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一匹の無様な蟻を飼っていたつもりの女の話

私が創作に目覚めたのは小学校3年性の頃。
ハローキティのアニメの結末に納得がいかず荒れていると、母に「じゃあ自分で作ってみたらええやん」と言われて二次創作をしたのが始まり。
それからずっと小説や漫画を書き続けていました。するとたまたまお絵描きが好きだった友達が小説も書くようになって、交換日記とかやるようになったんですよ。
ちなみにその時の題材がギルティギアシリーズのリレー小説、と小学生にしてはかなりニッチなところでした。

中学生にあがると、クラスメイトに一人浮いてる女の子がいたんです。
背が高くてすらっとして、漫画で見るような感じの冷たい雰囲気。一切笑わず愛想も悪い子でした。
私は小学生の時から仲良くしてるリレー小説仲間と引き続きつるんでいて、中学合流だったその子とは最初は喋るきっかけもありませんでした。

で、たまたま体育で自由に組んでいいよーってなった時。ええそうです、陰キャにとっては地獄の時間のアレです。
その時たまたま例の女の子(Hと呼称します)と組むことになったんです。私のグループはたまたま休みの人が出て奇数になったのと、H自身誰ともつるまなかったから余りモノ同士って感じで。
その時初めて会話したんです。すると、普通だったんですよ。遠目からは愛想悪く見えるだけで、喋ると普通だったんです。
で、それ以来私は何かしらで自由にペアを組んでいいとなると必ずHを誘いました。Hもまた受け入れてました。
HはHで、私と話すのは楽しいと言っていました。

ただHが屈折していたのは事実でした。
愛想が悪かったのは自分以外を見下していたから。それは私も例外ではなく、「一匹馬鹿な動きをする蟻が懐いてきたら面白く見えるから面倒を見る気になった」と、私本人に言うくらいでした。
私自身は当時Hの感性が新鮮だったのと、元々いたグループがかなり不穏な空気になっていたからHのもとに逃げ込んだ……という目論見もありました。
するとまあ、当たり前のようにグループでハブられるようになるわけです。Hが浮いていたのもあって、「あいつの仲間だからキショい」という中学生ならではの排他意識からでした。
でも私もそれにイラッときたのもあり、むしろ家出少女の気分でグループから抜け出したのでした。

Hと絡むのは、それなりに楽しかったんですよ。
H自身屈折はしてるけど私からすれば新鮮さの連続で、割と常に一緒にいました。
ただやっぱりグループからクラス全体までハブの意識が広まって、結構嫌がらせもされたのもあり若干保健室登校みたいになったりしましたが。
それでも最低限の成績は確保していたしまあいっか、と。

で、Hが世界を広げてくれたっていうのもあったんです。
Hは放課後、図書室によく行っていました。「図書室の窓からグラウンドを見下ろして、アホみたいに運動する運動部員を見るのが楽しい」と。私にはその楽しみは分かりませんでしたが。
そしてそれについていくようになると、色々な出会いがあったわけです。
Hが紹介してくれたのは、1学年上の女の先輩達で……ゴリゴリのオタクたちでした。中でもローゼンメイデン大好きな先輩が、私は大好きでした。
つまり、放課後の図書室はオタクの集会所になっていたんです。
そこで私はBLやNLというものを知り、元々好きだった某少年漫画などを「そういう目でも」見るようになったのでした。
(なお、個人サイトを作るきっかけになった人は別にいるのですがそれはまたの機会に)

2年性になってHとはクラスが離れました。
しかし私は私をハブにしていたクラスメイトのほとんどとクラスが離れたのと、小学校時代仲良かった子と再び同じクラスになったことからその子と再び仲良くなりました。
その子はたまたま図書室の先輩と仲良しな人の妹だったのもあり、Hとのつながりも薄いながらありました。
もちろんHとのつながりがある、というだけでHとクラスが離れても嫌がらせはあったのですが、その子は全然気にしていなかったのもありすぐ廃れました。
結果、その子とは3年生になっても同じクラスで私はその子とばかりつるむようになりました。
Hとのつながりは図書室のみになったんです。


そして卒業してからは、進路が別だったのもあり関わることもなく。
20そこそこになってから、たまたまショッピングモールで再会したんです。
私からHに話しかけたんですよ、「久しぶり」って。そしたらHはね。

「……あれ?もしかして中学一緒だった人とか?」

結構ショックでしたね、あれは。
中学1年の時あれだけ私の人生を変えたのに。いや、いいことが多かったけど。いや、だからこそなのか。
結局Hの中で私は、ただの蟻一匹でしかなかったんでしょうね。

とはいえかなりの期間会っていなかったのもあって無理はないか、と思ったのも事実で。
まあこれ以降は会う事もないだろうな、と思ってさよならしたのでした。
要は人間の出会いや別れなんて呆気ないし、人生変わったっていうのは「お互い」じゃないことだってあるんだって思ったきっかけでしたね。




そんな私でも、最高の相棒かつ戦友に出会うことができました。
それは、高校1年生になってからの話。

匿名コメントでも、「こんなお題で書いてよ」的なリクエストでも、人生相談でも、なんでも募集中。
基本的にはつぶやきで返信します。よろぴこちゃん!

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