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『NELL-マットレスD2Cブランド』が日本を睡眠貧国から救うために立ち上がった熱量に迫る【D2Cブランド探訪記】


日本イチD2C情報をインプットしている海老原が取材し得たブランド最前線


こんにちは、こんばんは。D2C海老原です。
四半期ぶりにD2Cブランドを熱量高く取材してきましたので、「D2C探訪記」第二弾をご紹介します。第一弾のマッスルブランド「VALX」探訪記はこちら

第二弾を飾るのは、マットレスD2Cブランドの「NELL(ネル)」

米国でD2Cブームを巻き起こした、Casperに代表される業界ですが、日本は依然としてニトリ・無印・IKEAの圧倒的流通量で席巻されている市場。かくゆう海老原もニトリのマットレスで毎日寝ています。それほど、マットレス買うなら、家具屋さんという想起がされる市場なのです。

この巨大なレガシー市場に一石を投じるのが、NELLです。NELLはオンライン発のマットレスブランドとして、2020年10月末にローンチしたばかりのブランドですが、取材をしていくうちに、NELLの勝算がひしひしと伝わってきました。

キーワードは、「シモンズよりも圧倒的に安く良いものを作ることへのこだわり」と「ニトリの次に選ばれるプロダクト作り」です。それでは、本編をどうぞ!

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▼NELL前提情報

*BRAND年表

2018年5月:会社創業(株式会社Morght)
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2020年1月:ブランド構想着手
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2020年4月27日~7月31日:ブランドのβ版立ち上げ
(30名のプレカスタマーの誕生)
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2020年10月26日:ブランドの本格ローンチ


*NELLの由来

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*NELLが手掛ける睡眠市場の全体像

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(画像提供:NELL資料より)


*国内マットレス流通数は、年間400万個

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(画像提供:NELL資料より)

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Q:NELLが提唱する既存の購買体験へのアンチテーゼとは?(マットレス購買編)

これまでマットレスの購買体験は店舗での体験がすべてだった。
・ショールームに横並びされている数多くのマットレスに横になり、5-10分で寝心地を試してもらう
・5-10分で寝心地を感じてもらうために、比較的柔らかいマットレスで顧客のCVRを高めていた

上記2点に対し、NELLは2つのアンチテーゼを提唱する。NELLの考えは、「提供者側がリスク負わないと、日本の睡眠の質は変わらない」ことにある。
・5-10分寝るだけで自分にフィットしたマットレスを探すには時間が足りない。四季のある日本では、4ヶ月ほど試してみないとわからないのではないか
・柔らかいマットレスで長い間寝ていると、腰痛持ちになりやすくなる。また、CVRを高める=購入を第一に考えるのではなく、購入後の先にある利用満足度を高められるマットレスを適正プライスで提供できないか

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Q:NELLマットレスは何がすごいか?

第一に、他社製品よりも機能性を上げ「WELL NELL(よく寝られる)」を実現している。
└ マットレスに搭載したポケットコイル数は他社マットレスの追随を許さない約1,700個を誇る(※20万円価格帯のマットレスの約3倍のコイル数に該当)
└ 豊富なポケットコイルにより、どのような体型・寝相にも身体にフィットし、腰痛/肩こりに悩んでいる方にオススメできる

第二に、「おうち時間」増加の現代社会におけるライフスタイルに合わせ、「寝る」のは当然のこと、「座り続けても疲れない」マットレスを目指した。
└ 座りやすいように、マットレスのふち部分に硬めに設計した
└ カスタマーの生活感を徹底的に想像し、マットレスを再定義した

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(画像提供:NELL資料より)

第三に、マットレスとしての「耐久性」だ。
└  10年間の耐久保証をつけられているのも、歴史ある福岡県のマットレス工場と共同開発を行っている品質への自信があるため
└  実際に1000ニュートン=約102kgの負荷をかける10万回の耐久試験をクリアしており、それにより日本のJIS規格にも合格している

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Q:NELLが5年後に寝具BRANDトップに輝くための戦略とは?

第一に、戦略ターゲットはアラサーのデジタルネイティブ世代を狙うことにある。
└ 目指すは、年間約80万個のマットレス流通量を誇る「ニトリ」マットレスを使用している人が、買い替え時に選ぶ中間価格帯マットレスとしての想起を狙う
  └ イメージ、22歳(新卒入社時)に一人暮らし用のマットレスを買い、7-8年のマットレス寿命から逆算し、29-30歳になる人が戦略ターゲット

第二に、日本全国にNELLの睡眠体験を届けるためのオフライン展開だ。
└ ホテル
  └ 2021年までに1,000室のマットレスをNELLが手掛けることを目標に掲げている
  └ 高級マットレスBRAND「シモンズ」のように、日常よりも一段階上の睡眠体験を体感してもらう場としてホテルは最適
└ 整体/整骨/エステ/ジム
  └ 「日本人の体を熟知しているプロが本気でオススメするマットレス」という想起を作るために共感いただける店舗を探している
  └ 体の不調を抱えている層にピンポイントリーチできる先として最適

第三に、マットレスを買って終わりにならない、カスタマーと「長く付き合う」ための顧客体験設計だ。
└ 2021年中に、NELLが満を持してローンチする、睡眠特化アプリ
└ マットレスの周辺領域へのクロスセル拡充(サブスクモデルの採用)
  └ 「寝室のアップデート」 ⇒ 「準備のアップデート」 へ

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(画像提供:NELL資料より)

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その他Q:日本発のマットレスBRANDローンチに向け、米先行マットレスBRAND「Casper」は参考になった?

日本とアメリカの睡眠市場の違いでそこまで参考にならなかった。
└ 例えば、返品率はCasperでは20%だが、日本のコアラ・マットレスはわずか3%と大きく違う


一方で、Purple Mattressが参考になった。
└ 特にInstagramでの見せ方が優秀だった

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