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旅立ち〜九十九折父親日記第二部

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娘の旅立ちまで3ヶ月の間、書いた詩をまとめておく。16歳の父親日記。
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記事一覧

旅立ち

広い広い空高く
しなやかに舞い上がれ

身体を大切に
自分を大切に

あとはなんとかなる
なるようになる

気楽に
気軽に

君なら
きっとできる

ありがとう

6.4

家族の愛

最後の夜

家族の愛に包まれながら
彼女は寂しさと戦っている

自分で決めた道
期待と不安

実感なんて
あるはずがない

しばらくは落ち着かず
寂しさも薄れるだろう

慣れるしかない

家族の愛は彼女に届く

それが愛
それが家族

6.3

手紙

自分らしさを磨きなさい

自分らしさとは個性
言い換えれば自分だけの色

日本の教育はできないことを減らそうとし
海外の教育はできることを伸ばそうとします

これに慣れるのは大変ですが
慣れないことに慣れるしかありません

言葉に限らず学問も仕事も
言い換えができるかどうかです

自分で考えて自分の考えを伝えるだけです

いろんな言い換えができるようになると
それが自分だけの物差しになります

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君を信じている

人の道だけは外れないで

どんなに回り道しようと
焦って泥沼にはまろうと

信じることから始まる

何を信じるか
誰を信じるか

自分を信じるには
もう少し経験が必要

親だけが無償の愛を
真っ先に授けてくれる

それもあと数年
そのあとは自分

迷ったら
親だったら

その道を進もう
それが人の道

未来を照らす光になろう
その光に集まる師や友

信じられる人は
自然と集まってくる

慣れるまで

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言い換え

言い換えを言い換えると
アウトプットになる

自分の物差しで測ってみる
それを客観的な物差しで測ってもらう

一次情報以外は信じてはいけない
大人顔負けのデジタルネイティブ

そして自然との共生が
贅沢になる悲劇

奪い合う愚かな人間
呑気な世界の端っこ

一次情報に手が届かなくなる
すぐそこにある危機

自分はこう思うけど
あなたはどう思うか

これも言い換え

この積み重ねで
信頼の絆を広げて

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自分の物差し

わかる喜びから
できる楽しさへ

言い換えると
自分の物差しを作ること

こういう言い換えが
たくさんできるようになる

これが難しいと
言ってはいけない

日本という文化
スマホという技術

いろんなことが見えてくる
いろんなことがわかってくる

すると何が正しいのか
何を信じればいいのか

わからなくなる
壊れやすい十代

自分の存在の
意味を求めて

彷徨う日々

帰る場所は家
家を守るは親

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最後の日曜日

遊園地だった

一日のプランは彼女が作り
我々は彼女に従った

午前中はここ
休憩はここ
午後はここ

時間があれば
ここかここ

かき氷ではなく
アイスはここ

温泉に移動
夕食は帰りにここ

だいたい混んでいたり
やっていなかったりで

思い通りにはいかないもの
その対応もほぼ完璧だった

切り替えもうまい

自分が多くの選択肢を
持っていたからだ

彼女は本当に
僕によく似ている

当たり前

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壮行会

避けては通れない
儀礼的な昼食会

ホテルの心遣いに感謝
使い慣れた居心地の良さ

介護について
老後について

今回は色々と学んだ

介護の仕事をする
友人からのアドバイス

兄弟からも励まされた
甘えることもさせてもらった

ちょうど一週間前
もう慌てることもない

ただ前を向くだけだ

過去に敬意を
未来に祝福を

家族の絆に感謝を

5.28

美術鑑賞

雨があがったので
久しぶりに美術館へ

観たい映画は
どこでも観られる

観たい美術展は
どうしても都心に多い

今年すでにひとつ
見逃していた

だからこれはどうしても
行く必要があった

今週末で終わりなのだ

終わりが近いと
やはり混んでいた

それも覚悟の上だった

初来日のフェルメール

それ以上に西洋絵画を
俯瞰で観られる機会も
滅多にあるものではない

昼休みを返上し
とんぼ返りの旅

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老人たち

仲間が必要なこの時代
何故虚しい空気が流れる

教えることもない
教わることもない

今を否定するのではなく
カイゼンするために

アイデアは湧いて出る

歴史を学べば
当たり前のこと

わからないことは
やろうとしない

既得権益に囚われ
まるで専制国家

覇気もなく

今がよければいい
今を守れればいい

未来を語れと
信頼されろと

白々しい

昼はゴルフ場
夜はクラブで

今日も昔話に

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母親を敬う

母親という仕事
キツいと思う

合理性とは真逆

急いではいけない
成果はどうでもいい

男女平等と言われ
ガラスの天井に苦しみ

欲張りと言われ

父親がやれば
自己肯定感を奪われ

こんなに哀しい
仕事はない

不平等だった時代

男と女はお互い
それぞれの役目を果たし

尊重しあい
慈しみあい

それが平等になると

競い合い
妬み合い

男性社会は
厳然とそこにある

まるでそれが
当たり

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正義は何処へ

働きがい
生きがい

どう考えても理不尽で
体を壊し心を壊し

それでも会社のために
働く意味があるのだろうか

余計なことを考えず
目の前の仕事に集中する

できることから少しずつ
誰からも見向きもされず

正義は何処へ

5.24

できなくていい

できなくていい

できなくていいと
やらなくていいは違う

まったく違う

できなくていいから
まずやってみる

やってみると
発見がある

やってみると
体験がある

自分だけの喜びがある
自分だけの悲しみもある

やってみると
できるようになる

できなくていいから
まずやってみる

そこからだ

5.23

シン・映画

『ショーシャンクの空に』を観た
不朽の名作と言っていい

金曜ロードショーはいい

昔は毎晩9時からは映画だった
そのほとんどは洋画だった

邦画が人気となり
海外ドラマが人気となり
時代はずいぶんと変わった

それでも『ショーシャンクの空に』は
あの頃のままの美しさだった

『シン・ウルトラマン』を観た
庵野はすごいとは思う

だが不朽の名作とは言い難い
人間の心が描かれていない

虚像と実像

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