ目の方法は、フレームを知ること
子どもが自転車を乗れるようになるプロセスに、補助輪で感覚を掴むフェーズがあるように、何事も最初は補助がある方が早く上手くなります。

リフレクションにおいては、それがフレームワークです。
是非こちらの『リフレクション』を読んでみてください。
下記のような様々なフレームが用意されています。

  • 自分を知るリフレクション

  • ビジョンを形成するリフレクション

  • 経験から学ぶリフレクション

  • 多様な世界から学ぶリフレクション

  • アンラーンするためのリフレクション

3つ目の方法は、コーチングを学ぶことです。
コーチングとは、傾聴や問いによって、話し手のリフレクションを滑らかにし、より大きな気付きを得る支援をするものだと思っています。

コーチングを学ぶ過程には人の感情が発生するメカニズムや行動できない人の心理など、様々なインプットがあります。

これらの学びは他者へのコーチングだけでなく、リフレクション(セルフコーチング)にも活きてきます。なぜ自分はこういった感情を持ったのか?なぜ自分は行動できなかったのか?と、より本質的な気付きにたどり着くことができるようになります。

以上、3つのアクションを通じて是非リフレクションスキルを高めていただけたらと思います。

お知らせ

リクラスでは、本記事にて説明したリフレクション習慣をつくる仕組みやリフレクションを滑らかにするためのワークシートなどが詰め込まれています。
1人で上手く継続できないという方のお力になれると思いますので、下記のURLからチェックしてみてください。

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