若手3人が販促コンペに挑んだ話
こんにちは!
CXプロデュース本部コミュニケーションプロデュース部の倉持、小島とUXデザイン部の小林です。
僕たちは普段、プロモーション案件の企画から携わることが多いです。普段は先輩にサポートしてもらいながら考えていますが、1から10まで全て考えてみることで成長したいと思い、今回『販促コンペ』に挑戦しました。
約1ヶ月、業務の合間を縫って提出したのは4案。
そのうち、一つの案が一次通過したものの、ファイナリストに進むことは叶いませんでした。
今回の記事ではD2C IDの中でも若手の僕たち3人が、勉強も兼ねて挑戦した2023年6月に開催された販促コンペについて、振り返っていきたいと思います。
自己紹介(K×3トリオについて)
このように、社会人年数やD2C ID入社歴も異なり、考え方や性格もバラバラの3人。
初対面では敬語でしたが、販促コンペという1カ月間の戦いを通じて、お互いを知ることができ、今ではマブダチになりました。
コンペが終わった今でも、お互い協力しながら案件を推し進めていくことが多いです。
一次通過した企画とは?
今回は、僕らはKOKUYOの課題(テーマ)を選びました。その企画を題材にしてお話します。KOKUYOの課題は「学生が文具を必要とする様々なシーンで、コクヨの文具が第一に想起され、複数の商品を購入して頂けること」でした。
それに対し僕らのアイデアは「文具購入時にKOKUYOの商品名が第一想起になるよう、選挙ポスター風のインタラクティブな広告を作る」としました。
もう少し詳しく説明をすると、通学中に学生がスマホに触れる機会の多い電車内で、「名前(製品名)」「写真(製品写真)」を覚えてもらうために、選挙ポスター風の文具擬人化広告を展開。さらにQRから起動したARフィルターで文具同士の会話を体験できるというものでした。
僕らでレビューしてみえた課題:企画の論理編
上記一次通過した企画ですが、ファイナリストに進むことはできませんでした。この壁を越えられなかった理由は、主にアイデアを考案する部分にあると思っています。今回は「企画の論理」「表現(アウトプット)」の2つにわけて振り返ってみました。
まずは企画のロジックを考える「論理」に関して、今回僕らが学んだことは大きく4つあります。
1.施策拡散の設計を細かくするべし!
ターゲット・展開場所は、今回のオリエン内容と乖離はなく、オリエン内容に沿っていたと振り返りつつも、「どのようにこの施策を話題化するのか?」が明確にできていなかったかと思います。
現状のアイデアですと話題化の手法がUGC(User Generative Contents)に期待する他なく、メディアプロモート、SNS拡散のスキームなど、参加者数を増やす戦略が全く練られていません。やはりこれだと、ギャンブル色が強いというか、「あとは願うばかり。。。」となってしまい、クライアントの要望に応えられていなかったのだと思います。
2.施策の読後感から企画するべし!
また、参加者の読後感もきちんと考えられていなかったことも改善すべきだと強く思いました。今回我々が企画したARフィルターをユーザーが触った後に、どのようなイメージをKOKUYOにいだいてほしいのか、設定できていなかったと思います。
KOKUYOの文具に、思わず目がいってしまうような状態を作り出すためには「擬人化された文具がしゃべる」だけではインパクトも足りず、ただ広告を見ただけで終わってしまいますよね。例えば、しゃべるだけではなくそこに「謎解き」要素を追加して、「文具たちの証言を聞いて真犯人を捕まえろ!KOKUYO急行殺人事件」というARフィルターを使ったゲームを展開するなどがあったほうが良かったのかもしれません。
3.企画で嘘をつくべからず!
今回の企画は、電車でARフィルターを立ち上げる施策でしたが、これって本当にユーザーがやるんでしょうか?皆さんもこれまで電車内でカメラを立ち上げたことってありますか?
意外とないですよね。。。企画で嘘をついてしまっているので共感/納得感が伴っていない。その結果企画の魅力を半減させてしまっていたのかもしれません。
4.購買に向かう施策で考えるべし!
今回の僕らの施策ですとそもそも「販促」になっていなかったのかもしれません。
お題が「コクヨの文房具をまるっと揃えたくなるアイデア」なので、ここを含められていない点も改善するべきでした。趣味や関心事でターゲットをくくる「トライブ」という概念もあるので、例えば「アート好き」「美術部」などをターゲットとしてアイデアを考え始めるのもよかったかもしれません。
僕らでレビューしてみえた課題:表現(アウトプット)編
さらに、表現部分をもう少し詰めてもよかったと思っています。なぜなら、選挙ポスターというフォーマットは良いとしつつも、その表現が現状の選挙ポスターを踏襲のものでよいのか疑問が残るからです。「若者がついつい目を向けてしまうような表現」をもう少し考えてみてもよかったかもしれません。
例えば海外の選挙ポスターを見るとカラフルで、イラストタッチなポスターが多かったりします。もしくは、エモいイラストで有名なイラストレーターとのコラボなども効果的かもしれません。
そもそも若者の選挙離れが叫ばれている今、単純な選挙ポスターを展開しても彼らの目に留まるのでしょうか?
