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痛みの治療方法って何がある?

痛みは、身体の異常を知らせる警告としての役割があるけど、痛いのはすごく辛いので無い方が良いに決まってる。

しかも、警告としての役割を終えたにも関わらず持続する痛みもある。そうなると生活の質(QOL)や日常生活動作(ADL)を低下させ、それが益々痛みの事ばかり考えるようになり負の悪循環に陥ってしまう。

痛みの治療で一番大切なことは、「痛み」や「痛みの治療」を理解してなるべく早く治療開始し悪循環から逃れる事。

我慢したり、諦めたりしないで痛みの専門医であるペインクリニックを受診してみて欲しいです。

➢ 痛みの治療は大きく5種類ある

痛みは、時間とともに自然に良くなることがほとんどだけど、中には耐え難い痛みや長く続くものがある。今のところ痛みに対してできる治療は大きく5種類です。

1. 鎮痛薬

薬は「飲み薬」や「坐薬」、湿布などの「貼り薬」、「塗り薬」がある。製薬会社や微妙な作用機序の違いはあっても痛み止めの種類(分類)はせいぜい10種類くらいで意外と少ない。。。

薬は簡単に飲めて効用効能がある代わりに副作用もあるのでしっかりと理解して正しく内服するのが大事です。

2. 注射(神経ブロック、筋膜リリース、鍼など)

ペインクリニックはもともと鍼灸のツボに薬液を注射したら痛みが軽くなった事を応用して神経ブロックや筋膜リリースという注射が発展してきました。

即効性があり、全身性の副作用がない上に、痛みで緊張した筋肉や自律神経系をリラックスさせる効果があります。

針を刺すので、全く痛く無いという事はないですが、かなり細い針を使用するので怖がらないで一度、試して欲しいです。

3. 運動療法・理学療法(リハビリテーション)

主にドクターや理学療法士さんなどによるストレッチや筋力増強訓練、温熱・光線療法等で筋肉の緊張や血流を改善し日常生活動作(ADL)や生活の質(QOL)の改善を図ります。

最近は痛いところではなく、痛くないところを動かす事で、脳の痛みを軽減する領域やホルモンが活性化されて痛みを軽減できる事もわかっています。

4. 心理療法

痛みとメンタルヘルスは非常に密接な関係があります。

痛みで悩まされる時間が長くなると、「原因は?」「いつまで続く?」というように痛みの事ばかり考えるようになって不安や抑うつ、不眠に陥り、それが益々痛みを増悪させる悪循環に陥ってしまう。

そうなる前や、そうなった後でも適切なカウンセリングや心理療法(認知行動療法、マインドフルネスなどのメディテーション)を行う事で悪循環から抜け出せる事がわかっています。

5. 手術

骨折や損傷、腫瘍、加齢性の変形などによる痛みで、因果関係が明らかだったり、強く疑われる場合に手術が考慮されます。痛み診療の最終手段と言えます。

➢ 治療は組み合わせてやるとより効果的!

薬、注射、運動・理学療法などの治療は、個々に独立してやるよりも組み合わせてやる事で相乗効果が生まれる事がわかってきました。

痛みには複雑な原因があり人それぞれ違う。そのため、一人一人に最適な治療をオーダーメイドで行うのが良いとされ、日本ではまだ大学病院レベルだけど痛み診療に関わる科(麻酔科、整形外科、リハビリテーション科、精神科、眼科、歯科など)が集まって「痛みセンター」としてチームで診療するようになってきました。

➢ 最大の治療方法は痛みや痛みの治療を理解する事!

痛み治療で大事な事は、痛みの原因は何か?何が考えられるか?危険なサインではないか?をしっかり診断して、治療する側はしっかりと患者さんに説明をして理解して頂き治療していく事が一番重要です。

とても当たり前のことだけど、漫然と痛み止めを処方していたり、運動するしかないと言われている人が多い気がします。

痛み診療をする側の教育と患者さんの痛みに対する理解度を深める事で、痛み治療に対する効果も良い方に変わると思います。



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