また、擬人化の手法も文具優先でよかったのか?僕らはあえて文具のビジュアルを活かした擬人化にしました。しかし「ウマ娘」「刀剣乱舞」「はたらく細胞」など擬人化アニメを例にとると、全て完全なヒトに近い表現がされています。今回僕らが提案したものも同様に改善していたら見え方が変わっていたかもしれません。
振り返ると改善できる部分が多くあることに気づかされました。特に「論理」ではまだまだ改善の余地がありそうです。選挙ポスターが若者にとって本当に有効な表現手段なのか?の吟味も必要ですね。
このように後からもう一回考え直してみるということが大事だと思いました。0→100をめざす初期は大変なもので、せいぜい50くらいのクオリティのものしかできないと思います。そんな時は少し時間をおいて50→100を目指してみると、120になったりするのかもしれません。
提出までのプロセスを振り返ってみて
これまでお話してきた企画まわりのレビューとは別で、進行面でも大きく2つの学びがありました。
1.まず形にしてみることが大事だった
仕事のスタイル(進め方)が定まっていなかった。
各々のアイデアを企画書の体裁で書き進める。思い切って書いてみると、話し合うべきポイントが可視化されていく。まずは形にすることの大切さを学びました。
今思うと同じ作業を手を替え品を替えで、やっていたような気もします。各々の案件で培ったことを必死にフル活用しますが、一番星が見つかっていないこともあり、ホワイトボードにアイデアを書き出したと思ったら、今後はmiroで同じことをやってみたりと。手書きもデジタルも良さがある。だからこそ悩んでいたとも言えるかもしれません。他にも色々なフレームワークに落とし込んでは、悩み、別のフレームワークで再考する。そんな日々でした。路頭に迷いながら文字文字どおり、探り探りおそるおそる企画を考えていきました。時間はかかってしまいましたが、自分たちのスタイルが見出せたような気がしています。
提出期限はあっという間に近づいてきます。スケジュールは決めていたものの「もっと良いアイデアが出てきそう」「案件との兼ね合い」などの理由から、スケジュールは合ってないようなものでした。
もう企画書にしていかないと厳しい!そんなタイミングで各々のアイデアを企画書の体裁で書き進めて持ち寄りました。するとまさかの話がどんどん広がっていく。今まではアイデアの種を見ながら話していたため、話が広がっていかない。「これも良さそうだよね」と抽象的かつ中身のない会話で終わっていました。ですが、思い切って書いてみると、具体的に抜け漏れていた部分や話し合うべきポイントが可視化されていくことを実感しました。これに気づいたのが提出1週間前ぐらいの出来事だったと思います。
社内ブレストのときも、ある程度形にしたアイデアを持ち寄っていた。それを元にみんなで話して深掘りする。そんないつもやっていたことが、こんなに大切だったとは思っておらず、とても学びになりました。
2.余白を持たせること
仕事のやり方みたいなお話になりますが、やっぱり何かに挑戦する上でスケジュールに余白をもたせることの重要性を感じています。
「けっきょく、よはく。」そんなタイトルの本もありますが、仕事において余白は大事だなと思いました。正直、僕らが目標としていたスケジュールに余白はありませんでした。明後日には企画を固めて、資料化しよう!そのぐらいのスピード感です。元々前述したようにスタイルが確立されていなかったこともあり、どの工程にどのくらいの時間がかかるのかも分かっておらずの状態でした。
制作実装と比べると、アイデアを出すのにどのくらい時間がかかるのか予測しにくいのに、アバウトにスケジュールを切ってしまっていた。期限を超え、遅延が続くとどんどん焦っていく。でも表面的には大丈夫!と思っていても、頭の片隅で「とはいえ、やばいのでは?」と精神的に負担になっていく。
そんな状態になっていた気がします。ある程度の工数を知り、そこにちゃんとスケジュールの余白を持たせる。これがスムーズな進行および精神的な安定にもつながるんだと実感しました。
また、メンバーが何を得意としているのか。慣れている得意だからこそ、見立てよりも時間が短縮できることも実感しました。
僕らのチームにはデザイナーの小林くんがいたので、会議中に手描きラフを作ってもらい合意形成をとっていく。そんな荒技ができたのに、無駄に企画書のデザイン作業にかなりの時間を確保していた、なんてこともありました。
最終的にはエイヤで乗り切るしかないということも多いですが、今回のメンバーだと何の工数に時間がかかるのか。それを把握した上で余白をもたせること。これが制作進行では大事なことだと思いました。
最後に
販促コンペを通して以下の5つのポイントを学ぶことができました。
企画する上で、その施策で実際に人が動くかを考える
その表現(アウトプット)が適切なのかを考える
思い切って形にすることの大切さ
余白を持たせること
みんなの得意(専門)領域を生かすこと
販促コンペから3ヶ月程しか経っていませんが、様々なブラッシュアップポイントが見つかりました。それは、実際の業務を通して企画の経験を積み、短い期間の間で成長できたから!かもしれません。
今回はnoteというアウトプットを使いながらレビューしました。
一次通過できたことは自分たちにとって、良い勉強と経験になりました。
何よりも3人の仲が深まったのが一番の収穫です笑
若手3人で挑戦できてよかったです!
今後も社外コンペに参加したりして「CX CRAFTS / CXの企画実装屋」として企画力、実装力を日々磨いていきます!そんな意味込みで締めくくろうと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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